■ 下駄箱の製作日記 (測定・調整段階)その2 ■
2007-04-10 やり直し
  質問があったので4/4の説明不足を追補。「ソケットにパスコンが付いているから、銅板をタンク回路まで敷いた」という単純な理由ではありません。GU−74B/2本の出力容量は22pFもあり、πマッチ−C1全体の1/3位の容量に相当する。当然これをパスコンを経由してタンク回路に戻さないとNGであろう、と考えた次第です。まぁ、理屈はどうであれ、結果はNGなので、どうでもよい話ではありますが(苦笑)。
 しかし手間ヒマを掛けての惨敗であったので、口惜しくなってRF−Box内の銅板とシャーシ上面のソケットからRFCまでの銅板とを銅板にて接続してみた。出力容量はプレートとスクリーンG間とで形成されると考えたのだが、もしかするとプレートとコントロールG間かも、と考えたわけである。それとGGアンプというのは、基本的に入力電力がそのまま出力電力に出てくる(つまりゲインは確実に0dB以上)ので、このアース処理はヒョットすると重要かも、とも考えた。それでも「まず有り得ないなぁ」と結果は期待せず。で、やはり結果は
NGであったのだが、さすがに気落ちはせず。かなり自虐的になってきたかぁ?

2007-04-12 カソード電流
 4/10の作業で「
」のコトがあった。メイン電源を落としても、offディレイでファンがしばらく回っているのだが、普段はリアからの強制排出があって、ケース上の排出口からの吹き出しは殆ど無く、吹き出し口に手をカザしても球による温度差は分からなかった。ところが4/10は危険と認識しながら、上ケースを外してロードVCの状態を見ながら実験していた。offにした後、ナニゲにチムニーからの風を手の表面で受けて、球が冷えたか/どうかを確認したのだが、左右の球でズイブンと温度差があった。でも、晩酌をした酔った頭では当然その原因までは分からずじまい。
 で、シラフの時にその原因を考えてみた。2球のアイドル・カレントを見る限り、2球の特性はさほどズレていない。ただRF入力を入れての各カソード電流をまだ測定していなかった。せっかくテスト・ポイントを設けているのである、動的状態で測定してみよう。晩酌後、恒例になってしまった実験開始。XYLと2ndの目がいつものように冷たい。先ずはアイドル状態であるが、最近少し多めに流して0.25Aとしているのだが、2球の差は10%であった。入力を入れ、2本で1A流れる状態にて測ったら、2球の電流差はやはり10%ズレていた。この差が大きければ、その原因を探して対処することで、これまでの問題も解決出来ると思っていたが、
ビミョーな差であった。逆に問題が増えた感じ、はたしてこの程度の偏差で目立った温度差が生ずるのだろうか。

2007-04-13 カソード周りの変更
FDTさんにはペアの球をお願いしていたので、@過日フラッシュが発生し、カソード抵抗の片方だけ焼損したコトがあったが、このフラッシュで片方の球がNGとなった A他の別の原因 だろうと考えた。この@の方とは考えたくない(苦笑)ので、Aを考えてみた。今日の晩酌は少なかったのか、カソード入力部分がオカシイかもと思い当たった。マイカの0.01μF+0.0014μFで、それぞれのカソードをドライブしている。このコンデンサは±10%精度と標記されてはいるが、古いのでズレていてもおかしくない。テスタで2組のコンデンサを測定すると、0.0111と0.0067μFであった。この違いで2球の熱損失が異なり、さらにはバランスが悪くパワーが出にくい、のではと考えた。でもリアクタンスで考えると「
ありえねぇー」なぁ。それでも、片っ端から思い当たるのを、やっつけていかなければ。もしかするとヒントが出てくるかも。という訳で、両カソードを幅細の銅板で接続し、中点辺りに0.011μFコンデンサでドライブした。さぁてとぉ、今度はどうだぁ。一縷の望みで試すも、やはり × 今日もヤケ酒だぁ。

2007-04-14 神頼み
 何とか自力で、と思ってイロイロやってきたが、どうにも・こうにも八方塞りとなってしまった。こうなれば神頼み、札幌・FDTラボのFDTさんにメールで状況をお知らせし、ご指導をお願いした。お忙しい方なので、ノンビリ待っているつもりだったのだが、何とその日の内にアドバイスを一杯頂いた地獄で仏に会ったような感じ、超うれしい。FDTさんからのアドバイスは、

@Isgが最大になるような調整方法ではNGである
Aタンクコイルの設計で、Zpはもっと低くしインダクタンスも減らすべき
B過日イロイロ試していたRFリターンは、さほど神経質にならなくて良いだろう
CC2の増加には、より容量大のバリコンに変更が望ましいが、VCにパラに固定コンデンサを付加する場合は、耐電流に十分注意すること
DロードVCの容量は設計値±40%以上の余裕が必要
Eカソード抵抗は10Ω位に上げてバイアスを深くした方が入力電力を入れられる
FEsgを高くしてIpを増加させてみる

などなど。う〜ん、知らないということはゲニ恐ろしや、眼からウロコ状態になりました。こんなコトなら、もっと早目にご質問すれば良かったワイ。FDTさん、お忙しい中、アドバイス大変ありがとうございました
 せっかく頂いたアドバイスである、スグにでも実行してみたいが、スグに出来るコト/出来ないコト がある。コイルを再度作り直すのは結構面倒である+ロードVCに付加する耐電流特性の良いドア・ノブ・コンデンサの入手にも時間がかかりそう 等々 なのでCを考慮して、Aを試してみよう。以前作成した低インダクタンスのコイルを引っ張りだし、再度π−Lマッチに挑戦してみた。ただ今回はL2のインダクタンスを減らし、ロードVCに220pFを付加(2nd−Qは低いので電流的に問題は少ないと判断)してみた。するとどうだぁ、最大出力はVCが一杯入った位置ではなく、少し抜いた位置になった。残念ながらIpがあまり流れてくれず、最大出力は1.5KWほどであった。でも、これまで悩んでいた「ロードVCが一杯でないとパワーが出ない」というドン底状態から抜け出て、真夜中の3時から、祝杯^2

2007-04-15 タンク回路をイロイロ
 新しいコイルを巻くのが何となく億劫である。π−Lマッチで、もう少し挑戦してみようと考えた。先ず、何故にL2コイルのインダクタンスが減らないとチューン出来ないのかイロイロ考えてみた。当然HYDの頭では分かる訳はない。それじゃぁ、ってんでπ−Lマッチの計算ソフトを急遽作り、いろいろシミュレーションをしてみた。ソフトはZp、Q、R2を入力し、C1・L1・C2・L2を計算するものである。シミュレーションから推定するに、どうやらQ=22、R2=150Ωと、かなりハイQでチューンしているようだ。次いでQが10〜15で同調する条件を計算してみた。L2はL1と比べて1/3以下にした方が調整しやすいというコトなので、R2は100Ω前後にてC1〜L2を求めてみた。Zpは700〜2000Ωで計算、この膨大なデータから、旧コイルのL1=1.3μH(推定)に近いモノを探す。すると、Q=15、Zp=1100Ω、C1=120pF、L1=1.3μH、C2=540pF、L2=0.43μHと出た。実際にL2(20mmφ−24mm長−6T)を作り装着。MFJ−269でVSWRを測定してみる。かなり計算値に近いトコロで、VSWRを1.0に調整できる。喜び勇んで、さっそく実際にパワーを入れてみる。...が、×である。1.5KW程度しかパワーが出て来ない。しかも最大出力はロードVCがMaxとなっている。う〜ん、また振り出しに戻ったかぁ? L2を伸ばしたり/縮めたりしてインダクタンスを変えてみた。するとコイル長が30mmの時に最大となり1800W。これより短くても/長くてもパワーは出ない。入力を入れていっても、Ipは途中から全く増えず、IsgとIcgが急に流れ出してメータ振切れになってしまう。しょうがない、危ないとは知りつつ、ロードVCにさらに固定コンデンサを追加。VCの400pFと220pF×2の440pFの固定コンデンサで最大840pFで試す。さすがにロードVCは抜けた状態で最大出力となるが、追加する前より最大出力は減って1KWほどに低下してしまった。追加した高圧セラミックコンデンサの抵抗分が悪サをしているのかもしれない。
 ただ、この自作ソフトのデータと、バイブルにしている誠文堂新光社「リニア・アンプ製作集」のπ−Lマッチ表(Q=12)とで、かなりズレているのが気になる。HYDのはR2を与えて計算しているが、「リニア製作・・・」はQ2を与えて計算しているようだ。でもバイブルのπ−L設計値では全くNGであったので、自分の計算を信用しよう。何となく結果も合っているような気がするし。

2007-04-18 AC100Vの昇圧
 大電流を流せるSWは高価な上に大きくヤボったい。このため下駄箱にはSSRを多用して、安価な普通のSWを使用している。ヒーターのラッシュカレント抑制にも、このSSRを使用しているが、実はパワー・サーミスタも併用している。「過ぎたるは、なほ及ばざるが如し」で、効果のホドはともかく、電圧降下でヒーター電圧はズイブン落ちてしまう。規格の12.6V±0.7Vはクリアしているが、ギリギリなので、エミッション低下となっているカモ。という訳で、会社の帰りにローカルのOM宅からスライダックを借りて来て試した。結果は全く変わらずに×。まぁ、そりゃぁそうだろう、そんなにシビアな筈はないよナァ。
 ところで、30数年前に入社したての頃、ヒーターやヒューズ類の寿命は、定格電圧比の13乗で長短すると教わったことがある。エミ減につながるコトは措いといて、ヒーター寿命は5%低下で1.05^13で、1.9倍に延びることになるが、果たしてそうであろうかしらん。

2007-04-21 ロードCの追加
 ロードVCにパラ付けしている高圧のドア・ノブ・コンデンサはロシア製で、電流特性が不明である。FDTさんからの情報で、VCにも当然電流は流れるが、固定コンに全て流れると仮定し、RF電流が1.2Aとすると、Q=15で18A流れるコトになる。逆に言うとそれだけ流せる固定コンである必要がある。秋葉原で購入できるドアノブコン(HT50型)の100pFの定格は、10MHzで6.8Aであるので、14MHzでは7Aは流せることができそう。すると3個はパラにする必要がある。このため夕方から秋葉に出掛け、気前よく(ウソ、渋々)これを4個購入した。ロ製の高圧コンでは電流が思うように流れず、どうしてもL−VCがMAXにならざるを得ないのだろう、との素人考えである。帰宅後、早速試してみるが、期待とは裏腹に全く変化なし。う〜ん、又しても空振り三振。100pF×4個は高電力LPFを作成する際に使うコトにしよう。
左:米国製(HT-50-7.5KV-100pF)
右:ロシア製(16KV-220pF)
HT-50-7.5KV-100pFを4個パラ接続
2007-04-22 コイルのインダクタンス
 新たにコイルを巻くのが億劫であったが、インダクタンスを減らすのなら、何も新規に巻くこともないコトに思い至った。バリアブルLと同じように、不要な分をショートさせれば良いというコトに気が付いたのである。「気が付くのが遅〜い!」は言いっこなしネ。1T分、2T分と減らしてみたが、計算通り減るかどうか実測してみた。とはいっても、LCRメータを持っていない。で、MFJ−269のご登場である。でも、測定周波数でズイブンと値が異なる。14MHzでは計算値の1.3倍と表示される。MFJの最低周波数は1.7MHzであるが、この周波数での値が計算式とほぼ等しい。で、この周波数での測定値が、真のインダクタンスだろうと勝手に決めてしまう。またケース内に入れるとインダクタンスは低下するが、ケース内に装着に近い状態で1.3μHになるようにコイルをショートした。これで、Q=12、Zp=1200Ω、C1=110pF,C2=500pFでチューン出来る筈。1KΩと1.5KΩの抵抗をそれぞれ装着して、MFJ−269でVSWRを測定、T−VCとL−VCを調整して1.0になることを確認した。さぁ、今度はどうだぁ。L−VCには固定コンを100pF×2個付加していたが、出力最大は1.6KWでL−VCが一杯入った状態であった。さらに×4個でも試したが、出力最大は1.2KWでマタマタL−VCがMax、振出しに戻ったようだ。

2007-04-25 ダミーのCHK
 リターン処理がマズくて、ロード側コンデンサC2が計算値より大幅増になってしまうのだろうと考えている。それで、銅板を追加敷設したりしたのだが、FDTさんからは「14MHz程度の周波数+2KW前後のパワーでは、あまり神経質・シビアに考えなくても良い」ようなアドバイスを頂いている。ということは、別の要因も考えなければならないかも。このためπ−Lマッチ、πマッチの各定数を計算する自作ソフトで、どのような時にC2が増加するかシミュレーションをしてみた。すると、出力インピーダンスが50Ωではなく、20Ω以下になるとC2が2倍以上に大きく増加しないとチューンしないコトが分かった。まぁ、シミュレーションしなくても分かることではありますが。でも晩酌後の頭では、しょうがない。そういやぁ、ダミーのVSWRは悪いしナァ、ケーブル長も丁度λ/4*0.67=3.5m位だし...。ということで、確認のためMFJ−269で「ダミー+ケーブル+Bird43パワー計+ケーブル」のインピーダンスを測定してみた。結果は、VSWR=1.1だが、インピーダンスは39Ωと出た。1mほどのケーブル+ダミーでは、VSWRは同様に1.1であるが、インピーダンス表示は51Ωと出た。う〜ん、確率は低いが、もしかして...、という訳で、肝心のダミーを代える訳にはいかないので、ケーブルだけをかなり短めのモノに取替えてみる。結果は、全く変化なし。VSWRが1.1であることから、98%はそうだろうとは思っていてもなぁ、やはりガックリ
 借り物のMFJ−269で、取説がないので分からないが、付属のインピーダンス・メータ(アナログ値)とRs/Xs(ディジタル値)との値に、かなり差異がある。どちらを信用してよいのだろうかしらん。それにしてもケーブル長でインピーダンスは結構変わるものである。今さらながら驚いた、これからは注意しよう。

2007-04-27 スクリーン電源
 Esg値をパネル面にディジタル表示させているが、基板上で測定した時より、かなり微妙なレベルで悪い数値を示している。Isgが60mAでもEsgは298Vをキープする筈だったが、実際には285V以下まで低下している。Sg電源部の実力を測定した時には、SSRやパワー・サーミスタを取付けていないので、AC100Vの電圧降下も少ない状態であった。このため、実環境では電圧降下分がレギュレーション低下に結びついているのだろうと考えていた。でも、スライダックで昇圧しても低下している。ということは、何らかの原因があるのだろう。そういやぁ、Sg電源のリプルも測定していなかったナァ。もしかすると、表示値以上に深刻な状態かもしれない。という訳でSg電源部と、ついでにCg電源部の測定を実施した。オシロのデジカメ写真は撮らなかったが、Isg=5mA程度でも11Vp-pと、ずいぶんリプルが多いこれはオカシイ! これが現在悩んでいる原因なのだろうか。イロイロ調べて行くうちに、配線がお粗末な部分があった。フラッシュで10Ω抵抗が断線したことがあったが、この時に仮配線していたままにしていたようだ。これをシッカリ配線するとリプルは無くなった。ただ60mA流すと、レギュレーションが悪くなり、Esgも低下し、リプルも出てくる。しょうがないので、外部トランスを仮に付加してAC250V→AC270Vに上げてみると、どうやら60mA流してもリプルは現れない。さぁ、今度はどうだぁ! かなりの期待を持ってパワーを入れていくが、全然変化なし、ガックリ。どうやら大型連休は、ブルーな連休になりそう

2007-05-05 GU−74Bパラ→シングル
 大型連休は、例年通り田舎に帰省して百姓仕事。でも五月晴れの中での農作業も、心は晴れない。早目に横浜に戻り、下駄箱にと向かう。といっても、原因が分からないので、することも何も浮かばない。それでも、ケース内と回路図をジーッと見ているうちに、球をパラにしている関係で、どうしても球周りのグランド処理がマズイのかも、と思い至った。そのためシングルで試すことにした。FDTさんからは「コイルのインダクタンスをもっと下げた方がベター」と言われているのだが、ついついオックウになっている。シングルにすれば、現在のコイル(計算値2.0、ケースに入れると、たぶん1.8μH)でも良いという計算になる(Zp=2300Ω、Q=15、C1=73pF、C2=443pF)。一石二鳥(というのかなぁ? Hi)ということで、早速試してみるが、
 in32W−out1050W、Ep2950V−Ip0.56A、Esg300V−Isg30mA、Icg0.1mA、入力VSWR1.5以上

というソレナリの値が出て来た。残念ながらC1は半分程度入った状態で計算通りであるが、C2は400pFバリコン+固定100pF×2の状態でロータは全部入った状態は変わらず。さらに固定コンデンサを4個に増やしても、出力最大はやはりVCが全部入った状態で、最高出力は逆に900Wに低下してしまう。結果はNGであるが、少なくとも真空管周辺のGND処理でないことは確認できた(負け惜しみ)。
 ANTリレー部でオカシクなっているかも、という訳でリレーを介さずに、ダミーロードまで引いてみたが、こちらも想定通り変化なし。ところで、今日、先輩のJA3HJIさんからVHF帯で使用するプロ用のダミーロードを送って頂いた。250W用ではあるが、30sec位なら2KW位は問題なさそうな大きさである。イザとなれば、水の中に浸しても良いかも。144MHzまでVSWR1.0とVY FBなシロモノで、測定には当分これを用いることにする。
2007-05-06 14→7MHz
 FDTさんから「14MHz位ならGND処理にさほど神経質にならなくても良い」というアドバイスを頂いているが、プレートVCの大きさ等から最短配線(面)にはなってなくて、いささか不安。このため、14MHzの半分の7MHzで試してみることにした。昨日の延長で、球を1本にしてZpを高くし、プレートVCに固定コンデンサを付加しなくても良いようにした。また銅パイプではなく2mmの皮膜銅線でコイルを作成するなど、簡単に実験できるようにした。Zp=2300Ω、Q=12、C1=117pF、L=4.8μH、C2=658pF、Lは70mm径−105mm長−12T(ケース内で4.8μH?)として、入力は面倒なので直接カソードに結合した。この結果は、
 in30W−out900W、Ep2970V−Ip0.50A、Esg300V−Isg30mA、Icg0.02mA、入力VSWR1.45
である。T−VCは90%入った状態で計算値に近いが、L−VCは固定コン400pFをパラにしていても、一杯入った状態は変わらず。う〜ん、どうにも・こうにも、ヒントさえ出てこない。まぁ、7MHzでOKであったらGND処理がNGということで、大改造を余儀なくされる筈だったので、それは回避出来たということで、喜ばしいコトではあるナァ(又しても負け惜しみ Hi)
 何かしらヒントが出てこないかと思い、MFJ−269にてロードVC(400pF)とチューンVC(100pF)の容量を測定した。
 ・T−VC(100pF)14MHzにて測定
   Min:33pF、50%:84pF、Max:138pF
 ・T−VC(100pF)5MHzにて測定
   Min:27pF、50%:67pF、Max:107pF
 ・L−VC(400pF)14MHzにて測定
   Min:25pF、50%:400pF、Max:1470pF
 ・L−VC(400pF)5MHzにて測定
   Min:23pF、50%:230pF、Max:503pF
最低周波数でも測定したが、Minに近い所ではリアクタンスが高過ぎて計算不能と表示されてしまったので、5MHzの数値を載せた。どうやら5MHz位の周波数ではさほど誤差なく測定できるようだ。周波数が高くなるとリアクタンスが低過ぎて計算誤差が増えるのだろう、L−VCではトンでもない数値になっている。あるいは、これが原因かもネ。
2007-05-18 Cg電源部
 4/27にSg電源部の出力電圧の波形確認をしたが、実はその時にはCg電源の方は未確認であった。それで一応オシロで波形の確認を実施した。「リプルもなく特に問題なし」で済むかと思いきや、立派なリプルが残っています。オシロの目盛を信じると3.2Vp-pも残っている。考えてみると、出力電圧もRZ62Fツェナーのレギュレータの筈なのに60.5Vと微妙な数字である。簡単な回路だし、出力電流−出力電圧特性も確認しているから大丈夫だとは思っていたのだが...。最近、老眼が進んできており、Sg電源部と同じようにどこかで配線ミスをしたかも。という訳で一応回路を確認したが異常なし。う〜ん、どういうコトだろう。整流直後のリプルを調べると、3.5Vp-pとコントロールグリッドにかかっているリプルに近い。さらに整流直後の電圧を測定すると、何と64.9Vしかない。なぁ〜んだ、レギュレータへの入力電圧が低かったのが原因かぁ、オソマツ。Sg電源部の時と同じように、外部トランスでAC50VをAC74Vと昇圧することにした。これで出力電圧は62.0Vに上昇し、リプルも測定不能まで減ることを確認した。で、3Vp-p程度のリプルでは大勢に影響は無いとは思っていても、モシヤ・モシヤということもあるので、一応下駄箱にパワーを入れてみた。予想通り、最大パワーはL−VCがMaxであるのは変わらず。まぁ、結果は変わらなかったが、ハム音は減る筈、と妙に納得してヤケの寝酒
2007-05-19 モニタ音
 朝早くから起き出し、納戸の奥をゴソゴソ。旧いトランシーバ(ヤエスのFT−840)を奥から引っ張り出してきた。田舎の実家には大小取り混ぜて4台もの12V電源があるのだが、ここには1台しか無いので急いで12V電源を製作します。と言っても、ノートPC用の15V電源を少し改造して13V程度にしただけ。今日はリニア出力の音質を別室にてモニタするつもりです。「濁った音でも出るかなぁ」と思って(というか、かなり期待して)いたのだが、どうやら素直な音で聞こえて来る。ということは、パラスティック発振の可能性は少し減ったようだ。この時のダミーはシールドの良さそうな、JA3HJIさんから頂いたプロ用のダミーを用いた。で、250W定格ということで、出力パワーは音声のピークで500W程度に抑えていた。で、モニタ音を確認した後、いつものようにフル・パワー(といっても1.5KW程度、L−VCはMax)を出し、いつもは実施しないCg電流が1mAメータを振切れるまで入力を上げてみた。ギリギリ2KWが出るようだナァ、と思っていると、イキナリ4個のアナログ・メータが一斉に変な動きをしだした。記憶にあるのは、Ipが振り切れ、Icgは1mA〜0mAをフラフラである。Isgは思い出せない、というか即座にオペレートSWをoffにした。一体何が起きたのだろうか? 特に変な音や臭いも煙も出なかったが...。ヨクヨク見ると、IC−7400出力のVSWRが振り切れている。ということは、ダミーが逝ったってコトね。テスタで測ってみると案の定5KΩと、ほぼオープン状態。せっかく送って頂いたモノなのにスグに壊しちゃったヨー。一応ダミーには、18cmもの巨大なブックFANで冷やしていて、熱的には大丈夫かと思っていたのだが、どうやら熱抵抗が大きくて、ダミー・チップ部分が局所的に過熱してしまい、逝ったようだ。HJIさん、頂いた早々に壊してしまい申し訳ありません

2007-05-31 さらに固定コンを増加
 どうにも・こうにも八方塞がりである。こうなると、理屈を抜きにしてイロイロとやってみて、何らかの糸口を探すしかない。で、先ずはロード・バリコンにパラに付加している固定コンデンサを更に増やしてみることにした。これまで100pF×2個、100pF×4個と増やして来ている。それでもL−VCは一杯入った状態(容量が最大)が最大出力であり、逆に固定コンを増やすほどに最大出力は低下していた。現在のタンクコイルのインダクタンスは1T分をショートしており、MFJ−269で1.7MHzにおける実測値は1.6μHで、ケース内では1.4μH程度と考えている。Zp=1300Ωとすると、Q=12、C1=100pF、C2=480pFでマッチングがとれる計算となる。実際、球に1.3KΩ抵抗をパラとし、MFJ−269にてANT端子側からのVSWRが1.0となるC1、C2のバリコン容量は、計算値に近い位置である。だが実際には、C1は計算値に近いが、C2はVC400pF+固定400pF=800pFと計算値の2倍近い数値でもチューンしない。当然、どこかに問題があるものと判断している。でもOMsの資料を見ていると、理由はよく分からないが2倍程度にズレている場合もあるようだ。このため手持ちの220pF×2+100pF×2+VC=1040pFで再トライすることにした。固定コンを増やすほどに最大出力はドンドン低下していたので、期待は全くしていない。で、結果であるが、これだけ固定コンを入れても相変わらずロード・バリコンが一杯入った状態が最大出力で、逆にその出力は1.2KW程度と低下してしまう。何かしらのヒントが出てくるのを期待していたのだが、何も出てこなかった、ガックリ
2007-06-09  PS回路の追加
 6月に入ってからも、アキラめてはいないのでイロイロやっているが、全て効果なし。でもヤルことが少なくなり、低レベルのモノばかりなので記録はしていない。さて、CWやSSBでのモニタを行い、チャピー音や濁りなどが無いコトを確認していて、パラ発振もないだろうナァと判断している。が、GU−74Bはパラ発振しやすい球らしいので、念には念を入れるコトにした。すでに挿入しているプレートの他に、カソード入力にもPS回路を入れよう。で、100Ωに3T巻いたPS回路を両カソードに入れた。どうせなら、という訳で2球のバラツキを見るためのカソード0.33Ω抵抗(1Ω・1%の3パラ)をバイパスさせてゼロΩに。そしてヒーター端子間にもパスコンを入れた。簡単な変更内容でありモニタ音のニゴりも無いということで、今回も全く期待はしていない。それでも、お約束になっている儀式を挙行。4脚にコロの付いた下駄箱をリビングまで移動させ、IC−7400と下駄箱を接続し、ダミーとバード電力計を接続します。次いでメイン電源をonとし、爆音を轟かしてFANが回り始め、3分チョットのウォーミング・アップを待ちます。ReadyのLEDが点灯してから、魂(パワー)を注入していく。いつもの一連の儀式であり、そして結果も全く同じであった。さすがにヒントさえ見いだせなくても、不発に馴れてしまいガックリもせず。
2007-06-11 インダクタンスを変化
 発想を逆転して、L−VCをMaxにした状態でVSWRを1.0になるようタンクコイルのインダクタンスを変えてみることにした。インピーダンス整合が最良になるので、出力も最大になると考えたのである。固定コイルを可変インダクターに取替える訳にはいかないので、コイルのショートバーの位置を変えてみる。先ずショートバーが無い状態で、Ep:2850V、Ip:1.0A、Icg:0.2mA、Isg:50mAでin52W−out1900Wを確認。これ以上に入力を上げると2KW以上を出せるが、Icgが1mAのメータを振切れてしまう。この時のANT端子からのVSWRは、Rpとして抵抗を球にパラ付けして、1.15KΩ:2.4、1.5KΩ:1.9、1.7KΩ:1.8、2KΩ:1.8であった。次にL−VCをMaxにした状態で、Rp:1.5KΩを球にパラ接続し、ANT端子側からのVSWRが1.0となるようにショートバーの位置を設定しコイルのインダクタを調整した。この状態で試してみたが、Rpが想定値の1.5KΩ前後から大きくズレているのか、最大出力は1800Wであった。これまでの延長線上で考えると、2KW以上は出るかと思っていたのだが、どうも考え違いをしているようだ。単純にL−VCがMaxの時に最大出力になるという訳ではなさそうである。

2007-06-13 バリコンのインダクタンス
 ロード・バリコンはMax400pF−1.25KV耐圧で、幅75×高75×長90mmほどの大きさで、前面と後面とにロータ端子が出ている。この間隔は7cmほどで、両アース端子ともに直下の銅板に接続している。逆に一点アースになっていないので、おかしな共振回路を構成しているかもしれないと考えた。MFJ−269でステータとロータ間のVSWRを測定すると、一杯入った状態で、17.3MHzでXsが0Ωになる。VCが50%では23.3MHz、全部抜いた状態では74MHzでXsが最低となるので、インダクタンスが存在すると考えると、推定0.21μH前後と思われる。アース面の銅板のインダクタンスというよりは、バリコンの形状そのもののインダクタンスか。しかし、これだけのインダクタンスが本当に存在するのだろうか。仮に有ったとすると、MFJで測定した際、ANT端子からのVSWRは1.0に調整出来ないと思うのだが。
 次いで、プレート・バリコンを同様に測定すると、0.2μH〜0.3μHと幅のある推定結果が出た。なぜ、1.5倍もの幅があるのだろうか。理由はともかく、バリコンの0.2μH前後という値は無視できないのではないか。径40×長40mm×3Tコイルのインダクタンスに匹敵する。

2007-06-14 18/21MHzで動作
 L−VCがMaxで直列共振していると思われる17.3MHz(勿論、固定コンをパラにするともっと周波数は下がるのだが)より高い周波数で、動作させてみるコトにした。以前は10MHz、7MHzでの動作をみたが、今日は18Mと21MHzで行う。タンクコイルに2つのショートバーでインダクタンスを調整し、Rpとして2K〜1KΩの間でVSWRが1.0に調整できることをMFJ−269で確認した。この後、入力のπ回路をスルーにし、18と21MHzの入力を加えていった。結果は、18MHzでは入力VSWRが1.8と悪かったが、Ip1.3A−Ep2800V、Icg0.2mA、Isg50mA、in90W−out1750Wであった。Icgを1mAまで流すと2KW以上が出てくるが、やはりL−VCがMaxで最高出力になるのは変化無し。同様に21MHzにても試したが、Max1750Wで、この時もL−VCは一杯入った状態である、ウ〜ン、何がしかの変化を期待したのだが...。
 ところで、ナニゲにRpとして使用している、5種類の抵抗(2K、1.7K、1.5K、1.15K、1K)をMFJで測定したが、一番大きな2KΩでさえRs=1250Ω、Xs=0Ω、freq=12MHzと表示される。1.5KΩ以上は測定出来ないのだが、RF的には60%も低下するのだろうか。なお、測定Freqを上げるとXsはゼロでなくなり、無視できなくなる。これまでRpとして1.15K、1.5KΩなどで度々試してきたが、これらは830Ω、1010Ωと表示される。結果は同じなので特に問題ではないが、今後は要注意である。

■イロイロ調べてみると、無誘導抵抗でない限り、5MHz以上の周波数では20%以上の低下は普通らしい。特に14MHzともなると、50%低下してもおかしくないようだ!! というコトはRpとして金属被膜抵抗やカーボン抵抗を1K〜2KΩに変化させてVSWRが1.0になることを確認していたのだが、おかしな数値で確認していたことになる。無誘導抵抗か実測したRp値での確認が必要である。頭では理解している単純なコトなんだが、トラブらない限り考えないんだよネェー、反省・猛省!。

2007-06-24 ロード・バリコン固定で再挑戦
 6/11にロード・バリコンをMax状態にして、インダクタンスを変化させて出力最大を試してみている。ANT端子側からのVSWRが1.0となるようにした際のRpは金属皮膜抵抗の1.5K〜1KΩであった。ただ先日この1.5KΩ抵抗をMFJ−269で測定するとRsは900Ω以下であった。このためRsが1.3KΩ前後となる抵抗で再度チャレンジしてみることにした。任意の値にインダクタンスを可変出来ないので、VSWR1.1までしか下げられなかったが、この状態でパワーを入れてみると、Ep2880V−Ip1.2A?、Isg50mA、Icg0.5mA、in62W−out1900Wであった。Icgを1mAまで流すと、軽く2KW以上が出てくる。6/11の時より若干良くなっている。といって、根本的な解決ではないのだが...。

2007-06-27 カップリング・コンデンサ
 回路的には問題ない筈なので、部品が壊れていたらどうなるか、という視線で考えてみた。しかし仮に壊れたとしても、ロードバリコンがMaxでPowが最大になる部品は無いようである。こうなるとミもフタもなくなるので、壊れやすそうなモノを片っ端から確認してみることにした。先ずは高圧のかかるカップリング・コンデンサである。MFJでキャパシタンスを測定すると、最低周波数の1.7MHzにてXc24Ω・3648pFと表示される。4〜12MHzではXc<7Ωとなり、容量を計算できないが、14MHzにて、Xc10Ω・1110pFである。特に問題ないようである。参考までに、もっと高い周波数では、21MHz:18Ω・400pF,30MHz:30Ω・174pF、50MHz:68Ω・46pFという結果である。ズイブンと周波数特性があるものである。これも頭では理解していても...
2007-06-30 π−Lマッチに再挑戦
 4/15にπ−Lマッチで、ロード・バリコンがMaxでない状態で最大出力(でも1KW程度)を得たことがある。この時は出力が少なかったこともあり、π−L回路から単純で確実なπマッチに方針を変更してしまった。で、その時は全く考えなかったのだが、「なぜ、π−L回路ではL−VCがMaxでなくても出力が最大になったのだろうか」を今更になって再考。でも、やはりHYDのスキルではどうにもならない。ただπ回路ではRp:1300Ω→RL:50Ωへの変換となるのが、π−Lマッチでは1300→R2→50Ωとなるので、何らかのストレスが減ったからではないか、と考えた。特にC2に流れる電流が減ることに注目した。すると、前回は、R2を80Ω位と低く設定したが、もう少しR2を高くして、もっとストレスを減らす(C2電流が少ない)方が良いのでは、と脳ミソの軽い頭を回転させた。
 バイブルにしている誠文堂新光社
「リニアアンプ製作集」のπ−Lマッチの回路定数表と自作ソフトによる数値とで大きく異なっているが、今回も自作ソフトの方の値を信じてπ−L回路を設計する。今回はR2=250Ωとして、Zp→R2とR2→50Ωと、それぞれの変換ストレスが少なくなるような値にしてみた。計算値では、Rp=1300Ω、R2=250Ω、Rout=50Ω、Q=13と設定すると、C1=67pF、L1=2.64μH、C2=236pF、L2=1.12μH となる。L1の値はかなり大きいので、コイルは新たに巻かなければならないが、C2(L−VC)は240pF程度で、Max400pFのバリコンで丁度良い筈。簡単に実験するため、コイルは2mmのビニール皮膜電線で、径50mm−長60mm−10Tとして、計算値3.0μHで、ケース内実装時に2.6μH前後となるように長さを調整することにした。次いでL2もコイル間隔を調整して、実装時1.12前後になるようにした。この後、MFJでANT端子側からのVSWRが1.0に調整できることを確認した。Rpも14MHzでの実測値が1K〜1.3K〜2KΩの抵抗にて確認した。いずれの値でもT−VCとL−VCを調整するコトで、1.0になった。さぁ、今度はどうだぁ。入力を10Wほど加えて、出力が最大になるようにT−VCとL−VCを調整する。するとL−VCは一杯入った所ではなく、半分ほど抜けた所で出力が最大になるではないか。コレはコレは、...期待が持てるゾォ。ってんで、バクつく心臓を落ち着かせてドンドン入力レベルを上げていくと、出力は1KWを軽くオーバーする。が、これ以上ではIsgが50mAのメータを振切れてしまう。入力は20W程度であるのでIcgは0.1mAと殆ど流れていない。P−VCとL−VCを微調整した段階でのデータは、MFJ−269での1.7MHzでの実測値L1:2.65μH、L2:1.11μHで、Ep:2930V、Ip:0.6A、Esg:300V、Isg:50mA、Icg:0.1mA、in22W−out1100W、効率63%、ゲイン17.0dBである。L−VCがMaxでないのはVY FBであるが、いかんせん出力が狙っている値の半分では...。この時のT−VCは殆ど抜けている状態で、ストレーやCpg、VCの最低容量からC1は50pF前後と推定される。同様に、L−VCは60%程入った状態なので、C2は255pF前後と思われる。
L1とL2のコイル長を少し調整し、MFJでの1.7MHzでの実測値が、それぞれ2.36μHと1.22μHでは、Ep:2850V、Ip:0.8A、Esg:300V、Isg:50mA、Icg:0.15mA、in37W−out1500W、効率66%、ゲイン16.1dBと、最大出力は少し上昇した。この時のP−VCは先ほどより少し入った状態でC1は55pF、またL−VCは同じ程でC2は255pF前後と考えられる。狙っている「2KW以上」には届かないが、
L−VCがMaxでない状態で1.5KWが出てきたのは正直うれしい。運用出力の1KWでは問題ないIMD特性になるのではないだろうか。それにしても、π−L回路にすることで、ロード・バリコンが一杯入った状態でなくても最大出力になるのは何故だろう
実験のため作成した臨時のタンクコイル
  ノブコンは暫定的に装着したまま(L−VCには未接続)
2007-07-07 L1とL2をイロイロ変更
 6/30にロードバリコンが一杯に入った状態(Max)ではなく、設計値に近いバリコン開度で1.5KWを出すことが出来た。もう少し最大出力を増やすため、理論とは切離してL1とL2をアレコレ変化させ、何かしらの解決策が見出せないかと考えた。理屈と切離すというのは、入力VSWRを下げる際に「理論的なことにコダワり過ぎて、VSWRが思うように下がらなかった」経験による。とにかく理屈でなく「押してもダメなら、引いてみな」式でやろうということである。そうはいっても、ヤミクモに行うワケにはいかない。30Wそこそこの入力でIsgがグーッと流れ出すので、L2を増やしてロードCを減らすコトからスタートした。安全のためコイルを変える度にメインSWを必ずoffにしている。offする度に、球の温度が下がり/チャージした高圧が下がる、のをジックリ待つ。そして例の放電棒で、念を入れてディスチャージ。コイルを変えた後、MFJ−269にて1.7MHzの最低周波数でインダクタンスを測定。SW−onとしても、3分のonディレイがあるのでマタマタ時間がかかる。これらの時間をボケーッと待つのは正直な話し大変である、というか苦痛(HYDは見かけによらず、けっこう気が短い 苦Hi)。そんな訳で朝から始めた作業もアッという間にお昼の時間。前回を再現するのに少々時間を要してしまい、午前中は出力が1.7KW止まり。Ep2900V−Ip0.9A、Esg300V−Esg50mA、Ecg47V−0.2mA、in48W−out1700Wで、効率65%、ゲイン15.5dBとマズマズのデータである。チューン・バリコンは10%程入った開度で、問題のロード・バリコンは55%程の開度であった。C1:55pF、L1:2.4μH、C2:255pF、L2:1.2μHと思われる(但し、回路に組込み状態にてインダクタ測定)。この状態でも球1本当りIcgを0.5mAも流すと、軽く2KW以上にBIRD43のメータが振れる。今日は7が3並びするラッキー7Day、1.7KWでも、 としよう。当初の狙いの2KWを、午後からクリアしたかったのだが、所用があり今日はジ・エンド。

2007-07-08 ダミーロードの改造
 今日は2KWを狙いたいところなのだが、その前にダミー・ロードを何とかしなくちゃあ。自作の自然空冷ダミーでは、さすがにハイパワーでの連続送信には耐えられないのダァ。10秒以上も2KWを入れると、煙が少し出て来て部屋中に変なニオイが充満してしまう。すると家族(ペットの猫を含む)から総スカンとなる。なおHYDは動物嫌いである。猫はXYLと2ndのペット、念のため。モトモト絶縁油を入れて油冷にするつもりであったのだが、絶縁油を入手するまでの間、暫定的に水冷で対応しようと考えたことがある。「絶縁体である水を缶に入れてもVSWRは変化しないだろう」と、バカな考えであったのだ。でも、イザやってみるとVSWRがスゴく悪くなってしまい、アワててイロイロと原因を考えた。ここでようやく誘電率が空気と比べて10倍も高いためと、ハタと気が付いた。この対処には周波数補正をサラにしなければならないが、現在の缶の大きさではチョット対処が出来そうにもない。誘電率が半分ほどの絶縁油でも、対処は難しそう。密閉度が高くて、現在の缶より大きな缶はナカナカ見つかりそうにも無いので、大きな缶が入手出来るまでは暫定的に強制空冷とすることにした。缶の下底に、秋葉原で購入した18cmのAC100V−ブックファン(この大きさのFANは珍しい)を取り付け、缶の上部に排出口を無数に開けることにした。この穴は数が多くないと意味がないので、手間ヒマがかかり大変であった。穴あけ終了後、スプレー塗料で錆止めを実施。
 これまでは自然空冷だったので、2KW−20秒でもコネクタの絶縁物(非テフロン)はフニャ・フニャになってしまい、取替えたくらいである。サスガに強制空冷ではカナリ安心。1KWを60秒入れてみたが、手で触れるレベルにオサまっている。1.5KW程度までは連続運転でもOKかもしれない。これで、時間をかけたイロイロな実験・測定ができそう。それにしても、1KWの温風暖房の威力はスゴイ。夏場というコトもあり、部屋がアッという間に暑くなる。それと、何かが焦げたようなニオイもまだ残っている、弱ったものだ。そうだぁ、いっそのことダミーを外のベランダに置くことにしよう
ダミーの底、18cmのFAN
強制空冷に変更したダミー
2007-07-10 L1とL2の再調整
 πマッチ回路では「ロードバリコンが一杯入った状態でないと最大出力が得られない」の本質的な問題はクリアしていないが、π−Lマッチ回路では当初狙っていた2KWまであと一息。今日はL1とL2の調整を再度行った。ダミー・ロードも強制空冷となり、余裕をもって作業がハカドる....筈が、やはりoff−DLAYとon−DLAYの「待ち」超イラ立つ。う〜ん、気が短いんだナァー、HYDは。このため途中から、待ち時間をカタワらのPCの麻雀ゲームでツブすことにした。これで精神的にも余裕のヨッチャン。とはいっても、作業がハカドる訳ではない Hi。ところで、L1とL2を何回も調整しなければならないほどに、両者のインダクタンス値はクリチカルな訳ではない。逆にブロード過ぎて最良ポイントが見出せない、というのが正直な話しである。それでもIcgが0.3〔mA/2本〕と流れ過ぎではあるが、目標の2KWが出てきたので、本日は終了。
測定データ】L1:2.60μH、L2:1.22μH(共に回路に実装の状態で、MFJ−269にて1.7MHzにおいて測定)、C1:50pF(過去実測した値から推定)、C2:220pF(〃)のπ−Lマッチで、Ep:2840V−Ip:1.1A(?)、Esg:300V−Isg:50mA+α、Ecg:47V−Icg:0.5mA、in52W−out2000W、効率:64%、ゲイン:16dBであった。Ip測定は1Aのアンメータなので推測である。同様にIsgのアンメータも50mAのため。Sg損失のことが心配で50mAを超えて大きくは流してはいない(と思う)。
出ました、2KW
2007-07-13 銅パイプのコイルに変更
 
L1コイルを伸ばしたり縮めたりして、インダクタンスを2.0〜3.0μHと大幅に変化させ、その時の最大出力を測定してみた。L2は固定であったが、不思議なことに殆ど差が無かった。ただ3.0μHではC1が小さくなり、P−VCは全部抜いた状態のため、せいぜい2.7μH以下にした方が良さそう。このため2mmのIV線の暫定的L1コイルを6mmφ銅パイプに変更した。太さ2mm程度の軟銅線で巻数が多いため、両端を固定していても、真ん中辺りが少し垂れ下がる。その上、スプリング形状のためプラプラ動いて...。その点、銅パイプでは心配はいらない。で、以前使用していたコイルをウ〜ンと縮めて、インダクタンスを増して(計算値2.50μH、オープン環境での実測値2.45μH、実装時は2.35μH前後と想定)、このコイルと取り替えた。これで物理的な信頼性向上とRFロスが少なくなる筈。結果は、IV線コイルよりパワーは微増した気がする(心理的に Hi)。50〜100W程度の変化は、AC200Vの受電電圧の変化でコロコロ変わるので...。
 ダミーロードの強制空冷用ファンの騒音がウルサイので、使用後はoffにしていたのだが、onにするのを忘れて1.5KW以上を連続で入れて調整していた。すると、いきなり下駄箱の各メータの動きがオカシクなった。何が・何だか分からずパニクってしまったが、急いで入力をoffにし、STBY−SWもoffに。イロイロ調べると、同軸ケーブル(5D−2Vです、
「ヲイヲイ!」は無しネ Hi)が暖かくなっている。ここで強制空冷がoffになっていることにヨウヤク気付いた。これが原因でどこかがオープン/ショートしたに違いない。切り分けていくと、ダミーのコネクタ部分でケーブルがショートしていた、ハチャァー。このドサクサで、データは計測せず(出来ず)。でもチョチ無理すると2KWが、メチャ無理すると2.5KWが出ることを確認した、意味ないけれど。
Icgを1mAも流すと2.5KW
2007-07-14 「調整段階は終了」の宣言
 昨日は2KWが得られ、強引に入力パワーを入れれば2.5KW以上出るコトも確認できた。このため調整段階は終了することにした。カソードに10Ω程度の抵抗を入れてバイアスをかけたり(FDTさんからのアドバイス、VY TNKS)、Esgを300V以上に上げたりすることで、Icgをあまり流さずにPowをヒネリ出せるのだろうが、ソロソロ飽きてきた、というか「根負け」してしまった。理屈通りにコトが進めば、ココまでイライラしなかったのだろうが、なかなかHYDのスキルでは、とても・トテモ無理。最初に狙っていた1KWが、GU−74B×2パラになって2KWになり、その狙った2KWも、ようやくクリア出来た。また、さほどIcgは流れておらずAB1級に近い動作の筈なので、これで一応調整段階は「終了」というコトにしよう。πマッチ回路で「ロードバリコンが一杯に入った状態でないと最大出力が得られない」問題に対しては未解決で、敵前逃亡なのが心苦しいが、...残念。
 球の能力からすればAB1級で2.5KW程度は楽にヒネリ出せるのだろうが、モトモト1KW以上での運用は全く考えていない(キッパリ)。DXは追っかけないし、SSTV運用には1KWもあれば「米の飯」なのである。出力を抑えることで、IMD特性も良好であろうし、何より余裕を持った運用が出来る、というのが理由のその2。
 調整段階を「終了」とした最大の理由は、広い場所を占有する下駄箱の本体とモロモロのパーツ類・道具の置き場所に困じ果てたのである。「邪魔だから、早く田舎に置いてきてヨォー!」のXYLと2ndの大合唱が耳に痛い 苦Hi 今後は、チムニーの延長、Esg・Ecg用の電源強化、など・などをして早く「完成」するコトとしたい。その後で田舎に下駄箱をQSYする予定である。
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 完成・測定段階に進む
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