■ 下駄箱の製作日記(高圧電源部) ■
    2006-09-29 真空管等が到着

 札幌のFDT-LABORに依頼していた、ペア用のGU-74B×2本、ソケットなどが宅急便で届いた。FDTさんは、リニア製作の技術、経験ともピカイチの方で、購入前に丁寧にイロイロご指導頂きました。今後ともよろしくお願いします。さて、GU-74Bを一目見た感想であるが、「こんなに小さい球たった1本で、1KWも出せるのぉ?」である。まぁ、皆さん出しておられるから大丈夫なんでしょうが。LABに依頼したのは、この他に高圧カップリング・コンデンサ(3300pF-10KV、ロシア製−外径50mm)、高圧の貫通コンデンサ(680pF/6KV)、高圧整流ダイオード(1N5804 (1KV-3A))、テフロン棒(RFC用)である。
 さぁ、イヨイヨ「下駄箱製作プロジェクト」がスタートする。
    2006-09-30 シロッコファンが到着
 オリエンタル・モーター社に依頼していたシロッコ・ファンMB1040-B(AC100V仕様)が到着した。よく分からずに、取り付け金具も注文したが、この金具は無くても良かったかもしれない。
 GU-74Bに要求される冷却Specは、海抜0m−25℃で、プレート損失により次のように定義されている。
  400W損失時 6CFM 0.1inch/water
  600W損失時 12CFM 0.2inch/water
  800W損失時 20CFM 0.5inch/water
この単位はJAでは一般的ではないので、JA用に変換すると
  400W損失時 0.170m^3/min 24.9Pa
  600W損失時 0.340m^3/min 49.8Pa
  800W損失時 0.566m^3/min 124.5Pa
となる。GU-74Bを2本パラにするので、この2倍の冷却が必要である。購入したMBシリーズの#10のSpecは、
  50Hz 2.3m3/Min 206Pa 騒音60dB
  60Hz 2.6m3/Min 284Pa 騒音58dB
となっている。風量は、全く心配要らないが、関東で使用する場合は、損失800W時では静圧面でやや不安がある。でも、@実際に使用するのは飛騨(60Hz地区)である A損失800W×2で連続運転することはマズありえない Bイザとなれば、110Vで動作させてSpecをクリアする ということで、#10とした。このクラスより上の#12であれば余裕でクリア出来るのだが、値段が高くなるだけでなく、騒音が10dB以上も跳ね上がってしまうのが難点である。現実的には、空気の漏れや空気抵抗もあるので、配置や密閉度は十分意識する必要があろう。
■静圧って、パラの時にはやはり2倍必要なのだろうか? なんとなく単管と同じでも良いような気がします。ご存知の方、教えてください。
 →調べているうちに、静圧は一本と同じで良い、風量は2倍が必要であることが分かりました(2006-11-25)
2006-09-30 高圧電解コンデンサが到着
 若松通商の通販で、高圧用のニチコン製470uF/400V×10個と低圧用のニチコン製100uF/400V×2個が代金引換で届いた。ニチコンである必要はないが、どうもブランドに弱い。その割にはバッタモノのような、安いモノを購入してしまった。手数料や送料を考えると高いように思えるが、戸塚〜秋葉の往復の電車賃+時間を考えると、通販も悪くはない。さて、この2種類の電解コンデンサは105℃で3000Hという製品だが、3000時間という寿命では、12個もあれば「アッ」という間に故障をしてしまう。どうすれば良いかというと、電解コンデンサは使用温度を下げさえすれば長持ちする。10℃下げれば寿命は2倍になり、20℃では4倍という具合に、2の乗数で長くなる。45℃で使用すると、(105-45)/10=6で、何と2の6乗の64倍となり、12個用いても、3000H×64÷12個=16,000Hと計算上は長くなる。寿命は空気の循環をいかに良くして、高温を避けるかである。
2006-10-01 高圧/低圧トランスが到着
 伊勢の西崎電機に頼んでいた、特注の高圧トランス(3KVA,1.8-2.0-2.2KV)とヒータ+Cg+Sg用の低圧トランス(12.6V-8A,250V,50V)の2個が届いた。とても重いので、相方は動かせずに玄関に置きっぱなしにしたままであった。チナミに重量を量ってみると、高圧の方が27.8Kg、低圧は2.8Kgであった。高圧トランスの1次側は100V×2の複巻きにしてある。低圧トランスは100V単巻きである。西崎電機さんは、対応が非常にスピーディで、お金を振込んでから5日で、特注品が家に届いた、「驚き、桃の木、山椒の木」である。
 こんなにも重い(その分、余裕がヨッちゃん)モノを収容するケースはあるのかしらん。
2006-10-10 ダミー用抵抗等を購入
 今日、会社を休んで行った五反田の病院の帰りに、久し振りに秋葉原に立ち寄って細々したものを購入した。先ず、桜屋電機でブリーダ抵抗やら高圧のセラミックコンデンサなどの部品を購入した。10W以上の高抵抗を置いてある店は少ないが、ここには色々取り揃えてある。それでも10個も置いてなかったので、オヤジさんが倉庫に取りに行ってる間、10分ほど店番。次いで、同じラジオデパートの斉藤電気に寄ると、格安(?)のダミー抵抗になりそうな無誘導抵抗(75Ω−100W)が置いてあった。その内に必要になるダミーロードは、米国製の安い缶ダミーでも購入するつもりでいたのだが、迷わず6個を購入。75Ωという表示ではあるが、途中に50Ωのタップもあるので、50Ωとしても使用できる代物である。2個直列・3列パラで50Ω・600Wのダミーロードに仕立てる予定である。この後、秋月でSSRキットを購入、これで200Vの20A程度をON−OFFするつもりである。200V-20AをON/OFFするハードSWは高価で入手が難しく、不恰好でもある。他に、オヤイデ電線で高圧用のネオン線(7.5KV)を5m購入。この線材は高いのでは、というイメージがあったが、140円/mと同軸なみであった。
2006-10-11 ロード側バリコン等を購入
 今日も休んで病院通い。帰りに秋葉原へ立ち寄って、昨日買い忘れた部品の買い物をした。桜屋電機でラッシュカレント対策用の20W抵抗、鈴商にてCgとSg電源用のTrと電解コンデンサ(105℃)・200V用バリスタ・ツェナー等、斉藤電気にてロード側の1.25KV-400pFバリコン、坂口電線で45℃-offサーモSWを購入した。バリコンはもっと耐圧が低くても良いのだが、タンク回路はπ−L回路とする予定であるので、π回路の倍近い耐圧を考慮して1.25KV耐圧とした。大きさもプレート側に装着予定の5KV-100pFバリコンと同じW75mm×H75mm(奥行Dは大きく異なる)であり、工作の容易性も考慮した。ここも、「大は小を兼ねる」の考えである。
 ドンドン部品が集まってきたので、そろそろ最後の大物であるケースのことを考えなければならない。でも、あの重いトランス(30Kg弱)をどうやって収容するか、まだ名案が出ていない、どうしようかしらん。
2006-10-17 テフロン・パイプ到着
 通販でテフロンパイプを頼んでいたが、2W間かかってご到着。太い方のパイプ(外径85mm/内径75mm・100mm)は、短く切って3本分のチムニーにする予定。当初、プレートチョークは、FDTさんより分けて頂いた20mmΦのテフロン棒にエナメル線を巻く予定であったが、計算するとインダクタンスが足りそうにもない。譲って頂いたのは20Φ・20cm長の棒であるが、長過ぎるので現実的にはせいぜい15cm位に切って使用することになる。止め具部分も必要なので、巻ける範囲は12cmで0.8mmで巻いたとしても、70μH程度となり、14MHzで6KΩ程度のインピーダンスしか確保できない。Zpが1KΩ程度と低く見積もっても、かなり漏れそうである。このため、細いパイプ(40mmΦ/100mm長)にエナメル線を7cm程巻いて、170μH程度のプレートチョークとするつもりでいる。
どうやら勘違いしていたようである。Zpと比較する必要はなく、π回路のLのインダクタンス比で漏れを判断すれば良いようである。という訳で、70μH程度で十分なので、20mmφのテフロン棒でRFCを製作することになりそう。 <2006-12-9>
2006-12-01 注文していたケースが到着
 イロイロとトラブルがあって、長い間ブランクがありました。
 さて、この間重いトランスをどうやってケースに収容するか考えていた。ケースの下板にトランスを直接取り付け、この下板を厚みが有って頑丈な木板全面で支えることにした。木板の下にはキャスターを取り付け、工作・移動がしやすいようにすることにした。という訳で、ケースをラジオデパートのエスエス無線に注文していたが、早々とケースが到着。早速、高圧電源用のケースだけ組み立ててみた。なかなかに頑丈で、重い高圧トランスを入れても大丈夫そう。というか、思い違いでかなり小さなケースを頼んでしまっていた。当然タワミも少なくなり、その点はFBなのだが、ケース内を余裕ある配置にするつもりが、かなりキツくなりそうである。ケースは全てタカチ製で、RF部がMS-222-43-35G 、RF部のサブシャーシがEX-150、電源部がOS-249-32-33BBである。電源部のケースは特注しようと考えたが、高価になる見積もりを貰ったので、既製品に方針変更した。でもココで勘違いがあり、ズイブン小さなケースをオーダーしてしまったのダ。
(泣)
2006-12-02 ダミーロードの製作
 先日購入していた75Ωの抵抗6本で50Ωの缶ダミーロードを製作した。先ずはイレモノ探しである。建築で用いる塗料の使用済みの缶を探したが、なかなかFBなものが見つからず、結局ホームセンタで売っていた缶(1.5K円也)を用いることにした。有料な分、外観はFBなのだが、高さが35cmと少し足りない。ダミー抵抗の長さが1本20cmで、直列にするために40cm以上の高さが必要なのだが...。しょうがない、折り曲げてでも無理して入れることにしよう。抵抗の両端をホースバンドで締めるのだが、熱で膨張して壊れやすいようなので、少し緩めに締めた。また気休めに導電性の金属クッション材をホースバンド内に挿入してみた。やはり缶の中に無理して詰め込むため折り曲げ構造となり、イビツな形状となってしまった。銅版にて一応テーパー状にして周波数補正を考えたのだが、このイビツさでは全く意味はなさそう。案の定、VSWRを測っても21MHzまでは1.1以下であるが、28MHzでは1.3、50MHzでは1.6まで悪化してしまう。まぁ、アマチュア的には50MHzまで、どうにか使用出来そうではあるが。(泣)
 右上の写真の白いテープはテフロン・テープである。テフロンというと高価そうであるが、何のことはない、水道管工事で用いるシールテープです。
 ダミー抵抗は1本100Wなので、600Wのダミーとなるが、オイルを入れることで、連続負荷で3倍(アマチュア的には10倍と言う人も居るが、)の1800Wが定格電力となろう。中に入れる絶縁オイル・20Lは、バイクのお師匠さんに現在依頼中である。
2006-12-03 高圧電源部の整流・平滑回路の製作
 部品集めのみで、なかなか製作に入れなかったのだが、重い腰を上げて高圧電源部の整流・平滑回路部分を製作した。先ずは基板の製作であるが、エッチングするのが面倒臭かったので、エポキシの生板の銅部分にカッターで切れ目を入れ、不要部分の銅面をラジペンで引ん剥いて基板を完成させた。文字にするとイトも簡単なのだが、この不要部分の銅を剥がすのは面積が広い分、キレイに剥がれずに、思いのほか大変であった。面倒でもエッチングでやれば良かったと、途中で何度も後悔したほどである。
 少しでも熱がコモらないように、電解コンデンサ・ダイオード・抵抗は風通しを良くするため、基板から少し離して取り付けた。残念ながら一番熱対策が必要な電解コンは、リード部分が短いという構造上、殆ど間隔を空けられなかった。MTBFの足を引っ張る電解コンデンサは、温度が10度下がると2倍に寿命が長くなるが、果たしてこの空中配線の効果は有るのかしらん。
2006-12-06 入力AC200Vデジタル電圧計の製作
 ズイブン昔に、秋月電子で購入していたLED表示のデジタル電圧計を用いて、入力のAC200Vの電圧値を表示する回路を製作した。AC200Vを直接整流した後の約280Vを分圧し、デジタル電圧計で表示させた。電圧計の電源も、この整流したものから取ろうとしたのだが、電圧計の消費電流がLEDのため、TYP-60mAと以外に大きくてアキラメて別電源とした。この電源は不要になって、アチコチに転がっているケータイ用の充電用アダプタ(5.8V-600mA)をバラして再利用した。超小型で入出力は絶縁されており、しかも結構安定化された出力が得られるので、ちょっとしたCMOSやTTLの電源には好んで用いている。
 実際にテストしてみた。アナログのAC電圧計では数Vの変化は分かりづらいが、入力電圧の変化が分かりやすい、と自画自賛。
(本当は、LED表示のデジタル電圧計の「宝の持ち腐れ」を防ぎたかっただけである Hi)
    
<AC入力電圧表示回路>
2006-12-10 高圧電源ユニットほぼ完成(?)
 手間ヒマのかかるケース加工を昨日の土曜に朝から終日行ったのだが、
手はマメだらけに。ACファンを前面に2個、後面に2個と、合計4個も取り付けたため、この穴あけだけでも大変であった。小型のボール盤があったから良かったものの、ハンド・ドリルでは、一日では済まなかったかも。それでも厚みが厚くてヤスリがけなど、久し振りの力仕事の板金工作で疲れ果ててしまった。それにしても総アルミのケースで良かった。鉄板のパネルだったら、どんなにか大変だったろう。
 今日はSSR周りの回路やらモロモロの配線を行い、まだ養生のシールを一部残してはいるが、ほぼ高圧電源部が完成した。レタリングでのおめかし等はその内に実施予定です。熱に対し、過度の配慮をしたため、合計4個もの12cm−ブック型ファンを取り付けたが、サスガにウルサイ。実際に運用した時の温度上昇で判断しなければならないが、ファン電源AC100Vの電圧を下げて運用した方が良いかも Hi。
     
<高圧電源部の回路図>
かなり原始的な工具で製作中
養生のビニールはまだ剥がしていない
2006-12-16 高圧電源ユニット変更
 あらかた高圧電源部は出来上がっていたのだが、フロントの面貌がイマイチなのが気になってしょうがない。何故?かって考えてみたが、どうやら黒パネルの精悍なマスクなのに、左右非対称になっているからのような気がする。左側にはAC200V表示計を取り付けたが、右側には何も無く、何となく間は抜けている。これが見た目を悪くしているようだと思い始めたら、何とかしなくちゃぁ、という気持ちが、「もうどうにも止まらない」(かなり旧いです Hi)。それじゃぁ、ってんで右側に同じ表示計を配置することにした。表示するものは、高圧のEp電圧である。この電圧表示計があると、「高圧危険」のリスク回避もできるかも。というのも、ディジタル電圧計の電源は、FAN用を使用しているため、offディレイされているのでメインSWがoffの後でも、電解コンデンサにチャージされている電圧がしばらくの間表示される。何より、LED電圧計のデッド・ストックを防ぐことが出来るのが良かったかも。気を良くして、RF部でもこのLED表示計を多用しよう。そうそう、秋月電子のモノなので、故障のコトを考えて1個はスペアとして残して置かなければ。
 測定ポイントは、ブリーダ抵抗のアース側の最下段の所(1/10)から、さらに1/100に分圧している。
高圧電源部フロント
高圧電源部リア
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