■ 下駄箱の製作日記 (測定・調整段階)−1 ■
2007-03-03 入力・出力VSWR測定
  いよいよ最後の工程である調整・測定段階に突入。先ずは入力回路のVSWRを測定した。測定器はバイクのお師匠さんから借りたMFJ−269である。とりあえず14MHzのシングルバンドなので、入力は素直にπ回路である。机上計算+ストレー容量の推定通りのコイル+コンデンサで、VSWRは13.9〜14.4MHzの500KHz幅でイキナリ1.1以下と幸先の良い結果。「GU−74Bの入力インピーダンスは未だ測ったことがない」というFDTさんのお話+100Ωよりは低そうという思い込みで、80Ω÷2パラの40Ωで設計している。ちょうど40Ωの抵抗がなかったので、50オームを接続しての測定値である。実際には、カット&トライになるので、現段階では調整はしなかった。なおπ回路のコンデンサはシルバード・マイカが良いらしいが、よい部品が見つからなかったので、普通の500V耐圧のマイカである。耐電力を考え、3、4個をパラにしている。
 次いでタンク回路のVSWRを出力側から測定した。真空管に1KΩ、1.5KΩ、2KΩと三種類の抵抗をパラにして、プレート/ロード・バリコンを調整して、いずれも14MHzでVSWRが1.0に調整出来るコトを確認した。この測定に意味があるのか? って聞かれても、返事は「精神安定剤のようなモノ(気休め)」である。肝心のQの値はバリコンの値から推量しなければならない。MFJ−269の測定コネクタに、即席のワン・ターンのピックアップ部を付加し、ディップ・メータもどきに変身させ、これでタンク回路の共振周波数とRFCにホールが無いかの確認を実施した。共振は確認できたが、ホールはあるような/ないような...。よく分からん。普通のディップメータで再測定する必要がありそうだ。でもタンク回路は、これで「良し」とした。
 タンクコイル最終段にプロテクション用のRFCを取り付けた。固定方法はビス+配線バインドであるが、イロイロ制約があり、かなり斜めになっている。見映えは悪いが、これも「良し」としよう。タンクコイルもうまく収容できずに、斜めになっているし... Hi Hi RF部の高圧取込み部で未配線部分を配線し、黄(オレンジ)色のアクリルカバーで「高圧注意!」のプロテクト。
 夕方からJR新橋駅そばの居酒屋にて、長年のSSTV仲間と遅い新年会に出席。で、例によってドンチャン騒ぎ(うそ、皆さん紳士ばかりで、そんなぁコトはない)。それでも3時間以上の長丁場で、ベロンベロンで帰宅
 ちゃんとしたピックアップ・コイルを作成し、これで再測定したところ、RFCのホ−ルがタナゴコロをさすように、イトも簡単に分かった。21MHzより下には無く、47.7MHzはかなり大きなホールで、小さいがアマチュアバンドに影響するのが24.3MHzであった。やはり手を抜いてはNGである。(07-03-08) 
2007-03-04 高圧電源部とRF部との接続
 高圧電源部は完成済みであったが、ラッシュカレント抑制の時間を2秒に延長、ラッシュ抑制時間の確認用LED表示をもっと明るくする、などの少々の手直しを実施した。また、小物部品の取り付け場所が無くて、ケースの横サイドにラグ板を留めて、小物部品を取り付けていた。でも手持ちのビス関係で、メッキの普通のナベ・ビスで留めていた。これを黒塗装の皿ネジで締め直しして、お化粧直し。ビスの数が20個以上と多く、しかも黒ケースなのに、メッキのシルバー色が横側にポツポツとなっていて、大いに気になっていたのだが、ようやく解決した。また、木製のラック下に高圧電源部を置き、上側にRF部を置くスタイルであるが、見映えを良くするため、木製ラックをスプレーにてツヤ消し黒塗装。高圧部の最後の仕上げとして、約30Kgもあるトランスをケースとキャスター付き木製ラックに6mmボルト+硬質ゴムでシッカリ固定。狭いケース+背の高いトランス等のため、ナットを勘合させるだけでも大変で、VY難儀な作業となり、時間と神経をVY消耗した。
 さぁてとぉ、ズイブンとお待たせしたが、いよいよ高圧電源部とRF部とのドッキングである。ヒーターのエージングだけでなく、高圧のエージングも重要であるというアドバイスを頂いている。長く冬眠していた真空管を目覚めさせるのには、それなりの手順が必要なのだろう。で、先ずはトランスの1次側への入力をAC200Vではなく、100Vを入れてスタートした。2次側のタップも1.8KVにまで下げて動作させる。DC出力は計算通りの1270V前後が出てきている。この時、入力には何も入れず、PTTもOFF(スクリーン電圧を掛けない)のままである。3時間のエージングの間にディスチャージ棒(塩ビ棒の先に銅線を付け、ワイヤー+ミノムシ・クリップでアースに)を作成し、コーヒーブレイク。電源をOFFにし、少し時間を経てからコンデンサにチャージされた電荷を、この放電棒で強制的に放電させます。ちょっとオーバー・アクションか、とも考えたが、高圧を扱うのである、用心に越したことはない。この後、ケース内部に鼻面を寄せて、クンクン異臭を確認。その後、素手にて、各パーツに触って高温になっているか/否かのチェックを実施した。特に異常は認められないので、入力電力はゼロのままで、PTT−ONとしてSgに電圧を加えてみた。ところが、Isgが10mA弱流れるだけで、Ipは目盛の針幅ほどマイナス側に逆振れする。バイアスを変えても変化無し。いきなり「」の嵐。でも、晩酌をしているので、危なくて高圧部には触りたくない。このため机上で回路図とニラメッコ。どこかに配線漏れや回路的におかしな所がある筈だがぁ。でも飲んだ頭ではとても無理で、時間切れ。
放電棒 放電棒
ようやくドッキング
ようやくドッキング
2007-03-05 高圧エージング開始
 朝、いつものように起床するが目覚めが悪い。通勤電車の中でも、「」が続いてモヤモヤしていたが、昼休みに突然、「あは」となった。つまらんミスというか、忘れ物である。Ipに過大電流が流れた場合の保護用に、カソードにミニ・ヒューズBoxを入れているが、肝心のヒューズを入れるのを忘れていた。ということは、「昨日のエージングは無駄だった」ってコトね。
 春の嵐の中をズブ濡れで帰宅後、2Aのヒューズを入れて、もう一回やり直し。今度はIpも流れてくれる。先ずベース・カレントを約0.2Aに設定した。それぞれの球のカソードに0.3Ω−1%を入れてあるので、TP端子の電圧をCHK。2つの球の電流差は5.6%であった。この数値は問題ないレベル(?)なのだろうか。3%以内であれば、間違いなく無視するのだが。
【CES規格では、真空管のプレート電流のバラツキが±30%以内であれば合格品らしい。ということはペアで使用するには、数%程度は ◎ ですナ】

2007-03-06 高圧エージング続行
 トランスの2次電圧を1.8K→2.2KVに変更し、昨夜と同様のエージングを実施。この間に、高圧をさらに上げるべく、複巻になっているトランスの1次側をタスキ掛けにして、2次側にAC1.8KVが出力されるように、圧着端子によるケーブルを準備しておいた。タスキ掛けのケーブルが出来たところで、今度は昨日の2倍のDC2.5KVで、引き続きエージング。実は、AC200Vが取れるコンセントがリビング(と呼べるか/どうかは疑わしいが)にしか無い。だがリビングでの長時間のエージングは、ケタタマしいブロワーやファン音で、家庭争議の素になってしまう。とにかく現段階でさえ、AC100Vファンが7個も付いている。この先RF部には、少なくとも2個は増設するつもりでもある。これでは下駄箱というより、扇風箱である。で、エージング、調整・確認段階では電流は大して流れないので、AC100V入力で行うコトにした。異臭・異常な高温もなく、何ら問題なさそう。負荷を掛けるので、DC出力は低下して2.3KVに下がるが、それでもプレート電流250mAで600W近い熱になる。これとヒーターの熱100W弱で、それなりの暖房機に変身。3時間のエージング後は、6畳間がほんのり暖かくなっていた。

2007-03-07 エージング続・続行
 トランス2次側を2.2KVとして、無負荷DC出力3KVにて同様のエージングを実施したが、やはり問題なさそう。ベース・カレントは、Ecg=−47Vで、200mAに設定した。リニアを置いている部屋と、寝る部屋とは離れているのに、ウルサくて「ぐっすり寝られない」というXYLと2ndの大苦情で、今夜は23:30にエージング終了した。次は入魂の儀式である。このため1次側をAC200Vに戻した。

2007-03-09 2球入魂
 土日は雨模様という天気予報であったが、どうやら土曜の降水確率は低いらしい。となると、バイクでのツーリングもしなければならない。土日は下駄箱にブクリ(魂)を入れようかと考えていたのだが、ツーリングに切り替えよう。となると今日、入魂をしよう。で、急いで帰宅し夕飯後、リビングに下駄箱を引き出し、AC−200Vを接続した。愛機IC−7400やらバードの電力計を接続し、いよいよパワーをブチ込む。まずパワーを最低に設定し、この5W弱を下駄箱に入れてやる。出てきました、何やら200W程度は出ているようだ。「ウ〜ン、やったネ」、先ずはヒト安心。キリの悪い数値でのパワーであったので、10Wに調整して箱に入れます。キリのよい数値で入れたのだが、偶然にもキリのよい500Wが出てきた。パワー計が正しいとすると、ゲインは17dBと高い。続いて20Wを入れると、イキナリ1.0KWが出力される。
  【ばんざい、バンザイ、万歳、三唱!】

 この時のデータは、ACin=208V、Ep=2.92KV、Ip=0.68A、Esg=295V、Isg=8mA、Icg=マイナス振れ
であった。入力VSWR=1.5と、かなり高いので今後カット&トライする必要がありそう。Epはもっと低下するかなぁ、と考えていたのだが、ナカナカどうしてレギュレーションは良好である。
 まだまだ球と電源の能力からいえば、もっと出力が取り出せるのだろうが、イカンせん、BIRD43のエレメントが1000Hしかない。それに、ダミーロードは、缶に入れただけで、油冷になっていないどころか、空冷にもなっていない。すぐに熱くなってきて、とてもこれ以上のパワーを入れられない。絶縁油はまだ・まだ入手できそうにないので、日曜には水冷でチャレンジしてみたい。パワー計は、何とか考えよう。ということで、ひとまず今日はうまい酒をシッカリ飲んで、速攻の早寝。  
2007-03-11 残りの板金工作
  まだまだ板金工作が残っている。ケース天板にブロワーの排出口2つと、底板にブロワーの吸入口の計3つの円形穴を開けなければならない。鉄板なのでこれまでチュウチョしていたのだが、勢いがある時にやっておこう。という訳で、外の雨を幸いに、終日部屋にコモって穴あけを実施。ヤスリ掛け作業を低減するため、2mmのキリで数多くの穴を開けていく。小型のボール盤が有って良かったワイ。ハンド・ドリルでは一日では終わらないだろう。キリでの穴あけの後、糸ノコで中側を切り落とします。この後ヤスリ掛け。この作業も大変で、右手にマメが幾つも出来てしまった。途中で、この一つがツブれて...、もう大変。ヤスリの後、鉄部分がムキ出しのママでは、スグに錆びるのでマジックインキ風の黒色塗料でペタペタ。三時のオヤツ迄には、三つの穴あけが完了した。コーヒー・ブレイクの後、設計ミスで、中圧トランスがケースから5mm程ハミ出してしまっていたが、この部分の穴あけを開始。こちらは円形ではなく、矩形であるので作業は幾分楽だったかも。終わったトコロで、ちょうど夕飯に。気になっていた大作業が終わり、「ホッ!」として晩酌をシコタマ飲む(ここまで飲むと、晩酌とは言わないナァ、きっと)のでした。
2007-03-12 う〜ん、VSWRが下がらない
 1KWは出たのだが、入力VSWRが1.5以上とかなり高いので、カット&トライを実施した。簡単に低く出来るものと考えていたのだが、やっている内に「」が大きくなってきた。GU−74B×2の入力インピーダンスは40Ωと勝手に決め、カット&トライでVSWRが低くなる方向に進めた。でもπ回路のLはインピーダンスが低い方向に、逆にC1とC2は高い方向に変えなければ下がらない。矛盾した結果に頭が混乱してしまった。インピーダンスが低い/高い、と仮定してイロイロとやってみたが、VSWRは悪くなるばかり。このため理屈は置いといて、下げるコトのみに注力して、コンデンサを増減して作業を進めた。でもバンド内のVSWRが1.25〜1.34になったところで時間切れ、ゲームセット。

2007-03-13 コイルを調整
 さらに、C1とC2のコンデンサを増減して、入力VSWR調整を続行。でもバンド内で1.3以下にしかならない。ここでコイルの調整(といっても、コイル長を伸張させるだけ)を行った。結果は、「これまでの苦労は何だったのか」というように、1.0の値にビターッと針がくっついたまま。ただ、結構、クリチカルで、僅かな延び縮みで、VSWRは微妙に変化する。クリチカルな理由は、コンデンサの値がまだ適切な範囲に入っていない、のだろうと推測している。それでも、1.0になればOKということで、仮組していたコンデンサを正式に半田付け。この後、RF−Boxのフタを12本のビスでシッカリ留めてから、最終確認を実施した。が、半田付けの際、コイルを少し動かしたらしく、バンド内でMAX1.2となってしまった。う〜ん、フタをする前にチャント確認すれば良かったワイ。でも、今日も時間切れ
2007-03-14 またまたコイルを調整
 入力VSWRが1.2以下(50W入れて、0.4W反射)であれば、現実的には問題ないのだろうが、やはり気持ちが悪い。1.1以下(同、0.1W反射)になるように再度調整を実施したが、昨日のように下がらない。カット&トライの時は、仮組でストレー容量が多かったのが、正式に取付けた際に、少なくなったためか。あれだけクリチカルだったコイルも今度は、さほど変化無し。結局、やり直しってコトね。時間切れで、今日も敵前逃亡
2007-03-15 う〜ん、パワーが出ない
 頼んでいたBIRD43用のエレメント2500H(2.5KWまで測定可)が到着。殆ど使用しないモノに、大金($125+α)をハタいてしまったワイ。1000Hにて、1KWまでは確認していたのだが、これ以上のパワーの確認だけに使用するのもナァ、何かモッタイない感じ。構造もスコブるシンプルで、高くなる理由が見当たらない。まぁ、ブランド力とその精度の高さを買った、と思うしかないかぁ。
 で、1KWが簡単に出てきたので、簡単に2KW位が出てくるものと考えていたのだが、アニハカらんや、出ない、出ない、出てこな〜い! プレートとロードの両バリコンをイロイロ調整するも、1.3KW程で頭打ち。入力パワーをさらに入れると、パワーは増加しないのに、Icg・Isgの両グリッド電流がズイブン流れてしまう。う〜ん、弱った魚は眼を見りゃ分かる。原因をイロイロ考えてみるも、晩酌をした酔った頭では、見当すら付かない。で、睡眠時間が毎日5時間を切っているので、リビングから下駄箱を片付け始めた。この時にFANの穴からケースの奥の方を見て、ロード・バリコンが一番入った所(容量がMAXの400pF)でパワーが最大だったということが分かった。ということは、タンク回路のマッチングがNGなのネ、きっと。と、思ったトコロで時間切れ、お寝んねの時間。それにしても、タンク回路の変更は容易ではないゾ、簡単に済めば良いのだが。
左1000H、右2500H、色と底の材質が変化
2007-03-16 π−L回路のLを調整
 出力タンク回路のπ部分の1stコイルを調整するのは大変なので、先ずは2ndコイルのL側を調整してみた。縮めた時と伸ばした時とで変化を見る。どうやら縮めた場合は、状況に全く変化無し。「それじゃぁー」ってんで、コイルを思いっきり伸ばしてパワーを入れてみると、少し改善し1.5KW程度出てくれる。でも、まだロード・バリコンは目一杯入った状態。計算では200pF弱な筈なんだがナァ。計算ミスなのかしらん。今日も零時を回ってしまったワイ、早く風呂に入って寝なくっちゃぁ。

2007-03-17 球の上部に排出FAN
 気分を変えて、今日は球の上部に開けた排出口に、さらに排出量を増やすべく8cmのFANを取付けた。高RF部分なので、引き出しコードにもアルミ角パイプで熱保護とシールドを兼ねて取付けた。ついでに、45℃以上でONとなるサーミスタSWをFAN近くに取り付け、球の排出温度が下がるまでFANが回るようにした。実際にFANを回してみたが、気合を入れて3時間もかけて製作した割りに、排出口からの風量に変化なし。逆に減ったような気さえする。「う〜ん、なんてぇーこったぁー」と嘆いても事実だからしょうがない。
 そもそも、この排出をブートさせようと考えた理由は、排出口からの風量・風圧が、かなり低いと思ったからである。その理由を詳らかにせずに、強引にFANで排出しようとしたのが間違いのモトであった。ブロワー単体の時には、風圧・風量とも結構あったように思っていたのだが、ケースに入れてから、さほどでもなくなった。このため単純に強制排出というコトに頭が行ってしまった。どうやらリアパネルにFANを2基取付けたのだが、これが効いていて、球からの排出風は上へ出る量よりも、背面のFAN(12cmでかなり強力)から出てしまい、球の上へ出てくる風は少なくなったためのようだ。これを確認するべく、厚紙にてチムニーを延長させてみたところ、風圧・風量とも期待するモノが上穴から出て来た。ということで、せっかく製作した排出FANはお蔵入り。無残なのは、イロイロと開けてしまったケース天板の3.2mmの穴の数々。
2007-03-18 ロード・コンデンサの追加
 
またまた失敗してしまった。昨日と同じように、原因を掘り下げずに対症療法をしてしまった。出力最大がロードVC−MAXの時なので、ロード側の容量が少ないと判断。このためロードVCにパラに400pFのセラミックコンデンサを入れて、入力POWを入れてみた。すると、いきなり乾いた「パーン」の音と共にリニアの電源が落ちてしまった。大きな音ではなかったが、騒がしいブロワー音の中でも聞こえた。特に臭い・煙は無いが、ケース内で何かかが破裂したようだ。HYDだけでなくXYLもオロオロしている。どうやら、リニアの電源が落ちたのではなく、家のメイン・ブレーカ(40A)が落ちたようだ。XYLはPCで何かの作業をしていて、データは昇天したようだ。
 ケース内を点検するも、特に異常な箇所は見当たらず。こりゃぁ、ひょっとして、どこも壊れていないのかも。音はブレーカの音だったかも、とノウ天気なHYDでもあった。ブレーカを元に戻し、恐る恐るリニアの電源を入れるも、特に問題なく立ち上がり、3.5分後には3KVの高圧も出て来る。う〜ん、やっぱり何処も壊れていなかったワイ。でも、PTT−ONにするも、Ipが流れない!? いきなり
顔が青くなり涙目に。よくよく見るとEsgがゼロである。ということは、第2グリッド電圧部がおかしいのネ。ケースを開け、ディスチャージ棒で高圧を落とし、低圧電源部をCHKしていきます。たしかにSg電圧が出ていない。基板を取り出して調べると、過電流保護回路の検出用の10Ω−1Wが、断線している。何んで、こんなものがイカれてしまったのか? 外観には全く異常は見当たらず、周辺も特に異常なし。さすがに低-抵抗の手持ちは少なく、たまたま有った15Ω−1Wに取替えて修復完了。で、電源を入れると、今度はIpも流れ、POWも出てくる、良かった・良かった。
 ん、何んかオカしい。パワーが750W程しか出ない。よくよく見るとベース・カレントも0.15A程度に低下している。バイアス調整VRを回すも、0.2Aより低い値にしか調整出来ない。球の片方がイカれた、との判断でイロイロとCHKをしている内に、蜘蛛の巣状の配線の奥の方で、何かしらオカしな物体発見。球毎にカソード電流をCHK出来るように、それぞれのカソードに0.3Ω−1W−1%抵抗を入れているのだが、片方の抵抗が壊れている雰囲気。テスターで測ると、これもを示した。懐中電灯+虫メガネ(拡大鏡)で見ると、間違いなく皮膜が無残に剥れている。「パーン」という音は、これだったんだぁ。さすがに0.3Ω−1%抵抗の手持ちはないので、今晩はここでジ・エンド。それにしても、低−抵抗が2本も逝かれた理由がよく分からない。RFが回り込んだに違いないのだろうが、パスコンは入れてあるし、壊れやすい半導体は大丈夫であるのに。寝つけられるかしらん。
右側の抵抗がNG、表面も剥がれている
2007-03-19 コイルの作り直し
 どうやら現在のコイルでは、インダクタンスが少なすぎてマッチングが取れないことが分かった(「今頃になって気が付くとは...」は言いっこ無しネ)。この一つの理由は、Rpの計算式を間違えていたことで、20%低い方にズレていた。もう一つは、コイル周辺に十分なスペースが無くて、インダクタンス測定した時と、回路に取付けた値とで、推定20%低い方にズレたようであること。この二つが重なってマッチングが取りにくいと判断した。このため、面倒なのでイヤだったコイルを作り直すことにした。例によって、貰ってきた6mmΦ銅パイプを先ずはガス・コンロで赤熱させ、「なま冷まし」して銅パイプを軟らかくします。この後、100円ショップで購入したゴム・カナヅチで直線に伸ばします。前回は素手で、この修正をしたため、微妙なアンジュレーションになってしまった。ほぼ直線になったところで、今度は6.5cmのガラス瓶(味ポンの空き瓶)に7回巻き付けます。実際には両バリコンへの取り付けのために、少しアールが入るので、7.2Tとなった。さすがに2回目の挑戦、出来上がりは前回よりずーっとFBです(自画自賛)。でも、今度はインダクタンスが多いかも。というのも、径が小さくなった分、周辺からの影響が減って、かなり計算値に近くなるのではないかしらん。まぁ、コイル長を少し伸ばして取付けることにしよう。
右側が古い方
2007-03-20 コイルの取り付け、勢いでパワー測定へ
 昨晩作ったコイルを取付ける。さすがに7Tも巻くと、タップを出して21MHzにも出られるようにしようかしらん、などと考えてしまう。それじゃぁ、ってんでマルチバンドに変更しやすいπ−Lを普通のπマッチに変更した。π−Lマッチの計算を間違えているようだし、どうせLPFは取付けなきゃイカンだろうからネ。
 明日の「春分の日」休日はバイクでツーリングのツモリであったが、どうやら神奈川県は夕方に雷・雨のようだ。ということは中止ネ、残念。その代わり、今夜は遅くまで下駄箱製作に励もう。3/18に低-抵抗がRF回り込みで2個も壊れたことを反省し、又しても対症療法でフェライト・ビーズ(FB801−#43)を壊れた抵抗近くに入れた。100個以上も有ったFBも、残り僅かである。下駄箱製作だけに使用した訳ではないが、逆算すると60個以上は使用した筈だ。またメータ周りの配線からの回りこみと思われるので、ここにはパッチン・コアを2個、気休めに入れた。で、壊れた0.3Ω−1%の金属皮膜抵抗はさすがに無いので、手持ちの0.2Ω−10%巻線抵抗をカソードに仮取付けし、アラタめてパワー測定スタート。さすがに、苦い経験を踏まえた新しいタンク回路は、シンプルなπマッチということもあり、パワーをドンドン入れていくと、
出るわ・出るわぁ・出たぁー、2KW
入力50W弱ということはゲイン16dB以上ということネ。効率も60%強のようだ。う〜ん、この数値には大満足なんだが、ちょっと残念なのはIcgが0.3mAも流れている。AB級では無いってことネ。またIsgも50mAを超えてしまっている。オマケにロードバリコンは新コイルでもMaxの400pF。どうやら今回もコイルのインダクタンスは設計したイメージとズイブン異なっているようだ。でも、何んとか2KWは出てきたので、今日はヒトマズおしまい、祝杯を上げよう。 【手術後のコトをスッカリ忘れて深酔い】
 【訂正】2KW出て喜んだのだが、どうも1.75KW位であったようだ。
      その後2KWを再現出来ず、まぁ誤差の範疇ネ。


2007-03-21 タンク回路の調整

 夕方の降水確率が50%であったのでバイク・ツーリングは中止し、下駄箱製作に励みます。ロード側バリコンが一杯入った状態で出力が最大であったので、懲りずに対症療法です。これって、悪いとは分かっているんだが、どうしても止められない。ロードVCにパラに220pFの16KVもの高圧コンデンサを取り付け、モアー・パワーを期待。今回はカソード抵抗は飛ばなかったが、肝心のパワーが1KWちょっとしか出てくれない。しかも、その時のロードVCもMAXであった。ということは、タンク回路のLやCの値ではない所に問題がありそう。それでも、もしかして...、という気持ちでコイルを縮めてインダクタンスを増やし、プレートVCとロードVCのC1、C2が小さくなる方向にして、再度試してみます。が、やはり予想通りパワーは出てこない。しかも相変わらずロードVCはMaxのまま。やはりタンク回路のLとCの設計値の問題では無さそう。考えられるのは、大電流のリターン処理の問題なんだろう。思い付くだけでも(「分かっていたのなら、先にやっておけよナァ」は無しネ)、
@5cm幅の銅板でアース処理をしているが、最短距離になっていない。
Aその銅板の上に3cm幅のアルミで覆っている部分がある(つまり、その部分の銅板の意味無し)。
BプレートVCは20cmもの長い形状であるが、前面と後面のローター側の端子をそれぞれ銅板のアースに接続しており、1点アースになっていない。
C入力回路のアース銅板(シャーシ下面)とタンク回路周りのアース銅板(上面)が、銅板で接続されていない。
この内のどれか、それぞれが複雑に影響しあっているのか、あるいは、全く別の原因か? かといって、今さら、これらの対応は難しいよナァー、バラすのでさえ大変なのに。う〜ん、どうしようかしらん。
対症療法でコンデンサ追加
2007-03-23 RFリターン強化
 RFの大電流のグランド・リターンで何点か気になる部分があるのだが、最もアヤシイと思われるAに取り組んだ。せっかくの銅板をアルミで覆っている部分というのは、ロードVCをシャーシから浮かしているのだが、その支えにアルミ角アングルを使用している所である。説明しづらいので、デジカメ写真を参照あれ。このアルミを銅に代えれば良いのだが、そうは簡単にいかないし、推測が間違っているかもしれない。このため、厚めで少し重みのある銅板を既設の銅板とプレートVC側の銅板の上にブリッジするように置いた。銅板の重みで接触させて、アルミ部分をバイパスするようにした訳である。これでRFリターン電流は流れやすくなった筈。「今度は、どうだぁ!」と期待半分/失望半分でパワーを入れていくが、全く変化無し、残念。寝つきが悪くなりそうなので、シコタマ飲んでから就寝

2007-03-24 続・RFリターン強化
 それでも怪しいとの執念は続き、支持しているアルミLアングル部分を取り外した。外すのに時間と手間を要したので、それなりの結果を期待したのだが、無残な結果であった。気落ちした精神状態での組み戻し作業は、さらに長時間を要した。で、一番怪しいとニラんだのがアエなくツイえてしまったが、乗りかかった舟である、残りの項目にもチャレンジしてみた。まず、2番目に怪しいと踏んだプレートVCの一点アース化をしてみた。20cmもの長さがあるVCであり、前と後にロータ側の端子が出ているが、両方とも銅板に落としていた。この内前面のアースを切り離してみた。これも長時間の分解作業となったが、結果は、...う〜ん、残念、全く変化無し。次いで、RF−Box内の要所には銅板を敷いているが、これとシャーシ上面のタンク回路部とはアルミのシャーシを介しての結合である。これをソケットとチムニーのスキ間を通して銅板で接続させてみた。でも、これも変化無し。
アルミLアングルで銅部分を分断
2007-03-25 続々RFリターン強化
 コントロール・グリッドは高周波的に0.01μFでGNDに落としているのだが、14MHzで1.1Ωのリアクタンスがある。この程度では影響ないのだろうが、念のため3個に増やしてみた、予想通り変化無し。この他に細々した対策を実施してみたが、全て効果なし。う〜んん、万策尽きたかぁ?
 で、ポケーッとしていても、良い案が出ないので、前々から気になっていた入力VSWRを調整した。これまでもMAX1.2以下と実用上は問題ないレベルであった。1.2というと50W出して、0.4W戻ってくる計算である。これを調整してケースのフタをした状態で、MAX1.1以下とした。今度は、戻りが0.1W以下となる。ところで、高圧(プレート電圧)の電圧値を表示するディジタル・パネル・メータをRF部と高圧電源部の両方に取付けている。ところが、1.5KW以上のパワーを出すと、レギュレーションの関係で電圧が落ちる筈なのに、高圧電源部の表示は、逆に上がってしまっていた。たぶんRFの回り込みの影響だろうと思い、電源部とRF部の高圧線にパッチン式のフェライト・コアを挿入、これで正常に表示されるようになった。結構、不要輻射やラインからの漏れが多いようだ、運用時には注意を要する。

2007-03-26 カソード抵抗の取替え
 カソードに入れていた仮抵抗0.2Ωを2球とも同じ1Ω−1%×3パラ(0.33Ω)に取替えた。実は精度1%と思い込んでいた抵抗は、何と銀色の10%であったのである。う〜ん、こういうミスをするのかなぁ。ということは、前に測定した球のバラツキが数%というのは当てにならない。かといって、低抵抗を測定するテスターなどを持っていない。ヒマな時にでも高抵抗と組み合わせたブリッジを作り、低抵抗値を測定してみよう。絶対値が重要ではないので、偏差を少なく出来るであろう。
NGとなった0.3Ω抵抗、何と10%精度
2007-03-28 RFリターン強化
 ロードVCがMaxで最大出力が出ていることにコダワりすぎていて、今日もこの周辺のリターン強化をした。5cm幅銅板でアース強化をしていたため、プレートVCとロードVCの間にスキ間があったが、銅板でスキ間なく埋めた。ネジ留めが出来ない部分が多かったので、保守性は悪くなるが、諦めて全部半田付けである。でも100Wの半田ゴテでは、シャーシに熱が逃げるため、熱容量的に不足となり、FBな半田付けが出来ない。しかも設置済みの部品・ビス類を外すところから始めるので、大変面倒な作業になった。が、結果は全く変化無し、ガビーンヤケ酒をアオって寝るのでした

2007-03-31 違う試み
 これまでの作業は全て徒労に終わったようだ。先入観が強過ぎて、「アルミ・シャーシ上を流れるRFリターン電流が迷走し、悪さをしている」と考えていたのだが、どうやら違っていたようだ。とすると、果たして原因は何だろう。イロイロ考えてみたが、技術・経験の無いHYDの頭ではもう限界に近い。ただ、ロードVCに400pF程のコンデンサを追加した際に、カソードの0.3Ω抵抗とSg電源の10Ω抵抗が断線したコトがあった。これはヒントにならないだろうか。そもそも、2つの抵抗の同時断線は偶発・偶然ではない。そして直流電流による断線では説明できないので、RF電流で切れた、ということになる。それも、かなりの電流が流れた筈。どういう経路で流れたのだろう。低抵抗の2つは、カソードとスクリーンに関係する部分である。するとこの周辺か。気になるのは、メータ関係のIp、Isg、Icgの戻りはプレート電源のアース点と一緒にして一点アース(のツモリだったが、実際にはそうは簡単に問屋が卸さない)にしている。しかも+Ipと−Ip、+Isgと−Isgという具合にペア線になるのだが、面倒臭くてこれらの線を撚っていなかった。また線数をケチるため、+Ipと+Isgを一緒にしている等、問題はありそう。ココで得意のFB801の出番となるが、残念ながらもう手持ちが無くなった。しょうがないので、面倒ではあるが効果が高いFT−140(#43材)を使用した。なぜ面倒かというと、コアに何回か線を巻くので線長が足りなくなり、配線をヤリ直ししなければならないからである。「さぁ、これでどうだぁ」とパワーを入れてみるが、やはり変化無し。1.5KWを超えた辺りでIcgやIsgがグーッと流れ始める。何より、ロードVCが目一杯入った状態が最大パワーっていう問題が変化無し。さほど期待はしていなかったのだが、「手の打ちようが無くなった」ことにガックリ。少し頭を冷やそう。
 対策案が頭に浮かばないので、残作業をコツコツこなす。先ず球の上部の排出口にアルミ・メッシュを取付けた。これまでFANガードだけを取付けていたのだが、何せスキ間が多く、穴の下では危険な高圧が口を開けて待っていた。シールド効果も多少上がるかも。さぁてとぉ、明日の日曜は横浜・栄アマ無線クラブの花見である。クラブ員ではないのだが、天気もヨサゲだし、飛び入りでヤケ酒をタラフク飲むことになりそう。


2007-04-02 続・違う試み
 昨日は、横浜市栄アマ無線クラブの花見に参加させて貰って、タラフク飲んで食べて帰って来た。これがタタって一日中体調不良であったが、夜になれば話しは別。今日はタンクコイルの磁束方向に、しかもすぐ近くにプレートVCがあり、これが悪さをしているのではないかと考え、コイルの前にアルミでシールドをしてみた。結果は、予想通り×。だって、打つ手がない(分からない)んだから、しょうがない。気が付いたものから、片っ端からやってみるつもり。まぁ、これも自作の楽しみ(ヲイヲイ、苦しみだろう)の一つネ。

2007-04-04 続・続・違う試み
 GU−74B用のソケットには、ハナからスクリーン・グリッド用のバイパスコンデンサが付いている。Webで調べると0.01μFより少し多いらしい。すると14MHzでのリアクタンスは1Ω以下となる。ということは、このソケットからタンク回路のアース側まで、しっかりリターン回路を構成させてやらないとダメであろう、と考えた。とりあえず実験的に、ソケットの3mm穴を使って銅板を留め、この銅板とRFCのGNDの銅板とを接続してみた。メーカ製のGU−74B×2を使用したリニアでも、ここまで考慮してあるモノは無い(少なくと、HYDがWebで調べた限り)。当然期待するべくもなく、結果は変化無し。今日も残念賞、参加賞くらい欲しいココロ。
することもなく、銅パイプを磨いた
 左:ピカピカ銅パイプ・コイル
 中:以前巻いたコイル
 右:貰ってきた処理していない銅パイプ
2007-04-08 RFの回り込み?
 先日(3/25)、プレート電圧表示がNGであったので、パッチン・コアを取付けたが、ヨクヨク考えてみるとコレって危なくない 表示用の電源がAC100V→DC5Vになっていて、AC100VとDC3KVラインにコアを挿入したら表示が正しくなったのだから、当然AC200VラインにもRFは乗っている筈。もしかすると、コレが悪さをしているかも。という訳で、FT−240(#43材)を使用したコモンモードフィルタを、各ラインに試行的に挿入してみた。RFの回り込みがある時には、各電流計がおかしな動きをする筈なのに、そういう変な動きはしていないので、回り込みが原因ではないだろうとの予測通り、結果はやはり × であった。でも結果が悪くても今回はサバサバ。いつかは実施しなければならないコトだからネ。
 案外基本的なコトを忘れていて、単純な原因なのかもしれない。原点をさらに考えてみよう。
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