■ 1KWパワーアップ大計画 ■
  CQ誌にSSTVの大先輩であるJA1COW森OMが書かれた少し古い記事がある。OMは残像式SSTVからの先達でJASTA(日本アマチュアSSTV協会)の生みの親の一人でもある。氏が書かれた記事は、1KWライセンスの取得の経緯を書かれたものである。コレを読んで、いつかは自分もKWに挑戦したいものだとズゥーッと思っていた。でも・しかし、社宅住まいやマンション住まいでは夢のまた夢であった。それでも、リタイアして帰郷した時にはKWを!と考え続け、リニアを製作したりと準備を進めて来ていた。以下、リニア製作後のKWの実現に向けてモロモロ進めていく状況・経過を報告したい。少しでも参考になればとは思うのだが、....。
 
いつものように背中を押して頂くと有り難いです、よろしくお願いします。
JA1COW森OMの記事
2011-11-07
 JA1COW森さんの記事には、「いきなりKW局を申請せず、固定局を開設した後、KWへの変更をせよ」と書かれている。KW局の新設の税金や手数料はバカにならないほど高いのである。で、アドバイス通り、先ずは100Wの固定局の新設申請を行った。送信可能な全バンドの申請をしたかったが、アンテナのことを考え、とりあえず14〜28MHzの5バンドだけ申請。ダメモトで例によって電子申請で行った。SSTVのF5Fは当然として、ディジタルモードのF1BやG1Bなど、はてはJ8Wモードまでテンコ盛とした。でも、附加装置を加えているので、電子申請ではダメだろナァ。
2011-11-08
 総務省東海総合通信局よりお手紙(e-Mail)が来た。案の定、TSS経由で申請して欲しい、と来たもんだ。お役所のレスポンスを見たかったというのもあって、分かってはいたのだが、電子申請にしていたのである(
ヲイヲイ)。
とにかく、電子申請資料はこれからも使用するので無駄にならないからネェー。
2011-11-09
 今度はTSSに電子申請したが、総務省のシステムとは異なり、めちゃチャチな電子申請システム(これはシステムとは言わないなぁ、絶対に)である。とにかく入力が面倒+説明が不十分+「戻る」を行うとデータ消失+...などなど大変。それでも、何とか入力し終わった。
フゥーッ、と大きなタメ息。

2011-11-11
 認定(とは言わないですね、最近は。いわゆる技適です)機種なんで、簡単+早急に保証がされると思っていたが、それにしても早い・速い。もう「保証の認定が終わり総務省に送付した、添付の「保証書の写し.PDF」を添えて総務省に電子申請してネ」とメールが届いた。
う〜ん、今日は11が3連チャンの日、何か良いことあるかも。

2011-11-12
 前に電子申請した際のコピーがあるので、「保証書の写し」を添付して再度電子申請。アッという間に完了した。今日は土曜日、はたして免許はいつ発給されるかしらん。

2011-11-14
 「審査が完了した、無線局の開設費用5500円を電子納付してネ」のメールがもう届いた。マジかよぉ、
スンゲェー早ぇー(標準語で「すごく早い!」の意)。

2011-11-15
 郵便局で電子納付し、SASEにて東海総合通信局に郵送した。セッカクの免許状が折り曲げられると悲しいので、厚紙を入れて
『折り曲げ厳禁』の注意書きも蛍光ペンでくっきりと書いておいた。

2011-11-24
 総務省から11月16日付の免許状が届く。1965年にアマ無線局を開設したが、その時は、申請から確か3ヶ月近く要したような記憶がある。それと比べるとメチャ短縮されている。
 さぁてとぉ、固定局を開設したので、今度はKWへの変更である。でも、その前に先ずはパンザマストを建てて、ANTを組み立てて上げなくては。そのパンザであるが、「明日から工事を始める」と業者さんから連絡が入った、ウレシヤ。
パンザの建柱工事については、別ページを見てね。まぁ、とにかく建柱も終わり基礎部のコンクリートも完璧に固まったのだが、積雪期に入ってしまった。う〜ん、ANTを上げるコトが出来そうにもない。というより、雪が邪魔して変形八木ANTを組み立てるコトもママならない。ANTを上げる目処が少し立ったトコロで、KWの申請をしよう。という訳で、当分は雪ゴモリだなぁ。

その割りに28MHzのダイポールを降ろし、代わりに7MHzのダブル・バズーカを上げた。本格的な降雪の前に、冬ゴモリのためにローバンドの準備を怠らないHYD 苦Hi
2012-1-21(土)
  暖かい日が続き、シャック前の道路の雪カキもしたため、路面が黒くなってきた。少しずつ春に向かっているに違いない。今から申請すれば雪解け時期には許可が降りそう。それから1ヶ月位でANTとリニアを整備すれば、本格的な春シーズンにはKWかも。それではソロソロKWの申請をしよう。朝の間にシャック(自宅から1Km離れた小屋の中に製作)で、SSTVのQSOをしながら申請書の下書きを行った。お絵描きをPowPointで行い、これをEXCELに貼り付けていきます。昼からは自宅で申請書(工事設計書、付属書)となるように体裁を整えます。付属書には、附属装置の内容、工事設計書に書けなかった電波型式・変調方式等、電波保護指針の計算書、周辺地図、ANTとパンザの立体図や民家との距離が分かる図、周辺のTV視聴状況などをEXCEL+PowPointで記入した。夜になってから、電子申請にて申請した。
う〜ん、電波型式とバンドの数が多いから投入が大変

2012-1-22(日)
  昨日は土曜、今日は日曜日ということで、電子申請の処理状況を確認するも、当たりの然で、「到達」のママである。昨年10月に固定局の申請を行った時は、スグに審査が終わり、10日程で免許状も届いた。しかし、ほぼ同時期に申請した移動局の変更申請は1ヶ月チョット要した。新設の場合はスピーディな処理だが、変更の場合はイロイロあるんだろうなあぁ、きっと(
イヤミです H)。さぁてとぉ、今回は変更申請で、しかも1KWの増力である。「到達」が「受付処理中」になり、さらに「審査中」になっても、今回は2ヶ月位は「審査中」状況が続くんだろうなぁ、絶対に。

2012-1-23(月)
 ここ4,5日は暖かい日が続いている。まだ1月で、これからも降雪があるとは分かっている。しかし無駄だと分かっていても、シャックの前の農道とシャック脇のスペースの除雪を行なう。汗を少しかいたトコロでシャックに入る。こうすると暖房が効くまでの時間が寒く感じない。オモムロに14→21→7MHzとSSTV中心周波数をチェックします。7MHzで9エリアのOMがCQ SSTVを出されているので、呼んでSSTVのQSOを行います。QSO途中で、ケータイが鳴った。電話番号は登録されていない番号である。市外局番が「052」なので「名古屋」である。名古屋に勤務していたこともあるので、「友人かも?」と思って恐る恐る電話に出た。すると、「東海総合通信局陸上課の●●ですが、....」。
「ゲェーッ!?」、書類の不備なのか、それとも200W以上の変更は電子申請では×なのかしらん。
 すると意外なコトに「電子申請書を受け取った。まだ詳細に見ていないが、素晴らしい出来映えの申請書である。プロの放送局の申請書でも十分通用する」と来たぁ。どうやらミスは無いようである。「ホッ」とする間もなく、「近い内に変更許可書を出せるので返信用封筒を送って欲しい」と来たぁ。
う〜ん、お役所とは思えない迅速性である、「遅い」という先入観をシッカリ変えなくては。
 早速、A5サイズ(A4の半分)の免許状が入る大きさの封筒に、折れないように厚紙を入れSASEで郵送した。

2012-1-24(火)
 東海総合通信局陸上課(登録したのでスグに判明)よりケータイに電話が入った。今回も、おそるオソル電話に出ると、「封筒が届いた、しかし免許状のA5サイズと異なり、許可状はA4サイズである、切手を剥して大きい封筒に貼り替え、電波保護指針の資料等を入れて局側の封筒で送る、今回はイロイロあって異例の速さで処理した」とのこと。思わず、電話口で頭を下げてお礼を述べた。それにしても土日を除けば、
たった1日である、超早ぇーっ! 電子申請をモット普及すべく、努力しているんだろうナァ、きっと。

2012-1-26(木)
 無事に変更許可書が届いた。23日受付で24日付の許可になっている。周波数と空中線の欄で、14MHzのトコロが誇らしげに
1KWと書かれている。う〜ん、予備免許とはいえウレピィー。早速試験電波発射届け書いて、陸上課に郵送しなければ。
翌日の1月27日には試験電波発射届を出したのだが、この日からまた雪が降り出し、その積雪量も思いの他に多く、アンテナの整備が出来なくなった。こうなりゃ、雪が融けてからANTの組み立てを行い、この後にANTを上げるまで、当分は雪ゴモリだなぁ。 苦Hi
2012-4-1(日)
  ローカルのOMお二人に手伝っていただき、SpiderBeamANTを上げることが出来た。結構カサばる大きさなので、クレーン車を持ち込まないと上げられないかとも考えていたが、割とスンナリと上げることが出来た。★
ウソ、途中から雪が降り始め、オマケに風も強くなってきたので、何とか上げることが出来た、というのが正解。
2012-4-4(水)
 昨日からの強風が心配で、朝飯を食べてスグにシャックに。そこには
変わり果てたANTが。湿った雪+横殴りの強風で、ワイヤーに雪が団子状に食っ付き、重さでANTがNGに。顔が引きつったのは言うまでもない。当然に涙目に。そういやぁ、昔々同じような雪と風で神奈川県内の送電用の鉄塔が倒れたのを思い出してしまった。
 夕方、心配して寄ってくれたローカルのOMの話では、朝の6時半頃に通った時は問題なかったが、8時過ぎに通過した時には、ANTは大きく垂れ下がっていた、と言うことである。
 落成届を遅らすのもイヤであるし、雪に弱いANTであるのは実証できたのだから、こうなりゃあ、しょうがない、ANTを変更しよう。急いで家に戻り、メーカ製のANTを物色するHYD。で、「安くて軽くて、KWでもOK」という条件で調べて、ミニマルチ製のANTに決めた。注文書にアレコレ記入していったが、途中でマスト径の欄で
「?」となった。40mm以上の筈であったが、正確な数値を思い出せない。しょうがないので、以前に4m長のパイプを切った際の端材の径を調べよう。急いでシャックに戻ると、何とANTは元に戻っている、ではないか!! 喜ぶよりも先に、う〜ん、不可思議?? と唸ってしまった Hi ともかく、ANTが壊れておらず大きな安堵、フゥーッ。ついでに余分な買い物をしなくて良かったと、2度目の安堵 Hi (正確に言うと、壊れてはいないが、ブームが少し垂れ下がっている。何とかして吊り上げてモトのようにするツモリ)
←雪の枝垂桜
4時間後、どういう訳か復元→
2012-4-6(金)
 
SpideBeamANTを上げる際に、邪魔になって降ろしていた7MHzダブルバズーカを再度上げた。また1.8/1.9MHzと3.5/3.8MHz用に35m長のロングワイヤーを最頂部15mに上げた。SG-239にてチューンすると実用的なVSWR値になる。試しに10MHzでチューンをとると、これも良好である。18MHzDPに10MHzも使用できるように18MHzのトラップコイルを取り付けマルチバンドDPとするツモリで製作していたが、とりあえずはLWでOKということにしよう。
2012-4-8(日)

  近所のホームセンターにて小型の物置を購入、セール品で4980円也。この中にSG-239(ATU)とAuto-ANT-SELを入れる予定である。当初は、大きな工具BOXを用いて、もっと安上がりなコトを考えていたが、雨には対処できるものの、
積雪時には埋もれてしまいNGではないか、とのローカルのOMのアドバイスで方針変換。
 これまで14/21MHzのDPとしていたものを18/24MHzのDPに変更した。ワイヤーを切り詰めていくだけなので簡単に終わり、両バンドともバンド内VSWR=1.1以下とVY FBである。

2012-04-09(月)
 小型物置内にANT線やケーブルを出し入れするL字型の塩ビ・パイプを取り付けるべく側面に穴開け。穴開け後、物置を組み立てて、地面にブロックを敷いて据付を行った。う〜ん、なかなかFBである。問題は値段相応のキャシャ+耐候性である。それと、塩ビパイプの穴の隙間を何で塞ごうかしらん。
屋根上と内部下のブロックは転倒防止用の重り
2012-4-12(木)
 ズイブン前に50MHz用の2EL-HB9CVをSSTVerのOMから戴いていた。OMは取説に従ってイロイロ調整しても、センター周波数が51MHzから下がらないのに業を煮やし持て余されていたのである。こちとらぁ、そういうことには無神経なので、各エレメントにジャンクのTVアンテナのパイプを利用してエレメントを2cm伸ばして使用した。SSTVのメイン周波数である50.3MHzをボトムにして、50.0〜54.0MHzまで2.0以下となった。まぁ51MHz以上で使用するとは思われないが。
 一応、念のため固定局免許状に書かれている1.8から144MHzまで、全バンドにQRV出来ることを確認した。

 よぉーっしぁやぁ、これで落成届を出せる前準備は整った。後は、各種データの収集だけである。


2012-4-14(土)

 今日は高山祭の日である。こちとらぁの祭は4/19・20の2日間なので関係ない。という訳で、総通・陸上課から提出を義務付けられている、ANTから50m以内の全戸数からのTVI/BCI/TEL-I等の調査を実施した。...、といっても
50m以内には住宅はない。55mの所に1軒、60m〜70mに3軒なので、55m地点の家だけ調査することにした。1K円程の手土産を持参し、調査のお願いをした後、ANTのビームをクダンの家に向けて、1KWのSSTVを送信した。地デジ化も終わり、放送用鉄塔が望める立地のためTVIの心配は無いが、ステレオへの障害だけは注意しなければならない。特にHiFiにウルサイ家の場合は注意が必要である。でも、幸いなことにTVIは無論のこと、ステレオやTELにも問題なかった。確認の認印を頂き、シャックに戻って、今度は陽極電圧/電流/出力のデータの最終データを取得した。ツイデに、2倍波、3倍波のスプリアス特性も測定した。さすがにKW用のLPFを入れると測定限界値以下になるので、LPFを外して測定し、LPFの減衰特性を加味してデータとした。夜、総務省のホームページから変更工事完了届をダウンロードし、記入を終えた。

2012-04-16(月)
 郵便局で11,650円分の収入印紙を貼り、東海総合通信局無線通信部陸上課AT担当宛てに完了届を送出した。

2012-04-18(水)
 陸上課から電話が入り、工事完了届を受け取った。書類に不備は無いので、検査の日程を調整したいと言うことであった。ウレシヤ、すんなり行きそうである。名古屋から離れた場所に住んでいるので、
2,3ヶ月は待たされるかも、と思っていたが、「そちらの希望の5月上旬は無理である、少し遅れるが5月中旬を考えている、こちらの日程調整が終われば再度連絡する」との有難いお言葉である。

2012-04-19(木)〜20(金)
 HYDが住んでいる古川町には、「古川やんちゃ」の真骨頂ともいえる
『起し太鼓』という裸祭(ある意味奇祭である、喧嘩祭かも)がある。これに還暦を過ぎたGGライダーが参加した(正確には、参加させられた)。まだ桜も咲いていない4月中旬である。起し太鼓用のサルマタをはき、サラシを腹に巻いただけなので、とてもじゃないが、酒をカッ食らわなければ、寒くてヤッテられない。当たりの然に、シコタマ飲みます。この泥酔状態で、櫓を担いだと思いなされませ。夜の9時過ぎに出立式があり、これから櫓を担いで市内を回ります。この最初の休憩の時に悲劇は起こりました。櫓の上の人は、優雅に太鼓を叩く人も居れば、スクワットして提灯を掲げる人も居ます。この提灯持ちの人が櫓の下に落ちて来た。この人がモロに私の左膝に当たったものだから、タマったものではない。痛くてその場にしゃがみ込んでしまった。落ちて来た当人は、私の身体がクッションになり何事も無かったように何処かへ。酒をシコタマ飲んでいるので、少々の痛みでは、感じない身体になっている。ガマンを重ねて、そのまま2時過ぎまで櫓を担いで町内に帰って来た。ココで、また酒を飲んで自宅に。
 当然、シドロモドロ状態で爆酔して朝を迎えた。朝起きて起き上がろうにも、
左膝が超痛くて起き上がれない。ここで、昨晩のアレコレを二日酔い状態で思い出した。そうだぁ、昨日膝の上に人が落ちて来て、膝を痛めたんだっけ。でも、後の祭。立ち上がることもママならない。箪笥の引き出しを開け、このヘリに掴まってヨウヤクに立ち上がり、XYLへ大声で「歩けないヨォ!」
 XYLの力を借りて何とか、「膝を痛めて古川祭にはもう参加できない」旨を伝え、急いで隣の高山市の整形外科へ(だって、住んでいる古川町の病院は、祭でどこも休みなんです)。左膝の内側の靱帯を損傷して全治一ヶ月の診断である。モチの論、安静である。
2012-04-22
 総通からTELがあり、「5月10日に検査を実施したい、これでSKDをコンクリートしたい」ということである。日程については否やはない。で、イロイロと当日の打ち合わせをすると、@自動車ではなく電車で移動する A駅まで迎えに来なくても良い B電車の都合(と、言うよりローカル線の宿命で、1日の便数が少ない、このためトンボ帰りをされるようである)で、昼飯時とダブるが理解して欲しい C昼飯の手配など無用である などなど、昔と異なり倫理上の規定により、気を遣わないで欲しいというコトであった。フムフム、お役所仕事といったコトを考えていたが、ズイブンと変わって来ている。しかし、靱帯の怪我で足が言うことをきかないので、何も出来ない。

2012-04-29
 イロイロ準備をしたいのだが、今日も膝が言うことをきかない。歩けないので、モロモロの準備をしたくても出来なかった。そうは言っても、1週間が過ぎたらビッコをヒキヒキでも移動できるようになった。約1週間ブリで1Km離れたシャックのある田んぼ中の小屋へ。先ずはリニアAMPの整備である。プレート電圧を下げているとはいえ、入力を上げると楽に1.5KWは出てしまう。これ以上にも上がるのだが、IcgやIsgが流れ過ぎて球の寿命が極端に短くなる。電波検査では、「入力をドンドン上げることを要求され、オーバーパワーとならないことを確認する試験もある」と言う情報がある。真偽のホドはさておき、質の良い電波や球の寿命を考えると、ALC機能が必須である。
 で、簡易な方法で出力制限の対応しようと痛い足を引きずりながらヤッて来たのである。そう、痛くて自動車すら運転できないのである。IMDの測定やら周波数の測定をするために、以前に−30dBの方向性結合器を製作し、実際にも使用している。この方結を用いて出力を検波し、負電圧を得てALCを掛けるツモリである。先ずは愛機IC-7400のALC特性を測定した。残念ながらSSBモードとCW/RTTYモードではALC特性が異なっている。というコトは、どのモードでもピッタリ1KWに制限するという訳にはいかないかも。具体的には、ALCでCW/RTTYで最大1KWに調整出来ても、SSBでは数100Wまでしか出ないかも。まぁ、オーバーパワーするよりは良いかもしれないが。ココで、ジャンク箱に眠っていた大昔の1N38AというGeダイオードを50年振りにタタき起して、バラックでALC回路を製作し実験です。心配していたように、ALCで最大出力をCW/RTTYで1KWに制限できても、SSBでは700W程で頭打ちとなってしまう。モードによりSW切替して、どのモードでも1KWに調整出来るようにしても良いのだが、みえミエの舞台裏を見せてもナァ。と言うわけで、全モードで1KW出なくても、CW/RTTYモードで1KW出れば「イイとも」と諦めた。

2012-04-30
 バラックで、ソレナリの結果を出したので、今日はジャンク箱に眠っていたタカチのアルミ・ケースに収めます。このケース、アルミの厚さはズイブンぶ厚いが、軟らかい素材なので楽に穴あけが出来る。BNCコネクタ用の穴を2個、RCAジャック用の穴を1個開けるのに20分ほど。この後、部品の半田付けです。小さなケースなので、スペースの都合上(
ウソ面倒だったため 苦Hi)ラグ板などを用いず空中配線です。まぁ、浮遊容量やインダクタンスも減らせるからネェ。以前に製作して使用している−30dB方結は主にカウンタ用であるが、方結がALC専用になってしまうので、このALC回路に−30dB程度のカップラー回路も組み入れた。但し、このカプラー、抵抗分圧の簡単なモノなので、周波数によってロスは変化する。具体的には1.8MHz〜50MHzで3dBほど。まぁカウンター用だから、この程度は無視できるネ。
2012-05-03
 VSWR悪化時にリニアAMPが動作しないようにプロテクト回路を作ろうと思い立った。ハムフェアで入手していたMコネクタが両サイドに2個付いている雷か何かの保護回路のケースとコネクタ(こいつ、
テフロンの上玉)を流用し、VSWRの検出回路を作るツモリ。8D-2W同軸ケーブルの内側シールドを外し、外側シールドと内部誘電体と芯線を用いて、簡易なCM結合で反射電力を取り出そうと考えた。但し、流用ケースの都合で、シールド長が8cmホドと短いのが気になるが、反射電力が100W以上でリニアをOFFするツモリなので、それなりの検出電圧を得られるだろうと試作してみる。
 ところがギッチョンちょん、取り出せる電圧が低いだけでなく、進行波電力との差が少なく、また当然ながら、周波数によって電圧が大きく変化する。これでは実用にならんわナァ。
長い間、屋外で放置していたため銅網部分はサビサビ
2012-05-04
 今日は5D-2Vケーブルで追試してみた。シールドの網と誘電体とのスキ間に被膜線を通すのに難儀したが、何とか回路を構成できた。で、検出電圧を測定してみるが、8Dケーブルよりは大きな電圧を取り出せたが、それでも進行/反射の電圧差は少ない。これもダメだなぁ。
 しょうがない、現在使用しているコメット製CMX−200(30/300/3KWのパワー計・VSWR計)のセンサーを利用しよう。ケースを開け中身を見ます。どうやら教科書通りのフェライト・コアを用いたCM結合のVSWR計である。フェライト・コアでのセンサー回路も検討していたのだが、流用するケースに入らないので
×としていた。市販品に穴を開けるのも、どうかナァと考えていたが、電波検査の日程は迫っている。まぁ、この種の保護回路が無いと不合格になるとは到底考えられないが、実用的でもあるので思い切って改造することにした。検出電圧を測定した結果は、反射電力が100Wで2.7V、200Wで3.8V、300Wで4.5Vと十分である。ただ、めちゃハイ・インピーダンスで取り出さないとメータの指示値が下がってしまう、当たり前だが。
(このVSWR/パワー計、BIRD43の指示値と針の太さ分だけしか違わない。BIRD43が正確だとすると、コイツも正確ということになる)

2012-05-05

 今日は子供の日、祝日である。HYDには子供の日なんて関係ないが、子供心と同じで、思い立ってしまうと止まらない。先ずはジャンク箱をヒックリ返し、使用出来そうなOP-AMPを探します。ウゥーッ、あったぁ! 使用しやすい単電源OKのLM358が出てきた。12V動作のリレーも出てきたので、これらを用いた回路図を作成します。LM358の1ユニットでボルテージ・フォロワーとし、残りの1ユニットでコンパレータを構成します。リレーは2回路あるので、1つをPTT動作のon/offとし、もう1つを自己保持させて、検出電圧を超えたら、電源をoffしない限り、リニアは動作しないようにした。
 基板を切ってケースに収まる大きさにし、回路を組み込みますが、スペース的には余裕のヨッチャン。簡単な実験で動作OKの確認を終えます。こうなると、問題はケースの穴あけ。このパワー計、鉄製なのである。でもボール盤でゴリゴリし、リーマで穴を広げてヤスリでゴシゴシ。ユックリ丁寧にやったが、30分ほどで終了。この後、基板をケース内に収容し配線をして完成です。★
うそ、まだ動作確認が終わってませんヨォ
 これまで使用していた+13.8Vの電源線では短くて、机の上で確認・調整が出来ないので、RIGとは別の実験用電源に接続して動作を確認します。ところが、うまく動作しない。アッレェー、予備段階の実験ではOKだったのに。で、ここから時間を要してしまった。反射電圧を測定すると、当初測定した電圧と異なる数値になっている。ついでに基板に加わる電源電圧を測ると+13.8Vではなく+9Vである。
??がドンドン膨らんでいきます。が、グランド・ラインが浮いていたためだろうと結論付け、共通化してOKに。
2012-05-06
 最終的なセッティングを実施した。150W反射電力で回路が動作しプロテクトするように設定した。因みに1KW進行波で150W反射波では計算上VSWR=2.3となる。さぁ、電波検査までに対処しなければならない気になる項目は■
リニアAMPの清音化■である。大型のブロワーや6個ものブックファンの騒音AMPなのである。電源部のブックファンやRFユニットのブックファンは止めても問題ないが、ブロワーだけはどうにもならない。しかもコイツ、なかなかにウルサイのである。当初計画では、シャックの壁に四角い穴を開け、開閉の扉を付けてリニアを外へ出すツモリだった。しかし、この簡単な作業が膝の靱帯損傷の影響で出来ない。う〜ん、検査官にはガマンして貰うしかないカァ 苦Hi
2012-05-08
  電波検査まで残り2日である。イクラ何んでも、シャックの中をキレイに掃除しとかなくちゃぁ。と自宅から電気掃除機を持ち出して、
ぴぃピー・がーガァーやっていると、ケイタイに着信が。このクソ忙しい時に誰からだろう、と発信番号を見ると東海総通・陸上課である。当たりの然に、丁寧な言葉遣いになって応答すると、「TVIの調査は、あまり近所付合いをされていない方の所でアレコレ調査するのも、何かと大変なので、出来ればシャックにあるTVで調査をしたいのだが...」というような、ご配慮の電話であった。IC-7000(移動専用のリグ)の画面が小さくて、これを大きく表示するためのアナログTVはあるのだが、...。コレでは用を成さないし、実はTV用のANTすら無いのである。でも折角のご配慮である、何とかしなくちゃぁ。...っつう訳で、掃除は後回しにして、先ずは地デジ用のダイポールANTを製作して、自宅から運び込んだ小型の地デジ専用(BS無し)TVで受像状況を確認した。ところが、低いCHはOKなんだが、高いCHでは映らない。まぁ、そうだよねぇ、いくら太いアルミのパイプとはいえ、ダイポールって周波数特性があるからネェ。ここで、ファンANTに急遽変更。太目の被膜銅線を半田付けしてファンっぽくします。こんなんで効果があるのかヨォー、って言われそうですが、低い地上高でも実に教科書通りに広帯域になってくれた。
dipole ANT FAN(もどき) ANT
2012-05-09
 昨日製作したファンANTを今日は地上高6〜7mに上げます。臨時に上げるものなので、耐久性は考えずにタモ用の4mほどスルスル伸びる竿にビニールテープで巻いて留めます。このタモ竿を物干し竿にくくりつけて高くしました。何故に高くするかというと、それだけスパイダービームANTに近付くためで、「より厳しい状況でもTVIは無い」というのをアピールしたいからです。
 この後、昨日の続きで掃除機を掛けて今日は終了。
スパイダーより高く見えるが、実際には10mほど低い
2012-05-10
 いよいよ検査当日である。緊張のあまり( 
そんなこたぁネェーわなぁ Hi)、6時には目覚めてしまうHYD。朝飯も早々に、スグに1Km先のシャックに。一応、カウンター用の基準発振器(Rb原子発振器)の火をいれ暖気運転、他の機器もONとします。念のため1KWピッタリ出ることをモウ一度確認し、シャック内にあるTVへの障害も無いことも確認します。これが終わったのが8時半頃です。検査官はJR飛騨古川駅11:13着の電車(ウソ、高山本線はディーゼル車です)で到着されるので、駅からシャック迄10分位徒歩でかかるとして、11:30頃から開始の筈である。あと3時間もどうやって時間をツブそうかしらん。ブツブツ言っている内に、朝7時の予報と異なり雨が降り出してきた。コレはまずい。傘を準備しておこう。などなど、している内に11:20頃、田んぼの中の農道にタクシーが停まった。こんな寂びれた所にタクシーが停まるのは、検査官に違いない、ひどい雨だからネ。ドアが開いて出て来られたのは間違いなく検査官のお二人。
 で、狭くて汚いシャックに入って頂き、自己紹介・名刺交換をした後、厳粛に「これから呼び出し符号JA2HYDの14MHz-1KWの電波検査を実施します」の宣言でスタートです。先ず免許証の提示を求められ、差し出します。電波法令抄録集は準備していたが、この提示は求められなかった。

 
2009年7月1日施行の改正により、全ての無線局において
 「電波法令集又は抄録の備え付けの義務」が無くなった
 そうです。う〜ん、知らなかったワ
 2012-05-29追記

次いでリグの構成の説明を求められ、HF/50/144のIC-7400とリニアの説明をし、移動局のIC-7000やTM433などなど、と各種アンテナの説明を行った。この後、ダミーロードでのパワー測定である。検査官が持参された機器はバード社のmodel-4410である。モードはお好きなようにと言われたので、CWで出します。するとメータの針はピッタンコ1KWを示している。検査官はちょっと驚かれている。ピッタリ1KWというのは珍しいらしい。普通の局は5〜10%
少なめの表示だそうである。なるほど、1KWをオーバーするよりも、少ない方が問題は少ない筈である。だから普通の局は少なめなんだぁ。こちとらぁ、我がバード製model-43に絶大な信頼を置いていたので、全く気にしていない(★うそ、そういう微妙なコトには気が回らなかった 苦Hi
 次いで、実通試験でTVIの調査である。以前の日記の中で書き漏らしていたが、東海総通からは「実通試験を実施するが、@コンディションが悪い A特殊な周波数では相手が居ない 等で実際のQSOが出来ないとマズイ。そういうコトがないように、ローカルのOMに頼んでおくように」と言われていた。そこでお隣の高山市のOM(オナーロールのDXer)に頼んでおいた。案の定、Condxは悪く、国内もDX局も、何ん〜にも聞こえて来ない。すかさずOMにケータイからQRVして下さるようにお願いし、14.222MHzのSSBでQSOを行った。当たりの然に、緊張しまくりのQSOであったが、この間、TVIの調査も並行して行われたようである。我がIC-7400のALC特性はCW/RTTYとSSBとで異なり、SSBでは出力が700W前後である。このためSSB QSO終了後、CWで「VVV de JA2HYD」の繰り返しで1KWを送出し、全チャネルでTVIの無いことを再度確認した。
 周波数カウンタを準備していたが、周波数の確認は無かった。電車移動でカウンタまで運ぶのは大変だからネェ。想定外だったのはANT環境の実地確認である。雨の中、傘を差しながら1.8/3.5/10MHzのロングワイヤー、14/21/28MHzのスパイダー、18/24MHzのダイポール、50MHzのHB9CV、144MHzのGPと説明した。雷害対策の有無がこの実地確認の目的と勝手に判断し、自動ANT選択ユニットを見て貰った。勿論、「使用していないANT端子はグランドに落ちるようしている、また電源offで全部の端子はGNDする」とアピールした。このためか、特にコメントは無かった。
 シャックの中に戻ると、再び厳粛に「呼び出し符号JA2HYDの1KW変更検査は終了しました、指示事項なしで合格です」と言われ、結果通知書と新しい1KWの免許状を手渡された。この時、「無線検査簿に記入しなくてよろしいのでしょうか?」と恐る恐る尋ねると、「現在は無線検査簿は不要です、規制緩和でズイブン前に廃止になりました」とのコトであった。
お恥ずかしい、検査簿をシッカリ準備していたのだ Hi
 この後、テレホンIやインターホーンIの話などの注意事項や雑談をしばしして、検査官お2人は徒歩でお帰りになった。13:03発の電車で名古屋に帰られるとのコト。慌ただしいトンボ返りである。お疲れ様でした。

 さぁてとぉ、ようやく念願の正式1KWが開局した。どちらかというと、「1KWで運用するために頑張ってきた」というより「1KW局の免許が欲しくて頑張ってきた」である。でも、折角の免許状である、1KW局として恥ずかしくないように、また有効に活用していきたい。