白黒SSTVの時代の   QSO(交信)
 残念ながら、HYDは古くからのSSTVerとはいっても、残像式のSSTV(静止TV)でのQSO(通信)経験があるほど古くはない。8秒で上から下へ画像をスキャンするが、残像式のブラウン管とはいえ、ラスターが下へ来る頃には、上部の画像は暗く消えかかってしまう。このため、残像式でのQSOは真昼でもカーテンを閉めて部屋を暗くしてQSOをしたようです。超根暗な驚くべき趣味ですネ。 でも、 ’75年ごろに、スキャンコンバータ式のSSTV機器がRobot社から販売されてからは、様相が一変します。ゆっくり変化する画像の白黒情報をメモリに蓄積し、それを普通のTVで表示させるので、暗くする必要が無くようやく根暗な生活から開放されます。送信も普通のTVカメラからの画像をメモリに一旦蓄積し、それをゆっくり読み出して送り出すので、入手容易なTVカメラが使用できます。 私は’70年の後半にJASTAから、この白黒スキャンコンバータの基板の頒布を受け、製作しました。カメラ入力の画像データをメモリに蓄積する際に、A/D変換しますが、このICの内の1個がNGというトラブルがありましたが、無難に完成。無線局の変更も終え、初QSOは●●局、感激でした。だって、それまでATV(動くTV)での画像通信が趣味で、幾つか送信機・TVカメラを製作したものの、相手が居なくてQSOできず、自分で送信した画像を、自分で受けていただけなのですから。
 最初は、画像通信とはいえ、手書きの文字を撮り込み送ってましたので、文字伝送の様相でした。折角の画像通信だから、という訳で他の局と同じようにテロップを用意し、これを用いてQSOするようになるのに時間はかかりませんでした。このテロップの一部が幸いにして残っていて、別コーナーに掲載してます。結構、リキが入ってました。
 画像1枚を送るのに8秒要しますが、だいたい電波伝播状況が良くても、同じ画像を2枚は送りました。伝播状況が悪いと、4、5枚送ってた記憶があります。DX(海外)局とのQSOも数多くしました。中学以降の総英語授業時間数は相当なモノだと思いますが、英会話は大の苦手。とてもDX局とのQSOを楽しみにする、といことは考えられないのですが、テロップと自分の写真を送るだけで、殆ど会話せずにQSO成立、特にヨーロッパの局とのQSOが多かったです。
 これが、カラーSSTVとなると、QSOスタイルがガラッと変わります。1枚送るのに、短いのでは12秒で送れるのですが、皆さん1分以上もかけて画質のきれいなモノを送ろうとします。当然、2、3枚送る/受けるだけで結構な時間がかかります。2、3枚では送れる情報量が少なくなり、当然これを補うために会話モードが増えてしまいます。で、カラーSSTVになってからは、DX局とのQSOは激減です。