■   Spider Beamアンテナ  ■
  今度のオモチャはコレです。酔いどれて前後の見境も無い状態で、ドイツに思わず(というか無意識で)『ポチッ』と注文してしまったモノである。
やたらに張り紙が多い
  Spiderbeam 20-15-10m 3-band antenna kit

である。2010年11月15日に注文して翌週には届いた。コイツ、ペディションで活躍している八木ANTの変形トライバンダーである。moxonアンテナやHexBeamアンテナのような形であるが、
14/21MHzが3エレで28MHzが4エレの八木ANTで、ほぼフルサイズである。18MHzと24MHzもOKの5バンドのモノも発売されているが、
  ・少しでも軽く、風圧も少ないANTが欲しい
  ・Warcバンドには興味ない
  ・僅かだが高くなる
という理由で3バンドのキットにした。なお、・18/24MHzは2エレの構造である。
 特徴は、とにかく軽く、架設もイトも簡単ということである。移動運用にもってこいの代物で、ペディションに最適と思われます。でも、HYDは、さほど移動に興味は無い。では、なぜにポチッとしたかというと、
Heavy Dutyというタイプが新販売されたからである。どうやら移動用というより固定用であるらしい。値段は368.91EURと安い。

 実際にコレで遊ぶのは、もうちょっと先ネェ。とりあえず、眠らせてしまわないために、公表しておきます。なかなかRPTされないようでしたら、背中を押して下さいナ。
           2010-Dec-18   JA2HYD/1
2011-11-15(月)
 SpiderBeamANT社にHeavy Duty typeをnetで注文。スグにリプライがあり、在庫があるので送付した旨のメールが来た。

2010-11-24(金)
 国際便でANTが到着。送り状など色んな紙が恐ろしい程ペタペタ貼ってある。

2010-12-?
 FEDEXより関税費用(関税+手数料の1700円)の支払い請求書が来たのでコンビニから振込み。

2011-6
 横浜から故郷の飛騨古川にQSY。ようやくポータブルと言わなくてOKとなった。

2011-12-8(木)
 初めて段ボール箱を開け、中身を確認した。1年も寝かせていたことになる、
ヲイヲイ。まぁズイブンと長い間、ウッチャっていたものである。とりあえず、英文の組立マニュアルをザァーっと見た(not Reading)。しかし、図や写真が多いものの、肝心な部分の組立がイマイチ理解出来ない。というか英語が理解できない。見ただけではダメで、よく読まなければネェー。

2011-12-9(金)
 改めて、SpiderBeamANT社のホームページを見に行きます。昨年、「ポチッ」とする際には仕様部分の日本語のモノは存在したが、肝心な組立マニュアルの日本語版は無かった。そろそろ日本語版が出来たのではないかと思ったのである。すると予想通り在るではないか。スグに日本語のマニュアルを欲しい旨、Webから依頼すると、「貴方には、すでに日本語の資料をメールで送っている、spamメール扱いになっているのではないか...」のメールが1分後に届いた。『あぃやぁ〜、何んてこったぁ!』と悲嘆にくれていると、また1分程してから、3つの日本語マニュアルがメールで届いた。どうやら、購入ユーザーなので、気を利かして送ってくれたようである。送られて来た2つは既に入手していたモノである。でも残りの1つが欲しかった日本語組立マニュアルである。小躍りしたい気分になったのは言うまでもない。早速、中身を読む(今度は正しくreading)と、これまでの疑問点がドンドン氷解していく。う〜ん、日本語に翻訳されたJA1KJW-OMに
大感謝! VY TNKS!

2011-12-12(月)
 中心部のセンター・ジョイント(クロス)部分の組立てを行った。アルミパイプの中に、スペーサー(細い20mm長のアルミ・パイプ)を入れて、ボルトで固定していく。しかし、パイプ内の丸い部分であるためスペーサーが動いたり倒れてしまうので何とも組み立て難い。マニュアルでは「厚紙を切ってスペーサーを挟むような工夫をして取り付けなはれ」となっているが、HYDは細長くて薄いアルミ板に、セロテープでスペーサーを半固定させ、スペーサーが動かないようにしてボルトを取付け固定した。それにしても、このクロス部分、20cm四方のアルミ板で出来ているんだが、厚さが2mmとペラペラな薄さである。
こんなんで大丈夫かしらん。もっとも、ペディション用の軽いタイプは、これが1mm厚というから、サラに驚きである。まぁ、「大丈夫!」ってことにしておこう。
2011-12-13(火)
 クロス部分を組立てている内に、考え込んでしまったコトがある。42mm径の鋼管パイプにANTを取り付ける予定でいた。
『鉄パイプをローテーターやマスト・ベアリングに予め取り付けておき、後からANTをU字ボルトで取り付けよう』と考えていた。ところがドッコイショ、このANTはスプレッダやブームとなるグラスファイバーの竿を、ケプラー製のラインで上と下から吊り上げ/下げる構造になっている。またエレメントとなるワイヤーもこのスプレッダやブームに取り付けるので、蜘蛛の巣のように線が交差する形である。つまり、普通の八木ANTのように、ポール(鋼管柱)に取り付けるのが難しいのである。となると、『鋼管柱にANTを取り付け、これをマスト・ベアリングとローテーターに差し込む』ようにしなければならない、と考えた。ANT本体は数Kgと超軽くても、鋼管柱が数Kgと重く、しかもモーメントを考えると、この作業はメチャ大変である。ちなみに、ペディション等では、短くしたポールにANTを取り付け、ポールを上へ押し出すようにして伸ばして、適当な高さにするようである。この方法ならば、蜘蛛の巣アンテナは上げやすい。<しかし、下部にローテーターを取り付け難いので、手モテーターとなるだろうナァ>

2011-12-14(水)
 鉄パイプは重いが、安くて丈夫という大きな利点がある。しかし、高所での作業を考えると、この
重いは致命傷である。しょうがないので鉄パイプではなくアルミ・パイプとすることにした。折りしもアルミ高騰であるが、背に腹は変えられない。45mm径-3mm厚-4m長をnetで注文した。

2011-12-16(木)
 頼んでいたアルミパイプが到着した。定尺が4mのものを注文したが、どうせ切断するので、先方で2.8mと1.2mとにカットして貰った。この判断は大正解で、アマチュアが切断するのとは異なり、垂直で切り口もアザやかである(カットは無料サービス)。この2.8m側のパイプを用いる予定である。蜘蛛の糸でエレメントやブームを吊り上げ/下げる ので、クロス部分より上下ともに40cm程度のスペースが必要であり、ローテーターとパンザ頂点部との間隔1.7mを加味して、2.8m長とした。


 ココいらで大雪が降ってしまい、根雪になってしまった。アンテナの組立てやら、パンザへの取り付けは断念せざるを得ない。KWの変更検査時期までに上げれば良いので、暖かくなる迄、またウッチャットこう。


2012-01-26
 1KWの変更許可がスンナリというか、超の付くスピードで審査され、OKとなった。そして早々と今日、陸上課からの変更許可状も無事に届いた。こうなると、雪が消えた春になってから蜘蛛の巣アンテナ(Spider Beam Antenna)を建てようという悠長なコトは言っておられなくなる。とは言っても、今週は秋葉で開催される1エリアSSTVerのミーティング(新年会)に出席したり、五反田の病院へ行かなければならない。来週から本格的に製作に励もう。とりあえず、今日は蜘蛛ANTのバランを組立てた。このバラン、フェライト・コア1個なので、熱的に少々心配ではある。しかしアメチャン製とは異なり、質実剛健のゲルマン民族製である、大丈夫ということにしよう。
2箇所のフィード端子が
あるのがミソ


2KWバラン完成!
2012-2-12
 毎日毎日、雪が降り続くがコマ目に雪かきをしている。このため、除雪車で除雪される幹線道路からシャックがある小屋までの農道は、毎年雪に覆われるのだが、今年はアスファルトの黒い色が見えるようになってきた。次の日には雪が降ってマタもとの木阿弥となるのだが。でも、根気にコレを続けるツモリである。この農道の長さは50mほどであるが、雪かきのお陰で昼になると路面も乾いてきた。コレを機に100円ショップで購入した10mの巻尺と、40年以上も昔のヨレヨレの50mの巻尺のどちらをエレメント切断する際のメジャーとするべきか比較してみた。片や100円ではあるが新品で目盛もシッカリしていて測りやすい。もう片方は50mまで測れるが、ヨレヨレのものである。実は20m用のエレメントが10mチョットで切らなければならないが、百均の10mの巻尺では2回に分けて測るコトになるので、精度に問題が生じるのではないかと危惧したのである。
 結果は、百均のは
×である。力を入れて引っ張ると、2,3cmも伸びるのである。なぁ〜んてコッタァー。コレに比べヨレヨレとはいえ、50mの巻尺は引っ張っても伸びない。古くて目盛が読み難いが、エレメントなどの指定の長さに切断するのは、このメジャーを用いるコトにしよう。

2012-2-16
 今日は晴れて気温も上がったので、ガイドロープ(グラスファイバーを上と下から吊り上げ、下げてブームを安定化させるワイヤー)とするべくケプラー素材のワイヤーを所定の長さに切断した。この後、インシュレータに取り付けた。ケプラー線の黒い被覆が邪魔して、インシュレータの短い穴へ通すのが難しい。このため細めの針金でジグを作り、小さな穴にケプラーワイヤーを通すが、それでも時間はかかる。夕方になり急に気温が下がってきたので2,3本を穴に通しただけで時間切れ。

2012-2-19
 今日もケプラーワイヤーをインシュレータに通す作業を実施した。昨日は屋外での作業であった。しかしケプラー素材のワイヤーはスデに所定の長さに切断しているので、今日は暖かいシャック内で行った。手がカジカむこともないので、昨日よりスムーズに作業は進捗して、全部の穴通しが終了、
ヤレヤレ
アイソレータとして使用
テンショナーとして使用
インシュレータの構造
2012-2-20
 今日も朝の内まで雪が舞っていたが、昼から止んで晴れてきた。このため、雪かきをした後、屋外で高伸張性の皮膜銅線を所定の長さに切断しディレクターとリフレクターを製作した。説明書では「1cmのミスも許されぬ」と書かれており、慎重に測定して切った。この後、インシュレータの小穴に通す作業が待ち構えていたが、この穴通しはケプラーと比べると至極簡単。スグに作業は終了した。

2012-2-21
 インシュレータは、絶縁のアイソレータとして使用したり、テンショナーとして使用したりする。この2つの使用方法により、ワイヤーを留めるための結び目の位置が異なる。通常のアイソレータとして用いる時は、小さな穴から通して長径の穴からワイヤーを出して結び目を作る。逆にテンショナーとして使用する場合は、長径の穴から入れて小穴から出して結び目を作る。この方法はシッカリと説明書に書かれているのだが、これをテレコにしているミスが数多くあった。う〜ん、注意不足、
ガックリ。 
 この後、ラジエータ側のエレメントを作製した。このエレメントの片端には、バランに留める金具を半田付けする必要がある。当然、コードの皮ムキ(皮膜剥ぎ)をしなくてはならない。同軸ケーブルなど、硬くて厚い皮膜の皮ムキの方法にはイロイロあると思うのだが、私は次のようにしている。@導線にキズが付かないようにカッターでキザミを入れる Aキザミを入れた反対側を内側に曲げる Bキザミが入った所が割れてキザミが広がる C違う箇所を曲げるとキザミ部分が広がる D全部にキザミが入れば、皮膜を抜き取る である。この方法は導線に傷が付きにくいのでお勧めです。
刻みを入れて... ...折り曲げるだけ
15m用のラジエータ端子だけは、折曲がっている
20mと10m用はストレート端子
どのバンドも熱収縮チューブで保護している
このチューブはスゴク肉厚である
ラジエータの片端は
結び目の後を折り返して
タイラップで締め付ける
この折り返しを調整して
共振周波数を変える
2012-2-22
  午前中は雪が降ったり止んだりであったが、昼からは晴れて暖かくなった。ローカルのOMさんに来て頂き、アンテナの組み立てを手伝って貰った。このアンテナは、工夫すれば一人でも出来るかもしれないが、二人は最低限必要と思われる。グラスファイバーを継ぎ足して十字の形にブームを作るが、重さで先端は大きく垂れ下がっている。この垂れ下がりをガイドロープで上方に吊り上げ、水平+αの角度になるようにする。この作業のため、一人がブームを持ち上げ、もう一人がガイドロープをクロス面から上方にズラさなければならないからである。この作業以外は、一人でもヨサゲである。ブームを水平面より少し上側に吊るすようにガイドロープのテンショナーを調整せよと説明書では書かれているが、当初この方法が理解できなかった。テンショナーを用いて、簡単に伸ばしたり縮めたり出来ると考えていたのである。そもそもテンショナーという表現がされているので、張力を簡単に調整が出来るものと考えていた。でも・しかし、説明書に書かれている『テンショナーの使い方』の図のような方法では、簡単に伸ばしたり縮めたりすることは出来ない。アアでもない、コウでもないとイロイロと悩んだが、応援に来てくれたOMの一言「結び目の位置を変えて調整するのでは?」の一言でアッケなく解決。そう、単純に結び目の位置を変えて調整するのである。すごく原始的ではある。
 でも結び目は緩まないようにキツく絞めていたので、この位置の変更はちょっと大変だった。それでも、OMのアドバイスで無事ガイドロープを張って、ブームは十字の形になってサマになった。夕方の16時を過ぎると、急に寒くなるのは、飛騨地方の毎度のコトで、ココいらで早々に終了。OM、VY TNKS!
ブームは3m長、あと2m追加する
ガイドロープで吊り上げていない
ので、垂れ下がっている
ガイドロープで吊り上げる
移動用は先端のみの4本
固定用は2箇所×4本
2012-2-24
  今日はエレメントの取付けを行った。内側から徐々に外側のエレメントを取り付けるように説明書には書かれているが、28MHzのエレメントだけ取り付けてみた。急いでローカルのOMから長期借用しているMFJ−259アンテナアナライザーでVSWRを測定します。地上高が1.4mと低いこともあり(?)、最低のポイントが2.4であった。う〜ん、もう少し良くてもヨサゲなんだが....。

2012-2-29 閏年
 昼までは、先日から進めているCI-Xを利用した自動アンテナ・セレクタの基本部のハード/ソフトを製作/作成した。こちらの方は、何とモノにかなりそう。暖かくなったし、午後からは14と21MHzのエレメントを取り付けた。寒くなってきた夕方に終わったが、寒さをガマンして早速VSWRを測定してみた。すると、先日測定した28MHzバンドも最低で1.5以下になっているではないか。14MHzも1.7以下でFBである。しかし、21MHzがオカシイ。最低となる周波数がバンドから大きく離れた21.6MHzで、最低VSWRも2.6である。ホンの数秒間だけ、最低周波数が20.8MHzでVSWRが1.3となる現象もあり、頭の中は
??で一杯に。どこかの接触不良かしらん。まぁ、心配していた28MHzが良くなったからとしよう。
20mリフレクタとガイドロープ 10mラジエータ
ラジエータ端をバランのフィード端子
に装着(実はこの接続は間違い)
ラジエータの片端
2012-3-1
  21MHzだけオカシイのは、おかしい。ココで説明書を穴の開くほど読んでみる。バランから出ている端子は上部と横の2箇所がある。3バンドの内、エレメントに取り付ける端子で直角に曲がっているのを使用するのは21MHzだけで、14と28MHzは水平の端子を用いる。このため、誤った先入観で、バラン上部の端子に21MHzを取り付け、14と28MHzはバラン横の端子に取り付けていた。でも、どうやら上部が28MHzで、横が14と21MHzのようである。21MHzはベントせずにブーム方向に展張しており、直角になった端子を利用する理由もよく理解できる。う〜ん、こういう単純なミスに気が付かないとは...、
ガックリ。急いで、28MHzと21MHzの位置をテレコにします。すると、28MHzはさらにVSWRが低下し、28〜29MHzの広い範囲で2.0以下となった。
 ところが、肝心の21MHzはというと、相変わらず21.6MHzの周波数で、最低VSWRが2.6である。
ガックリ^2
但し、ヒョンな調子で急に20.8MHzと低い周波数ではあるが、1.3と低い時がある。しかし、スグにもとに戻ってしまう。コレはどういうコトだろう。アレコレ考え、21MHzの片エレメントが半断線しているためではないかと結論付けた。21MHzのエレメントをバラン上部の端子に接続してしまい、無理な形状でエレメントを引っ張ったため、端子のどこかで切れたのではないかと想像した。
 で、導通チェッカーで測ってみると、確かに
片側のエレメントだけ導通がない! 急いでエレメントを外し、端子部分を見てみるとどこも断線していないアッレー、おかしい。しかし、断線してはいないが、よくよく見ると、どうやらワイヤーと端子の接続がイモ半田のようである。「エェーッ、お前ぇ何年半田付けしているの?」と言わないでネ、本人が自身に問い掛けたくらいなのだから 苦Hi 端子部を再度半田付けし直します。サァー、今度はどうよ!。VSWRを測定すると、21MHzもVSWRがグゥーッと低くなった。でも、説明書にあるように、タイラップで折り返し点の調整をしても殆ど共振周波数は変化しない。しょうがないので、ニッパーで銅線を切り詰めていき、最終的に9cm切断したところで、21.1MHzで1.0にまで下がった、ヤッタネェー。しかし、これだけ低いと逆に怖くなるから不思議。地上高1.4mからパンザの15m高に上げると、VSWRも上がるのではないかと...Hi Hi
 一応、組み立てと調整が終わった。これからはパンザの上に、このANTを上げるコトになる。蜘蛛の巣アンテナの形状では、パンザの根本でアンテナを組み立て、これを上へ上げるしか方法がないと考えている。エレメントやガイドロープなどが邪魔して、八木ANTを上げるように簡単にはいかないのである。大きなクレーンを用いて、このままアンテナを吊り上げてパンザの上部に下ろすという方法もあるが、ちょっとソコまでオオゴトにはしたくない(ウソ、そこまでお金を掛けたくないというのが本音、だって、アンテナ価格よりクレーン代の方が高くなる、15m高のパンザなのだが、ANT形状から高さが30m位のクレーンが必要?)。という訳で、ひとまずアンテナをバラしてしまった。このバラす作業にも、ユックリ行ったせいもあるが、半日も要した。
2012年3月3日
 昨日は珍しく雨だったが、今日は晴れ。これまで仮設地点でANTを組み立て動作を確認してきていた。今日からはパンザの根元で組み立て、最終的にはANTを垂直に上げるツモリである。というのも、このANT、10m長×10m長のブームに各バンドのRad、Ref、Dirエレメントやらステー、ブーム間を互いに引っ張り合うテグスが何本も張り巡らされて結構複雑なのである。アルミパイプの八木ANTと異なり単純にANTを上げるコトが出来ないのである。QUAD−ANTと同じように上げるには工夫が必要なのである。
 先ずはパンザの根元でANTを組み立てられるように、マストを立てるためのルーフタワーを設置した。ルーフタワーは5m高なのだが、高過ぎてワイヤー類の伸張等が出来ないので、上部だけ使用して、約2m高とした。このルーフタワーのステーは簡易・安価にするため、百均で買った少し太めのロープです。田んぼの中なので、アンカーを打ち込むわけにもいかず、コンクリート・ブロックを雪のブロックで覆った。雪というのは意外に重く、かつ強固であるのでステーの固定には十分である。
 パンザの真下で組み立てられればFBなんだが、シャックのある農機具を格納する小屋の建物が邪魔をする。このため、パンザから3m近くズラして組み立てるツモリである。21MHzの反射器は外し、28MHzの反射器と14MHzの放射器は固定せずに取り付けた。地上高が2m位なので、組み立ては楽な筈である。21MHz-Refを除き、ブームに全てのエレメントを取り付けたら、今度はANTを小屋の屋根の上まで上げ、マスト・パイプをパンザの根元近くに移動します。ここで屋根の上(地上高3.5m)にて21MHz-Refを取り付け、この後パンザの頂上部まで上げるツモリです。最上部に上げたら、14MHzーRadと28MHz-Refを伸張して出来上がり。...という目論見なんだが、果たしてウマく行くか/否か....。

2012年3月4日
 今日はVY寒いので、ブームの一部を取り付けただけでジ・エンド。母がインフルエンザA型に罹患していることが判明、即入院。う〜ん、母の体調は問題ない筈だが、家族にインフルエンザがうつるのが心配。

2012年3月6日
 昨日も雨だった。アンカーボルト代わりの雪のブロックがかなり消えたようである。で、今日はガイドロープ、テンション用テグス、エレメント(14MHzーRad、21MHz-Ref、28MHz-Refを除く)を取り付けた。一度組み立ててはいるが、丸一日を要した。前に組み立てた時と、テンションの張り具合が微妙に異なり、ほぼやり直すコトになったからである。また前回はステー/テンション用のケプラーやテグスをピィーンと張るのに、ブームの先をローカルのOMさんに水平より少し上に持ち上げて頂きながら作業をしたが、今日は一人で行ったため時間を要した。一人で作業するため、2本の農業用の緑パイプで先端を持ち上げている。
ガイドロープ伸張前 少し端を持ち上げる
ガイドロープ伸張後 ブーム端は小屋に接触
2012年3月7日
 ANTをポールごとパンザ根元に移すことが出来るように、パンザ根元に固定用のポールの足場を作成した。こういう材料は、実った稲を干すためのハサ掛け用のタテ木を使用した。
 また、ANTをポールごと吊り上げるため、パンザ最上部に支柱を立て、滑車を取り付けなければならない。このため4.4m長の物干し竿をパンザに上げた。勿論、先端には引っ張り上げるための滑車を取り付けている。これらの作業で、パンザ頂上部まで上下3往復もしたのでヘトヘトになってしまった。パンザに設置していた7MHz用のダブル・バズーカANTは、邪魔になるので降ろした。しばらくは7MHzへはQRV出来ない。

2012年3月8日
 ANTを上げる際、最後のヒト踏ん張りをするため、作業する際の重要な足場となる金具をコレまでより40cmほど上側に移動させた。たったコレだけの作業だが、パンザの上での作業は大変である。
 午後になってから、ローカルのOMに来て頂き、仮設のルーフタワーからパンザの根元まで移動する作業に入った。しかし、物干し竿が途中で折れ曲がってしまい、
×
 急遽、軽い物干し竿(勿論、強度も低い)から、4m長のハサ用の鉄製パイプに変更し作業を続行。しかし、滑車のロープを強く引っ張ってもANTは上がらない。う〜ん、このANTって、仕様では11Kgなんだが、実はもっと重いのかしらん。アルミのパイプ2.8mが付いているが、これもタカが知れている。何で、こんなに重いのか?? 「
」マークが頭の中でクルクル回っている時に、ローカルのOMさんの一言「どこかで固定されているような重さだネェ」。そうだぁ、仮設中に倒れないようにブームの一部を固定していたんだっけ。という訳で、これを外して作業続行。今度は無事に根元までの移動が成功。でも疲れ果てて、今日はここでジ・エンド。
仮設支柱(アップ)
仮設支柱とブーム
折れ曲がった物干し竿 無事にパンザ根元に移動
2012年3月9日
 今日も天気が悪い。のみならず、体調も少し悪い。夕方になって、今までに経験したことが無い激しい悪寒が走った。熱も38度近くある。何てぇこったぁ、俺もインフルエンザに罹ったのか?

2012年3月10日
 病院に行くと
、ピン・ポ〜ン♪である。インフルエンザのA型だそうな。タミフルの処方箋を貰って帰宅。しばらくは良い子でいなくちゃ。

2012年3月19日
 しばらく間が開いた。実はインフルエンザや親戚の葬儀、JASTAミーティングで横浜往復などなど、ANTどころではなかった。少し雪模様だが、久し振りにANTの製作をした。15m用のRefを屋根の上で取り付ける予定であったが、予定はあくまでも予定。スンナリとはいかなかった。パンザそのものが邪魔して、ANTを回転出来ないのである。回転出来ないので、屋根の上で15m用Refを取り付けるコトが出来ない。かといって、屋根の高さの3m高の脚立なんてものは無い。せいぜい2mの脚立である。このためにパケット車を手配するのもバカバカしいので、無い脳みそを絞りに絞った。で、出した答えは、アルミ・ハシゴに支柱を立てて脚立代わりにしてやろう、である。梯子は狭い足場なので不安定である。このため、タテ木で横から支えてやろう。スグに取り掛かるが、ナカナカうまくいかない。下が柔らかい田んぼなので、さほど恐怖感はないが、一番上側に登るとヤハリ怖い。怖いながらも、ANT製作の執念の方が強くて、何とか15mRefの取り付け終了。

2012年3月27日
 また間が開いた。今年の冬は異常な気がする。2月は割りと雨の日が多かった(勿論、雪の日が圧倒的に多い)のだが、3月下旬になってからも雪の日が多い。この間を利用して、CI-Xを利用した自動ANT選択回路を製作していた。ツイデにSG−239(ATU)を活用すべく、ANT自動選択回路と連携して動作するようにしていた。で、今日は上げる際に重要な鍵となる、パンザ頂上部の支柱を高くすることにした。現在は4m長の鉄パイプをパンザ最上部に取り付けているが、頂部からは2.4mしか突き出ていない。ANTには2.8mのアルミ・パイプを付けているので、支柱+滑車で引っ張っても、パイプの根元はローテーターのベアリングの下までしか上がらない。ということは、最後はパイプごとANTを持ち上げて、ローテーターのベアリング穴にパイプを差し込まなければならない。地面の上ならともかく、15m高の足場の悪いパンザ上では、この作業は大変である。というか超危険で不可能に近い。という訳で、面倒ではあるが4mの鉄パイプを下ろし、コレに1m程パイプをつなぎ合わせて5m長のパイプとした。これをまたパンザの上に上げて固定した。う〜ん、パンザの往復はシンドイ。

2012年4月1日
 これまでローカルのOMさん一人の応援だけで、ANTを上げようとしたが無理をしないことにした。サホド重いANTではない(というか軽量と言った方が適切かも)が、その大きさからバランスを崩すと大変なコトになるのである。で、もう一人、応援を頂こうとしたが、皆さん勤め人。日曜しか空いていない。で、小雪が舞い散る中、ANTを上げるべく、お二人に来て頂いた。HYDの住む飛騨地方はこの時期、朝の内は風がなくても昼からは強い風が吹く気象状況である。今日も昼から強い風が吹くだろうと言うことで、寒い朝から来て頂いた。
 しかし、正直なところ上げ始めてスグに無理だと判断したら、クレーンによる吊り上げに変更するツモリであった。しかも、クレーンになりそうな予感の方が強かった。この結論もスグに出るだろうと小雪の舞う中で始めた訳である。ところが、やり始めるとアッサリと上がり始めた。10m長のブームであるが、軽いせいか、バランスを全く崩さすに上がり始めたのである。応援の二人のOMにロープを引っ張ってもらい、HYDが安全帯をしながらパンザを登るのだが、安全帯の内側にアルミパイプを入れて、パンザの足場を一つ一つクリアしながら確実に一段一段上がっていった。う〜ん、ウレシイ誤算である。これは上がるかもしれない、イヤ絶対に上がる。しかし小雪→本格的な雪になり、頭から脚まで白くなっていきます。真冬の雪と異なりスグに融け出すから、ズボンの中はグッショリ濡れていきます。それでも時間を計測していないが30分ほど掛けてトウトウ頂上部に到着。最後の難関と考えていたベアリングの穴にマスト・パイプを通すのもアッケなく完了。
ヤッタネェ!!
 ここで、緩めて取り付けてあった14MHz-Radと28MHz-Refを伸張しなければならないのだが、もう限界。上げるために仮設した支柱を下へ降ろすだけで今日の作業は終了です。慎重にパンザを降りて地面に立った時には、思わずガッツポーズが出てしまった。
 夕方、お二人に居酒屋に来て飲んで食べて頂き、ササヤカなお礼をさせて貰った。その時にもお話したのだが、今日の感激の大きさである。思えば、アマ無線でコレまで忘れようが無い感激したことが幾度もあった。最初に電話級の合格通知葉書を貰った時、最初の交信の時、白黒SSTVで受信画像がキレイに映った時、そして今日のベアリングの穴に入れた時である。大事な思い出にしておこう。とにかく
4月バカにならなくて良かった
2012年4月2日
 午前中に3往復してローテーターのケーブルを上げて取り付け、この後方向調整をした。方向調整の後、シッカリとパイプをローテーターに固定しベアリングも締め付けた。このパイプの固定が心配で、頂上部での14MHz-Radと28MHz-Refの伸張作業をしていなかったのである。14MHz-Radはともかく、28MHz-Refはこのパイプに命を預けて泳ぐような姿勢での作業になるのである。無事に伸張作業も終わり、8D-2Vの2本のケーブル(50MHz用、蜘蛛の巣用の2本)を上げ、蜘蛛の巣側だけに同軸を取り付けた。50MHz用はもう少しCondxが上がったら取り付けるツモリである。一刻も早く、蜘蛛の巣ANTのVSWRを測定したかったというのが本音ではある。意外に時間を要したのは、同軸ケーブルをパンザに固定する作業であった。足場にタイラップで固定していくのであるが、段違いの足場で安全帯に身を任せての作業は結構キツイのである。どうしても妙な姿勢となってしまい、作業性も悪いのでメチャ疲れるのである。下まで固定し終わったトコロで、辺りは薄暮であった。
 夕飯後、シャックに入りVSWRを測定した。1.4m高での仮設状態よりハルかにFBになっているかと思いきや、少し良くなっているという状況である。でも、ちゃんと動作しているらしい、ということが分かってホッと安堵。
お手伝い頂いたOMs、雪の中VY TKS !
2012年4月4日
 昨日は台風並みに発達した低気圧の影響で、トンでもない強風で荒れ狂った夜であった。心配で、夜中に懐中電灯で照らして見たほどであったが、大丈夫だった。それでも心配で自宅から1Km離れたシャックに出掛けた。そこで見たものは、低気圧通過で重い雪に変わり、湿った雪+横殴りの強風で、ワイヤーに雪が団子状に食っ付き、重さで
枝垂桜になったANTの姿が。顔が引きつったのは言うまでもない。当然に涙目に。そういやぁ、昔々同じような雪と風で神奈川県内の送電用の鉄塔が倒れたのを思い出してしまった。春先の雪は怖い!
 各ブームはケプラー素材のワイヤーで上から吊り上げているが、枝垂桜の様子をみてこのワイヤーが切れたと確信した。これが切れたということは、ANTを降ろして修復し、再度上げなければならない。しかし、この手の雪は日常茶飯事の土地柄である。蜘蛛の巣ANTは当地には向かない、とも確信した。
 で、落成検査のこともあるので、早々に帰宅し既製品のANTを購入することにしてミニマルチの安くて軽くて、そこそこ耐電力のANTをチョイスした。注文書を出すべく様式に従い記入していくと、マスト径を記入せよ、とある。う〜ん、アルミ・パイプの径を思い出せない。メモも残してある筈なんだが、見当たらない。正確性に欠けると、後アト問題になるような気がして、切断した残りの現物のパイプの径を測りにシャックに行きます。ここで見たのは、
何事も無かったようなANTである。
 「
???」となったのは言うまでもない。ステーで吊り上げているのに垂れ下がっているということは、「切れた」としか考えられない。しかし、モトに戻っている(正確にはブームの先端が少し垂れ下がった)。う〜ん、この原因なり理由を追求するより、ANTが正常に動作するか確認せねば。シャックに入りVSWRを測定する限り、各バンドとも問題ない。ということはエレメントも切れていない、ってことネ、うれしや。それにしても、ミニマルチ社に注文書を出さずに良かったワイ。
 昼過ぎてから、ローカルのOMの協力を得て、ステップATTとアナログSメータで指向特性のデータを取った。しかしアナログのSメータは昔々のFR-100Bであったため、21MHzのLo−OSCがNGで21MHzのデータだけ取れなかった。指向特性に適当なグラフ用紙も手元に無いので、特性データは後日アップします。エレメントが折れ曲がっているだけに、仕様通り、FS比は悪いです。
枝垂桜 枝垂桜
4時間後、不思議に復元
2012年5月10日
 今日は1KW変更の電波検査の日である。朝からソワソワしながら検査官が来られるのをお待ちし、11時半頃から検査開始。何事もなくリニア・アンプの検査は終了したが、ANTの実地確認というか、ANTの説明を求められた。雨の中で恐縮だったが、傘を片手にパンザの根元部に移動し、アレコレと説明を行った。こちらも何事もなく終了。この後、検査結果の伝達と免許状の交付があり、長年の夢だった1KW局が誕生した。

2012年5月14日
 電波検査の準備に全精力を使い果たしたためか、2日間ほどは
ポケッーとしていた。が、昨日はFR−100Bの21MHzのみ受信できない故障を修理した。案の定、1st.LOが発振していなかった。調整のみでOKに。で、ローカルのOMに頼んで、未測定だった21MHzの指向特性を測定した。14MHzと28MHzと同様に、21MHzもブロードな特性を予測していたが、結構FB比は大きい。測定方法は前の時と同じく、アナログSメータを利用し、自作ステップATT(こいつ、精度は0.2dB以下と秀逸、但しVHF以上ではフニャフニャ)でメータ指示値が同一になるようにATTを調整し、この値から特性を収得している。で、気なる結果は、....。う〜ん、FB比、FS比ともイマイチであるが、以前使用したことがあるTA−33よりはヨサゲである。何よりKWでも平気の平左なのがウレシイ。
残念ながら、他のANTと比べて、飛びに関する比較が出来ませんので、モノ足りない方が多いとは思います。申し訳ありませんが、「蜘蛛の巣ANT」に関しては、これにて終了です。
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