■   武居城  ■
■期日 H18年5月21日(日) 【長野県】波田町・波多山城・櫛木城・淡路城、
                            朝日村・武居城
■ルート 戸塚自宅〜P22〜厚木C〜R412〜相模湖IC〜中央高速〜甲府昭和IC
       〜R20〜富士見T〜P17他〜白樺湖〜ビーナスライン〜扉峠〜P67・R158他
       〜波田T〜P25・P291他〜塩尻〜R20〜甲府昭和IC〜中央高速〜
        相模湖IC〜R412〜厚木C〜P22〜自宅
■コメント
  今年のGW期間中は好天気が続いたせいか、GW後は天候不順で雨の日が多い。もう入梅か、とさえ思えてくる。それでも、21日の日曜は台風1号一過で快晴になるとの、有難いご託宣が出た〜ぁ。正直うれしい、子供のようである、というかまるっきり子供である。で、当然野駆けの計画を立てるが、行き先は春の恒例ビーナスラインに決定。昨年の10月末以来であるから半年振りである。ビーナスラインを堪能した後は、帰省時に必ず通る波田町の案内板に書いてあった城を攻めよう、といつもながらのアバウトな計画でもある。朝5時丁度に出っ発し、6時丁度に相模湖インターに到着。「ヲイヲイ、たった1時間で着く訳がねぇーだろう」というアナタ、そのご不審はもっともです。私自身も「?」なのです。どういう訳か、信号待ちが殆ど無くて、ジャスト1時間で着いたのでした。黄色い線を越えた回数はそれなりなのですが、信号無視はゼロです。HYDは遵法精神は旺盛(オイオイ)なのです。高速を甲府昭和インターで降り、R20をチンタラ諏訪方面に走り、諏訪南インターの標識で山側へ入ります。この辺りの農道は信号が少なく車量も少ないので、すでにアドレナリンが出始めてます。これがダンダンと増えていき、大門峠を越える辺りで絶対最大量を維持して、ビーナスラインの至高のワインディングロードへ。完璧にライダー・ハイ状態となり、頭の中は真っ白。周りの景色もオボロで、前方のカーブに目線が集中。溜りに溜ったストレスは霧消霧散してしまいます。途中5組ほどのライダー軍とすれ違うが、双方で250Km/H以上の速度差は間違いなく、超怖〜い。アッという間に扉峠に到着です。ここから県道67号線を下り、松本市内に入ります。松本城の堀脇を進み、R158に入って波田町に。この町中には「歴史の遊歩道」の案内板が多く立っているので、フムフムと頭に情報を入れてR158を進みます。すると「田村堂・仁王尊」への標識があるので、左(南)折し、松本電鉄の淵東(えんどう)駅の脇を通って河岸段丘の上へ進むと、田村堂・仁王尊に到着です。田村堂は小さいですが、なかなかのモノです。完成当時は総金箔だったとか、う〜む、さもありなん。で、道路に若澤寺跡への標識があるので、これに従って進むと、途中から未舗装の林道となります。鉄馬ではチョチ厳しいが、あまり荒れていない道なので、無理して2Kmほども進むと、左側に「歴史の遊歩道」の案内板が立ってます。案内板の図中には、目指す波多山城も書かれており、思わず「やったネー」と小躍り。でも、でも、である。簡単に攻城出来ると思ったのだが、どうにも位置関係が「?」である。そもそもこの地図、上が北ではなく、上下反対のようになっている上、デフォルメし過ぎ。現在地の位置もワザと消されているし、どうなっているのかしらん。ここから林道をさらに50m上方へ行くと、若澤寺址への登山口があり、林道はこの20m先で鎖により「通行止」になっている。とにかく案内板の地図との対応が全くとれないのダー。「う〜ん、弱った魚は眼を見りゃ分かる」状態になったが、この案内板を信用せず、GPSと2.5万分の1地図から判断することにした。で、出した結論は、案内板が立っている横の道(林道ほど広くはないが、軽の四駆なら通れそう)を登ることにした。鉄馬を案内板の所に停め、少しぬかるんだ道を登ります。すると途中で「波多山城址入口まで100m」の標識が出てきた。ここで「やったネー」のガッツポーズ。城址への登り口には立派な案内板が立っていて、ほどなく城域に。鉄馬を停めた所から5、6分で主郭に到着です。主郭の四周には、土塁址が残っており、中央部には井戸跡も残存し、虎口・馬出も残ってます。主郭を中心に北城と南城があり、堀切跡が数多く残ってますが、見晴らしは植林のため × です。

■36°11′03.4″−137°50′15.1″、比高は案内板から61mと出ました。
林道からの分岐点、案内図脇の狭い林道を進む 狭い林道からの登り口
波多山城址、主郭の土塁と井戸跡 波多山城址、主郭脇の横堀跡
波多山城址、主郭跡 波多山城址、遠望
  山麓の田村堂に戻り、近くの上波田集落センタへ向います。このセンタから50m西側に、墓が幾つか並んでいる墓地の一角があり、墓に混じってチョット異質の形・大きさの櫛木城址の石碑が建ってます。この辺りが櫛木城の城域ですが、今は遺構はなさそう。隣の果樹園の道路沿いには案内板も立ってます。河岸段丘を利用した城だったんでしょうネ。先程登った波多山はバッチリですが、川側は雑木・雑草等があり眺望はNGです。
櫛木城址、石碑 櫛木城址、案内板
  R158に戻り、波田町役場横の県道25号線を南下します。松本電鉄の踏切りを越え、県道の坂道を登ると、「田村堂・仁王尊」への標識が現われるので右(西)折して、「歴史の遊歩道」に書かれている淡路城を探します。ずいぶんウロウロしましたが、見つかりません。思い余って、地元の人に聞いても「?」の返事ばかり。それでも3人目の老婦人から、丁寧かつ親切に教えて頂き、ようやく現地へ。周りは住宅街で遺構は全く無く、石碑だけですネ。「田村堂...」への標識より1本手前(線路側)の道を西折して500m先の道端に淡路城址の石碑はあります。
淡路城址、石碑
 狙っていた波田町の3城は攻め終えたので、そろそろ帰ろうか。至高ののビーナスラインを再度攻めようかとも思ったのだが、趣を変えて昔に戻ることにした。県道25号線等は、現在シャレて「サラダ街道」と呼ばれていますが、中央高速もホンの部分開通で、長野道は工事さえしていない30年も昔に、よく利用した道でもあります。松本市内が終日渋滞していて、果樹園・野菜畑の中を進むこの道を抜け道としていたのです。で、昔に返って四輪ではなく、鉄馬で走ろうというのです。途中の集落部分の記憶はありませんでしたが、果樹園の中を走る道はシッカリ覚えており、懐かしく鞭をビンビシ振るのでした。県道25号線から291、292と塩尻方面へ走っていると、朝日村の役場を過ぎた辺りで、「武居城公園」の標識を発見。スピードを出せない集落中の細い道なので、動体視力の低い人でもハッキリ分かる筈。こりゃぁ、帰りがけの駄賃じゃぁ、寄って行こうゼィ。標識に従って進むと、山麓の水生公園っていう感じの公園へ。不思議なことに、日曜で好天気なのに、広い園内には誰も人影なし、猫犬さえ居ない。1台も車の入っていない駐車場に鉄馬を停めます。ここに武居城址の石碑と案内板が立ってます。フムフム読んでから出発進行(侵攻)。公園外れの麓の登り口には、立派な冠木門があり、ここにも木碑と詳細な案内板。う〜ん、ナカナカやるじゃないか、朝日村。で、急坂を登り始めるが、登山道も立派なモノである。逆に、「これはヒョッとして、公園化で整備され過ぎた城址公園なのかも」と不安が頭をヨギってしまったワイ。5分弱でいきなり横堀と竪掘が迎えてくれるが、これがスゴイの何のって...。横堀だけでは防御出来ないと考えたのだろう、この横堀からの8条の竪堀がミゴトに残っているではないか。こんなの見たことない。これはウレシイ期待外れ、ってんで帯郭をグルグル回って、坂虎口を経て主郭に。主郭は40m×20m位の楕円形で、土塁跡は残っていない。攻撃用と思われる河原石が無造作に置かれている。主郭と二の郭・三の郭との間には堀切が残っているが、圧巻は三の郭外側の二重堀切と、二の郭外側の大きく・深い堀切、ともに見応えが十分です。なお、二の郭には土塁址がシッカリ残存しており、三の郭内に2条の堀が残っています。各遺構には立派な説明板が立っており、知識を有しないHYDには大変有難い、感謝>朝日村。残念ながら見晴らしはイマイチであるが、それでも主郭の一角だけ展望が開けている場所があり、遠くに松本平が望めます。コジンマリした城址ではあるが、堀切のミゴトさと横掘・竪堀の連続遺構に敬意を表して、久方ぶりの です。偶然見つけた城だというのもの理由の一つ。今回はツツジの花が咲き終った時期だったが、GW中であれば、もっとキレイなツツジも楽しめると思いますヨ、これもお薦め理由の一つです。
武居城址、主郭跡 武居城址、主郭の坂虎口跡
武居城址、二の郭の土塁跡 武居城址、三の郭外側の二重堀切跡
武居城址、横堀と竪堀跡 武居城址、横堀と竪堀跡
武居城址、主郭よりの松本平 武居城址、遠望
  丁度14時になった、ずいぶん道草を食ってしまったので早く帰ろう。でも長野県は苦い思い出が数多いので、官憲にだけは注意して、それなりに走ろうと、シックス・センスが急激にアラームを発した。慎重に走っていると、前方から2頭のシロ鉄馬に跨った官憲が...。「ふーっ、助かった」。それにしても狭い県道をパトしているなんて、クワバラ・クワバラ。塩尻に入り、R20でドンドン進みますが、途中で下道をギブアップ。甲府昭和インターから高速に乗ります。でも「小仏トンネル付近にて渋滞20Km」の電光表示板。う〜ん、夕飯に遅れるカモ。談合坂SAを過ぎた辺りから渋滞にハマり、巨大縦長の駐車場をスリ抜け・スリ抜けて、ようやく相模湖インターに。でも、ここからも超渋滞していて、ご帰館はキッカリ19時。キリがよい時間で終始した一日であったワイ。鉄馬の世話をジックリしたため、夕飯は寂しく孤食と相成った。本日505Km(うち、135Kmは高速利用)、ビーナスラインも山城も堪能できて大満足、ヨッお疲れさん。
★ ホームページのトップへ