■ 高精度への無謀なる挑戦日記 ■
2009-09-05 ルビジウム発信器をゲット
 
オークションでルビジウム発振器 10MHz 出力のEFRATOM社製 LPRO-101をゲットした。これを用いてイロイロ遊んでやろう、というのが新しいコーナーである。
 現在使用しているIC−7400無線機には、オプションのTCXO(
0.5ppm)を装着している。10MHzで5Hzの偏差という謳い文句の発信器である。ところが、ドッコイしょ、購入してから数年(いつ購入したか失念Hi)たった、ある日に中国版JJYを用いて偏差を調べると、15Hzもズレていた。ヲイヲイ、0.5ppmという仕様はどこさ行ったのヨォ。

【ICOM社の名誉のために】
 下ケースを外す際に、久し振りに取説に目を通した。オプションのTCXOであるCR−338に取替える際は調整する必要があると書かれている。無調整でOKかと考えていたが、回路図を入手してみて調整が必要な理由も理解できた。逆な言い方をすると、無調整でも15Hzしかズレていないのは、スゴイことではある。
(2009-11-03追記)

 で、基準周波数32MHzの較正を行ったが、どうにも1Hz台の周波数調整が難しい。無線機のリア側で、ドライバーによって調整出来るようになっているのだが、少しドライバーを回すだけで、かなり周波数が動いてしまう。2、3Hzに追い込んだところで、とうとう諦めてしまった。実用上は、3Hzの誤差でも全く問題ないが、気になってしまい夜も寝られなくなってしまった(
ウソ、いつも酔っ払ってから寝るので、バタン・キュー)。こうなると、何とかしたくなるのがHYDの悪いクセ
 先ずは外部で周波数を調整出来るようにしてやろう、と短絡的に考えた。ところが次第に欲が出て、どうせなら
TCXOではなくOCXOにしてやろうと考えるに至った。ところがギッチョンチョン、さらに妄想が
膨れ上がり、ルビジウム発振器を基準周波数にしてしてやろう、と無謀な仕儀に相なった。
 例によって、自分で自分の背中を押すわけだが、果たして狙い通りにうまくいくのか/否か。こうご期待!!
■今回で、無謀なる挑戦日記を終えます。今回も叱咤・激励等、感謝いたします。
本体内部(マニュアルより)
2009-09-12 ケース、部品を調達
 中古の完成品をオークションでルビジウム原子発振器を入手したのだが、やはりケースに入れなければサマにならない。ケースに入れるとなると、コネクタを調達しなければならない、SWも必要になるナァ。何より、有り合わせの12V電源×2個での24Vではなく、チャンとした24V(初期時1.5A、定常時0.5A前後)が必要だナァ。24V電源はレギュレータ式のモノを自作した方が、雑音などの面でFBだとは思うんだが、トランスの入手、電源部の製作、ケースが大きくなってしまうナドナド。しょうがねぇナァ、面倒だし手っ取り早くSW電源を買っちゃおう。で、ケースは通販で注文し、その他は手持ちジャンク+秋葉+横浜エンジソン・プラザで調達した。 電源は千石にあった24V−50WのSW電源2020円という安いヤツを購入した。
ちょっと大き目のケース
本体はヒートシンクで放熱
2009-09-13 HP製カウンタをゲット
 秋月の周波数カウンターのキットをズイブン前に購入し、コレを製作して使用していた。でも周波数カウンターって、使用頻度は低く、ドンドン机の片隅に追いやられる運命。その内に段ボール箱の中に入れられ、今ではどこに片付けたのかさえ分からなくなっている 
苦Hi 田舎の実家にシマっているのは記憶があるのだが、ソコから先がアヤフヤ。という訳で、中古のカウンターのFBな出物でもないかナァ、とオークションを見ていると、「」となった。HP製の周波数カウンタ8535Aが出ていた。「アジレント+ユニバーサル」ではない、という理由からかリーズナブルな値段でゲット出来てしまった。スグにe−銀振し、翌々日には早々と現物が手元に届いた。早速、試すも動作はバッチリ問題なし。標準の10MHzのOSCがあるから較正は簡単。シッカリGP−IBもついており(ヲイヲイ、I/Fが無いだろうに 苦苦Hi)、外部10MHzの基準OSC入力端子もある。遊ぶにはVY好都合である。う〜ん、ココまで来ると、ナニが何でも完遂あるのみ。
2009-09-21 ケース加工
 雨で野駆に出掛けられずに、今日はケース加工をやるツモリ。ケースはタカチのMS−99−21−28G(グレイ色)をエスエス無線から、(安いし重いものを運ぶ必要がないので)通販で購入した。例によって、いつもギリギリの寸法のケースを購入し、失敗して何度もコリている。...ので、今回は十分に余裕を持って注文した
...の筈だったんだが、奥行きは多少余裕があったが、幅と高さ方向がギリギリ・ピッチリ。マニュアルにも書かれているように、本体は相当に発熱するので、放熱が必要条件である。このヒートシンクを、少し長めサイズの手持ちのジャンクを用いたためである。また、このヒートシンクのヒダヒダ部分の山・谷間の高さが低くて放熱効率が低そうなので、ブック・ファンを設置して、少しでも放熱を高めようと計画変更した。こういう訳で、ブックファン分だけ高さ方向にも余裕がなくなった。KWのゲタ箱(リニアアンプ)では、ファンの騒音が凄まじかった(コレもその内に何とかするツモリ)ので、今回は電圧を落とすなどして、ハナから低速で回転させるツモリである。
 フロント/リアのレイアウトを決め、ポンチで穴位置を決めていきます。その後、久し振りにボール盤を納戸の奥の方から引っ張り出し、ビィーンと穴開けである。今回の穴開け作業で大変なのは、ファンの円形の切り抜きである。円に沿って3.5mmの穴を無数に開け、穴の間をニッパーで切り落とし、ヤスリでゴリゴリという原始的な方法である。で、ココでようやくに気が付いた。天板と底板だけは鉄製なのである。う〜ん、ヤスリ掛けはメンドイ&シンドイ。しょうがねぇ、穴開けだけで済まそう。でも穴開けだけでなくバリ取りもあるから、気が遠くなるほどボール盤のレバーを上下させて大変であった。そうそう、錆びるから忘れずに黒色スプレーでも塗っておこう。次回はアルミケースと確認して注文しよう。
 止せば良いのに、今回も2個のファンを取り付ける。12V用ファン×2個+ファン制御(
ウソ、超お手軽に抵抗による方法に変更)により、低速動作させて静音とする算段。とにも・かくにも、「電子回路は温度により級数的に寿命が短くなる」とカタクなに信じているHYDなのである。
レタリング
穴の数を数えて欲しい...
2009-09-23 ケース組込
 穴あけを終えれば、少ない部品を取り付け、配線をすれば完成です。もともと、完成品?(中古)を購入しているので、完成という表現もナニではあるが、ケース加工が大変だったので、...
苦Hi デジ写真では分かり辛いかもしれないが、一応ACフィルタとDC−SW電源の出力にFT140−61材のコアに巻いたフィルタを入れている。またSW電源の放熱板はケースに固定して法熱効果を高めている(ツモリです)。組み立ての難関は、穴開けとインチねじの調達でした。
 これで10MHzの基準発振器は出来上がった。コイツの精度でIC−7400の基準発振周波数32MHzをPLLしてやろうというのが、このコーナーの本来の目的である。何のコトはない、これからが
イヨイヨ本番なのである。
組立途中、ファン2個が笑える 10.00000000MHzの表示
2009-09-25 スペアナ入手
 30年ほども大昔に、仕事でHPのスペアナを駆使したコトがあった。とてつもなく重かったが、便利この上ない測定器であった。その内にスペアナは軽量になり、機能も豊富になったが、VY高価で手の届かない垂涎の測定器なのは変わらないた。オークションにも出ているが、中古でもVY高額でありトテモじゃないが高嶺の花。そんな中、ついつい「ポチッ」としてしまった。少々難ありという代物であったが、思ったより安くゲット出来た。CRTの保護カバーであるアクリル板が薬品か何かでモヤがかかっているようになっていたが、そのためか参加者は少なかった。あるいはトラッキング・ジェネレータがなかったからカモ。でもHYDには、見た目は気にならない&トラッキングGはなくてもOKである。見た目を気にするならアクリル板で自作も出来そうだし、TGは代替手段がありそう、とした。肝心の動作の方だが、ダウンロードしたマニュアルが英文であり、まだ未確認の機能が多いが、大きなトラブルはなさそう、アリガタヤ。

2009-09-26 試作回路製作
 ユニバーサル基板で、ロジックICによる32MHz−Xtal発振、1/32分周、Rb−OSCの10MHzの1/10分周、両1MHzの位相比較の簡単な回路を試作した。高い周波数なので、うまく発振してくれるか心配していたが、思いのほかに簡単に発振してくれた。が・しかし、何と
3倍オーバートーンの水晶だった。どこにも3倍オーバートーンという表示が無いので、基本波が32MHzの水晶だろうと甘い・希望的予想を立てていたのだった。でも10.666MHzが基本波で、この他に2倍、3倍、4倍、5倍...の周波数も強力に出ている。まぁ、2倍・4倍波は矩形波なので、しょうがないが。これはBPFで何とかするとしても、問題は発振周波数である。水晶にパラで2個のコンデンサを付けているが、これを外しても32.005MHzと5KHz以上も高く、イロイロ調整しても32.0000MHzと下がらない。インダクタをシリーズに入れて下げたいが、発振しなかったり/不安定になったりしてしまいNGである。これではPLLで10.00000000MHzにロックすることは出来ない。(この測定にはIC−7400のオールバンド受信機能を用いた)

2009-09-27 水晶を交換
 原付スクーターで、小机のサトー電気・横浜店まで買い物。代わりの水晶と細々したモノを購入した。帰宅後、期待に胸を膨らませて水晶を取り替えて実験したが、コイツも3倍オーバートンで、発振周波数の傾向も全く同じであった。Webで調べてみると、どうやら32MHz辺りの水晶はオーバートーンが一般的なようである。32MHzのオーバートーンではなく、基本波16MHzの水晶でも同様に試したが、やはり5KHz以上高い周波数で発振しておりNGである。出回っている汎用水晶っていうのは、ロジックICによる発振回路を前提としていないのだろうか。あるいは、少しズレている水晶がアマチュア用に出回っているのかもしれない。
 ここで、ジャンク箱をカキ回していたら、DIPピン配列の32MHzの発振器が出てきた。カラーSSTVのスキャンコンバータのMPUを高速化させるために、イロイロ実験したときの残骸である。コイツはCMOSタイプ(の筈 Hi)なので、電源電圧Vccを7V位でも簡単には死にはしないし、逆に2V程度の低い電圧でも発振してくれる。当然に電源電圧の変化により発振周波数も変化するので、VXOモドキにならないだろうか。早速試してみる。が・しかし、7〜2Vの変化で32.002〜32.015MHzと変化はするが、32.000MHzまで下がらない。さすがに7V以上を加えるのは怖くて止めた。どうやら、MPU用に用いる発振器のため、確実に発振さえすればよくて、発振周波数の精度はイイ加減のようである。
INVによるXtal-OSC 最後にはXtal-OSCを外した
← FETによるXtal-OSCを実験
2009-09-29 FETによるVXO
  ロジックICでの発振を前提とする水晶を特注するという安易で確実な手もあるが、あえてFETかTRによる発振で実験してみよう。特注すると高くなるだけでなく、納期が2〜3週間も要してしまうので。早速、手持ちの2SK241で簡単な発振回路を組み試してみる。でも、やはり20KHz程高いトコロで発振している。ただ水晶に直列にインダクタとコンデンサを入れ(VXOの基本回路)ても、安定してシッカリ発振してくれる。インダクタンスとコンデンサの量を増やすと、31.995MHzまで下げられた。あまり変化させてしまうと安定度は下がってしまうが、PLLで使うので問題ないだろう。バラクタ1SV101の特性によると、2〜4Vの変化で25〜35pFまで変化するので、うまく調整さえ出来れば、32.000MHzのVXOが出来そうである。あ〜ぁ良かった、「高い+納期のかかる」水晶を特注しなくても良さそう。
2009-09-30 FETによるVXO(その2)
 昨晩の実験で、FETによるVXOであればPLLに使用出来そうであることが分かったので、ロジックICによるVXO部を外し、FET発振部を組み込んだ。早速、電源を入れたが「
何か変?!」である。電源ON表示用のLEDが点灯しない。5Vの3端子レギュレータもメチャ熱くなっている。すぐに電源をOFFにする。半田付けを確認するもショートはしておらず原因は分からない。もう1回試すも、当たりの然でLEDは滅灯のまま。簡単な回路なので間違えている筈はないんだが、...。ブツブツ言いながら、2缶の第3のビアーで酔っ払った目でジックリ見ていく。すると・どうだぁ、FETのソースSとドレインDをテレコにしていた。「ゲェーッ」、FETを壊したかも。ジャンク箱には、あと1個しかFETが残っていないんだけれど...。FETを取り外して、半田付けのヤリ直し。「あっさぁー、生きていてくれよナァ *」と拝むようにして電源を入れると、しっかり32MHzを発振してくれた。ウレシヤ!。
 ココで先日ゲットしたスペアナの登場である。簡単なプローブをFETのソース側に取り付け、スペクトラムを見てみます。う〜ん、どうも使い方が分からん、このスペアナ。ディジタル処理している分だけ、操作が複雑になっているのである。日本語マニュアルがあれば良いのだが、中古で入手したため、そんな気の利いたモノはない。Webでマニュアルを入手したが、苦手な英文のヤツしかヒットしない。それでも何とかスペクトラムを見ることが出来た。すると・どうだぁ、基本波、2倍波、3倍波、4倍波...と不要なスペクトラムが一杯出ている。基本波に対するそれぞれのレベルは、2倍波:−31.5dB、3倍波:−27.1dB、4倍波:−41.6dBであった。これじゃ、10.666MHzの基本波レベルが高過ぎる。32MHzのBPFを入れなきゃダメだナァ、絶対に。 
  
* : 飛騨弁講座を参照
↑ FETによるXtal-OSCを組込み
2009-10-01 32MHzのBPF
 残り1個となったFETによるバッファアンプ+BPFという簡単な回路を組み込んだ。BPFはFCZの7Sタイプ28MHz用コイルを2段シリーズとした。想像通り2段程度では基本波や2倍、4倍波のスプリアスがかなり残っている。これを無線機に直接供給すれば問題になるだろうが、PLL用にはこの程度で問題ないだろう。スペアナで実測すると、3倍波の32.000MHzのレベルに対し、基本波:−34dB、2倍波:−28dB、4倍波:−45dB、5倍波:−33dBである。電圧比で1/25程度の差しかない。無線機IC7400に供給する際には、チャンとしたBPFを通す必要があるナァ、絶対に。こうなると、「高価+納期」を気にせずに、ロジックICの発振回路で32.000MHzの基本波水晶を特注した方が良かったカモ。BPFも簡単に済む筈である。
2009-10-02 32MHzを10MHzでロック
 VXOの32MHzを1/32分周した1MHzと、基準となる10.000000MHzを1/10分周した1MHzの位相比較をし、この結果をVXOに供給することでPLLとしている。この回路は既に組んでいたので、昨晩得られた32MHzを入れて動作を試してみた。すると・どうだぁ、あっさり10MHzにロックしてくれた。ウソ、そう簡単には問屋が卸してくれない。そもそも1/32分周回路がうまく動作していない。入力レベルが低すぎるのだろうと、カップリングコンデンサの容量を220pFから0.01μFに上げてみた。するとレベルは上がったものの、32MHz以外の信号も上がってしまい、妙な周波数が分周されて出て来る。う〜ん、もう1段か2段の32MHzアンプを泥縄で作るしかないようだ。

2009-10-03 32MHzアンプ製作
 昼まで雨だったので、14時過ぎに小机のサトー電気まで原付スクーターで買い物。 2SK241を使い果たしていたのでコイツの補充と、ついでにFCZの28MHz用コイル(少しでもQを上げたいため10Sタイプ)も購入した。これで簡単な32MHzアンプを作るツモリである。帰りにホームセンターでバフ掛け用のフェルトの円板と、この留め金、それに研磨剤も購入した。こちらの方は、スペアナのプラ製保護カバーの妙なクモリ(薬品で侵された感じ)をクリアにするために使用するツモリである。
 夕方までに32MHzのアンプを製作し試してみる。すると・どうだぁ、今度はあっさり10MHzにロックしてくれた。
これも大ウソ、カウンタ表示は32.002MHz前後でドリフトしている。ということは、ロックしていないってコトね、ガックリ。でも、32MHz成分はソコソコのレベルとなり、不要波も減ったってコトね。半分だけ喜んだところで、今日は時間切れでオシマイ。明日はツーリングに出掛ける予定のため、早寝の良い子なのダァ。
↑ バフ掛け用の道具を購入 ↑ 泥縄でもう1段の32MHz-AMP
2009-10-04 基準周波数にロックオン
 いつもと異なり目覚めが悪くて、予定より1時間遅れでツーリングに出掛けた。チョチ気分が乗らなかったが、無理して(ヲイヲイ)出っ発して、好きなビーナスラインを攻めマクってワインディングを堪能。この後、R142をトロトロ走っていた時である。「」となった。位相比較に東芝のTC5081Pを用いているが、RとSの使い方が逆なのではないか、と。TC5081Pのデータシート(イヤな英文で書かれている)の通りに、S側に基準となる10MHzよりの1MHzを入れ、R側にVXO側の1MHzを入れていたが、これがテレコだとツジツマが合うような気がした。このコトとイロイロもあってツーリングを早めに中断して帰宅。夕飯後、まずバラクタ1SV101の端子に掛かっている電圧を測ってみた。何と6.0V前後の表示である。となると予想通りRとSはテレコの可能性が大である。ワクワク・ドキドキしながらRとSの信号をテレコにしてみた。すると・どうだぁ、今度はあっさり10MHzにロックしてくれた。3度目の正直である。1SV101の電圧も設計した3Vに近い2.9Vである、ウレシヤ。
 こういう時のイツモの儀式。測定器や工作道具、パーツ類をキレイに片付け、とりあえず
一人で祝杯。スプリアス等の測定は明日以降ネ。

2009-10-06 32MHzのスプリアス
 先日、10MHzにロック出来たがスプリアスについてはウレしさのあまり測定していなかった。で、今日はスペアナを引っ張り出し(狭い我が家で、シャックなんてあろう筈もない、その都度納戸から出すのである)、不要波(U波)のレベル測定をした。2段目のBPF出力をカウンタ表示させていたため、これをスペアナに入れた。結果は32MHzに対し、基本波:-8.5dB、2倍波:-17.5dB、4倍波:-11.2dB、5倍波:-32.5dB、6倍波:-19.0dBである。う〜ん、ガックリする数値である。10/1のデータより悪くなっているのは、線材を引っ張り回しているからであろう。この2段のBPFの後にFET−AMP+2段のBPFなので、これよりは良い数値なるだろう。でも、その前に32MHzのインバータ出力(74AS04の3出力パラ)側を測ってみた。すると・どうだぁ、32MHzと96MHzの成分だけしかスペアナ画面に出て来ない(勿論、96MHz以上のU波もある筈)。ただ96MHzレベルは32MHzに対し、−6.1dBとサホド減っていない。ASタイプのCMOS−ICなので、かなり高いところまでU波は減らないだろう。でも、これなら簡単なBPFやLPFを通すだけで、IC−7400に入れられそうである、
ウレシヤ

2009-10-09 クリーンな32MHz?
 32MHz以外のU波を抑圧するのに「Qの高いBPFを作るのは難しいナァ」と考えていたが、10/6の実験でインバータ出力ならば簡単なBPFやLPFでもOKということが分かった。という訳で簡単なBPFをインバータ出力に追加することにした。FCZの28MHz用10Sタイプのコイルを2個用い、2pFで疎結合させただけのモノである。また、32MHz用のコイルを4個使用しているが、これはFCZの28MHz用コイルを用いている。ただ、同調コンデンサーは計算値とズイブン離れた容量をブラ下げていた。これを計算値に近い22pFに取り替え、最大レベルとなるように再調整した。例によって、スペアナを引っ張り出してきて、ワクワクしながらスプリアスを測定してみた。すると・どうだぁ、インバータ出力でも10.666MHzの基本波や21.333MHzの2倍波など
U波成分が沢山出ているではないカァ!。しかも64MHzの偶数波成分も出ている。オカシイ、10/6の時には全く出ていなかったのに、...。どうやら今日の32MHzのインバータ出力は、デューティ50%の矩形波でないようである。再調整したのが悪かったのカモ、ガックリ。かといって、所有している2台の半分壊れているオシロ(要修理品)は田舎にQSYしていて、波形を確認できそうにもない。現在使用しているのは、ローカルのOMさんから借りて来ている20MHzまでのオシロである。う〜ん、どうしようかしらん。

2009-10-10 アクリル板を研磨
 ヤミクモにBPFを調整するという手もあるが、少し頭を冷やしてからヤルことにして、今日はスペアナのCRT保護カバーのクスミを取ることにした。で、先日買い込んでいたバフ掛け一式を出して来て、アクリル板の表面を磨くことにした。要するにクスミ・クモリ部分を磨いてやろう、ということである。ボール盤を引っ張り出し、アタッチメントでフェルト製の円板を取り付けます。勢いよくブィーンと回したところで、プラ用の研磨剤をコスリ付け、フェルトの円周側にアクリル板を当てます。細かいゴミが沢山出てきて、周りは小さなチリだらけ。ズイブンときれいになっただろうと表面を見てみると、殆ど変化無し、ガックリ。何回かコレを繰り返すが、クモリが取れる雰囲気なし。とうとう我慢できず、力任せに押し付けてみた。すると少しクモリが取れてきた。
オォーッ、やれば出来るジャン。力を入れると細かなチリが周りにドンドン溜まっていく。でも・しかし、なかなか捗らず。その内に、力任せ+長時間という荒ワザに出た。すると何やらコゲ臭い臭いがしてきた。アワててモーターを止めて表面を見ると、押し当てた部分だけ0.2、3mmも凹んでいる。ギョェーッ「過ぎたるはナオ及ばざるが如し」ではないか、超ガックリ
↑ 分かりづらいがクモリあり ↑ バフ掛けのヤリ過ぎ
2009-10-12 アクリル板を加工
 昨日は久し振りに下道のロング・ツーリング。お疲れさんで帰宅したので、いつもより遅く起き出した。床屋へ行ったり、イロイロと雑用を済ませた後で、近くのホームセンターにアクリル板を原付スクーターで買いに行った。同じ色合い+厚みで、適当な大きさのブルーの板を320円でお買い上げ。帰宅後、Pカッターで刻みを入れて。ポキッと折るとFBに切断できる。後は時間を掛けてヤスリ掛けで形を整えると出来上がり。これをCRTの前に入れて修理完了です。う〜ん、素晴らしいデキバエである。と、いうコトはバフ掛けの諸工具は購入しなくても良かったってコトね、違う意味でガックリ。まぁ、何事も勉強である、バフは何かで使えるだろう。
↑ 左:自作、右:バフのヤリ過ぎパネル ↑ 無くても良かったのだけれども
でも、あると見映えがFBに →
2009-10-14 PLL部のケース到着
 PLL部のケースを10/12の夜に注文していたが、もう届いた。いつもケースが小さくて、後あと苦労するので今回は大き目をチョイスしたのだが、果たしてどうであろうか。ルビジウム発信器をケースに入れる際は、ファンの穴開けで苦労したので、今度はオール・アルミのケースにしようと考えていた。でもヨクヨク考えてみると、オールアルミでは軽すぎてSWのON/OFF動作で、ケース自体が動きそうな気がする。...ので、天板・底板だけ鉄製のタカチのMS−66−16−28Gとした。こいつはルビジウム発信器のケースと全く同じで、大きさが小さいだけである。鉄製ではあるが、ファンを取り付けないので今回は穴開けに苦労しないだろう。
2009-10-15 スプリアス改善(1)
 10/10の実験でヤタラにスプリアスが多かったが、VXO出力で32MHz以外の成分が多く、デューティも50%ではないのだろうと推測している。帯域が100MHz程度のオシロが手元にないので、どの程度汚い波形なのかは見るべくもないが、とりあえず32MHzのBPFをキチット再調整しよう。先ず32MHz用コイルの同調コンデンサを元に戻し、VXOに近いコイルから順次調整していった。RFのレベル測定にはスペアナを用いる。数値で▲▲.▲MHz:●●.●dBmと画面に表示される。どの程度正確かは分からないが、まぁ調整には困らない。で、慎重に同調コンデンサを取り替えながら調整を全て終えた。さぁてとぉ、今度はどうよぉ。結果は、32MHzに対し、2倍の64MHz:−50.1dB、3倍の96MHz:−43.3dB、4倍は観測できず、5倍の158MHz:−45.8dBであった。この結果だけを見ると大きく改善されたように見えるが、32MHzの近傍を見ると、31MHz:−46.1dB、33MHz:−52.5dBの2つの波が気になる。近傍ではこの2波以外は(在るのだろうが)観測できない。1MHzしか離れていないので、影響が出るような気もする。逆に−40dBのD/U比が取れてディジタル処理をするので、全く問題にならないかもしれない。そんな訳でシッカリしたBPFを製作する/しないの判断は、IC−7400に組み込んでから考えることにしよう。BPFが必要になったとしても後付で対応できるからネ。

2009-10-16 スプリアス改善(2)+バラック電源
 効果はサホド期待できないが、基準10MHz信号を直接インバータに入力せず、10MHzのタンク・コイルを経由するように変更した。このコイルは32MHzと同様にFCZの10Sタイプ9MHz用を利用した。
 SW電源を用いると、電源部は軽くて小さく出来るが、32MHzにSW成分のスプリアスが乗りそうである。このため普通のトランス・整流+3端子レギュレータで電源を製作(とりあえずバラック)した。といってもイタッテ簡単である。6.3V−0.5Aの小さなトランス+ブリッジ整流器+2,000μF×2平滑コンデンサだけである。消費電流も70mAと少なく降圧電圧も小さいので、3端子レギュレータは小さな78L05で全然OKである。

2009-10-17 ケース加工
 今日は降水確率が高いのでツーリングは休んで、朝からユックリとケース加工をした。アワてて穴あけをしたり、ヤスリ掛けをすると思わぬ失敗をするので、ノンビリ・ユックリである。底板は鉄製であるが、ボール盤がありキリで10箇所ほど穴開けするだけなので、10MHzOSCの時と異なり、割と簡単に終了した。次いでフロントとリアのパネル加工である。でもF側は電源SWのみで、R側も電源コネクタ+BNCコネクタ2個なので、こちらもスンナリ終了。最後にレタリングで文字を入れ、ラッカースプレーで固定した。10MHz基準OSCに用いたレタリングはズイブン昔の代物で転写がうまく出来ないので、ゲタ箱製作時に用いたレタリングを使用した。ちょっと文字が大き過ぎたかもしれない。
 さて、これまでユニバーサル基板で試作回路を組んで実験を続けていた。当然に、アチコチいじくり回したので、本チャンは別途しっかり製作するツモリであった。が、効率化をはかって(
ウソ、単に面倒臭かっただけ 苦Hi)、実験した基板をそのまま使用することにした。ところでインバータ出力の後に取り付けている簡易型の32MHzのBPFは、基板に近づけるだけでスプリアス量が大きく変化する。このため、外付けのBPFへのシールド効果は高いと期待できるので、シールドすることにした。蓋付きのシャーシって秋葉原(それも特定の店)にしか置いてないので、小さなアルミシャーシを買ってきて、蓋を取り付けてシールドとした。シャーシの厚みが薄いので、タップを切ってビス留めする訳にはいかない。L字アングルとビスとで蓋を固定したため、結構カサバる。モノはついでにと、ゲタ箱製作の時に購入したアルミのシャーシが1個余っていたので、本体の基板もシールドするツモリでいた。コッチの方はシールド効果は期待できないだろうナァ。でも・しかし、シャーシが大き過ぎてケースに入らないではないか、ガックリ。しょうがねぇ、BPF部だけシールドするコトにしよう。まぁアルミ・シャーシは錆びないからネェ、次の機会に使用しよう。

2009-10-18 32MHz−OSC完成?
 今日の降水確率は低かったのだが、ケース加工が終わったからには是非にも今日中に完成に持っていきたい。つぅー訳で、ツーリングは急遽中止。ソロ・ツーリングなので、どうにでもなる。で、ケース内に基板、電源部等を組み入れていく。ここでBNCジャックが1個足りないことに気が付いた。オカシイ、もっと有った筈なんだが、...。ジャンク箱などをアチコチ探すが出て来ない。ナニゲにしている時にはスグに見つかるのだが、肝心な時にはイツモ出てこない、
マァーフィの法則。しょうがないので、原付スクーターで小机までワザワザ片道30分掛けてBNCジャックを買いに出掛けた。帰宅後、MLBやゴルフのTV観戦をしながら、パーツの取付け+半田付けを実施した。
 組上げ後、カウンターの電源を先ずONにして安定化させます。この間、DC電圧を確認したり、工具類の後片付けをしたりして時間をツブします。30分以上経過し、ココで10MHzの基準発振器と32MHz−PLL発振器をONです。3、4分で10MHzのOSCが原子ロックし、これに合わせて32MHzのOSCも32.00000000MHzを表示。...する筈だったが、0.6Hzほど高い表示である。しかもフラフラしており、10sec測定で、毎回±0.2Hzほど上がったり/下がったりフラフラしている。まぁ、コレはバラックでの実験の時にも経験していたので、サホド驚かず。カウンター自身のベース発振器のユラギなりドリフトだろうと考えていた。で、確認のため10MHzの基準周波数をカウンターに入れてみた。すると、キレイに10.000000000MHzと0が9個並び1mHz台までゼロが続いている。ユラギは全く無い。「
アッレェーッ?おかしい!」、カウンター側が原因だと思っていたのに...。
 そのまま状況変化を見ていると、30分ほどでフラフラする幅は小さくなった。その代わり、徐々に周波数が低い方にドリフトしていく。なぁんだぁ、結構落ち着くまでに時間が掛かるんだぁ、と納得。...したのだが、2時間経過して32.00000000MHzになってからも、まだまだ下がっていく。さらに1時間ほども経過すると、マイナス側に0.5Hzほどズレてしまった。さらに3時間ほども放置プレーをさせていると、−1.1Hz辺りで動かない(ように思える、時間切れで未確認)。ココで、32MHz−OSCを電源offとし、30分後にonとしたが、いきなり−1.1Hz周辺でスタートした。ルビジウム10MHzの電源も同様に30分off/onとしてみたが、コレも同様に−1.1Hz周辺でスタート。この時もカウンターで基準10MHzの周波数を測定したが、コチラは相変わらず10.000000000MHzで恐ろしいほど安定していて、表示されている数値はビクともしない(勿論、ベース周波数はカウンター「HP製8535A」の内部TCXOである)。
う〜ん、こういうコトってあるのかしらん。「頭の中が混乱+晩酌のアルコールで悩乱」している状態では、考えても答えは全然出て来ない。
2009-10-22 ループフィルタ変更
 本来は位相比較出力をちゃんとした計算式で算出したLPFに通す必要がある。...のだが、ロックするまでの時間を気にしないので、適当な値のCRによる簡単なLPFで済ませていた。それも、C1.5μF+R100KΩという大きな値の時定数である。「大は小を兼ねる」という発想である、ヲイヲイ。で、もしかしてフラフラするのはコレかも、ということで@100K+0.1μF A100K+0.02 B30K+0.002μFと時定数を小さく変更してみた。残念ながら結果は同じで、Bではロックもせずに×。逆にC100K+50μFと大きくしてみたが、これもロックもしない。う〜ん、適当に入れた数値が適当であったようである。

2009-10-25 10MHzの分配器とゼロが8個
 
ルビジウム発振器の出力は、仕様によると10MHz、サイン波−0.55Vrms−50Ωである。1.5Vp-p、8dBmと考えても良い。32MHz−OSCの基準周波数の入力レベルは0.5Vp-pでも十分に動作する(実測)ので、十分に余裕があるレベルと考えてよい。このため、32MHz−OSCの基準周波数の他に、カウンタの外部基準10MHzにも使えるように10MHz信号の2分配器を製作した。フェライト・コアを用いた単純な分配回路である。回路は「復刻+追加」されたCQ出版の「定本トロイダル・コア活用百科」からパクった。活用百科では入力が25Ωであったため、トロイダル・コアをもう1個用いて50Ωをステップダウンして、22Ωとしている。まぁ、3Ω位の些細なコトにはコダワらないHYDなのである Hi。作り終えて特性を測ってみると、損失は10MHzで3.3dBであり理論値の3dBに近い。また2出力の端子間のアイソレーションは10MHzで20.5dBと、まぁまぁ満足出来る数値である。なお、片端子しか使用しない場合のコトも考え、千石電商で50ΩのBNCターミネータを購入済みである。不思議なコトにBNCプラグが400円近いのに、コイツは1個190円である。コイツも幾つか持っているのだが、どこに片付けたのか分からない(いわゆる死蔵っていうヤツ、その内に出てくるのだろうナァ 苦Hi)。 10MHzという低い周波数なので、この位は自作しても良いのだが、BNCプラグの値段や見映えを考えると自作するのはバカらしい。
 さぁてとぉ、ココからが今日の本題。2分配した10MHz信号の片方を32MHzOSCの基準として使用し、もう片方をカウンターの外部基準の10MHzとして使用します。この状態で32MHzの出力周波数をカウンタに入れた。結果はというと、
32.00000000MHzと0が8個並んで表示された。時タマ、31.99999999MHzと9が8個並ぶ時もあるが、ディジタルだから1digitズレてもおかしくない。この状態で放置プレーをさせてみたが、1時間経っても、2時間経っても全く変化せず。ということは、シッカリ基準の10MHzにロックしていたってコトね、ウレシヤ。
 この結果だけを見ると、フラフラしたり、ドリフトするのは@カウンター側の10MHzベース発振器 Aルビジウムの10MHz発信器 のどちらかが原因だと考えられる。しかし10/18のようにルビジウムの10MHz出力をカウンターで測ると、ピッタリ10.000000000MHzと0が9個も連続表示されるので、カウンター/ルビジウムの問題とも考え難い。う〜ん、分からん・理解できない→脳乱状態に遷移。この不可解な事象はサテ置いといて、ひとまず

   高精度・高安定度の32MHzOSCは出来た!! ■

ってコトにしよう、少々気になるが。
2009-10-26 BNC-P〜BNC-Pケーブル
 不可解な事象は1日位では解決できない。今日は秋月の100円のBNC−P(3D−2V用)をシコタマ購入していたので、コイツでBNC−BNCケーブルを作成した。3D−2Vでは太過ぎて使いづらいが、1.5D用の安いプラグは売っていない。他の店で1.5D用プラグは380〜450円なので、とても買えない。という訳で、1.5D−2Vの同軸をビニールテープで太くし、熱収縮チューブを被せて使用することにした。なかなかピッタシの太さにするのは難しいが、幾つか製作する内にコツが分かって来る。とりあえず長短合わせて3本製作した。秋葉で完成BNC−BNCケーブルは1本千円前後で販売されている。10MHzと低い周波数で使用するのなら、(100円×2+α)/本で出来るコノ方法がお奨めである。
2009-10-27 IC−7400の回路図
 32MHzの高精度+高安定度の発振部は出来たのだが、コレをどうやって愛機IC−7400に供給するか、という難問が立ちはだかっている。イロイロとWebで調べていて、IC−746Proの回路図が手に入った。
 基板のパターンから回路図を起こそうと考えていたので、これはウレシヤ。IC−746Proって、IC−7400の海外向けの名称だとか聞いている。多少は異なっていても、回路はさほどにズレてはいない筈。この回路図をもとに、アレコレと32MHzの内部/外部の切替を考えるのでした。
2009-11-01 あっちゃぁー
 回路の変更イメージが固まったので、実際に組み込み可能かどうかを確かめるため、超久し振りにIC−7400の下ケースを開けた。オプションのCR−338のTCXOオプションを装着する時に1回だけ開けたままである。念のため取説を出して来て、CR−338(TCXO)を取替える際の方法をフムフム読みます。この方法で下ケースを外し、期待をしながらRFユニットのシールド板を外します。すると、いきなり

 「あっちゃぁー !!」

であった。トランジスタ、C、R等はチップ部品や表面実装部品である。RFトランスコイルでさえ表面実装である、大きいけれど。これでは部品が超小さく、部品間の距離もなく、作業は大変である。というか不可能に近い。しかも、その上に32MHz発振回路部と64MHzへの逓倍回路部は、小さなシールドBox内に入っていて、ベルリンの高い壁となっていて、作業性がさらに悪い。というか、「改造は出来ませんヨ」って拒絶された感じです。最初はオーソドックスにW1902のジャンパーを切断し、ここにリレーをカマして、外部32MHzと切替えようという魂胆であったが、狸の皮算用。このジャンパーでさえもゼロΩのチップ抵抗である。さぁてぇ、
弱ったゾイ
↑ RFユニットの一部 ↑ 32MHz&64MHz部
2009-11-02/03 あっちゃぁー(2)
 こうなったら奥の手を使って、2逓倍した64MHzの2LOのコネクタ出力を外部に引き出し、外部32MHzの2倍波と切り替えてやろう。せっかく64MHzの高調波成分を下げたっていうのに、
苦Hi。再びIC−7400の下ケースを開け、イロイロと切替方法を考えます。先ず基板へ直結されている1.5D−QEVケーブルの同軸コネクタで悩んだ。このコネクタ、他の無線機等でも見たコトはあるのだが、秋葉原のパーツ屋では見たことがない。品名すら知らないので、Webで調べても全然ラチが明かない。こうなったら困った時の神頼み、ローカルのOMさんにメールでお訊ねした。さすがに自作派のOM、スグにリプライがあり、品名と取扱店を教えて頂いた、VY TNKS! どうやら入手も何とかなりそうである。
で、ヒト安心をして、ジックリと回路図とニラメッコをしていると、またしても

あっちゃぁー !!

となった。2逓倍の64MHzだけがクロックとして使用されているモノと考えていたが、基本波の32MHzも使用されている。というか、32MHzの方がメインのDDSにクロックとして供給されているようだ。う〜ん、弱った魚は目を見りゃ分る。

2009-11-04 振り出しに戻って
 ここで原点に戻って、@チップ部品ばかりであるが、どういう改造ならブキなHYDにも出来るのか Aその改造の範囲で切替の対応ができるのか B現実的なのか というルーチンでもう1回考えてみた。先ず@であるが、<真っ先に浮かぶ&これ以外には浮かばない>のはオプションのTCXO周りである。オプションのTCXOは差し込めばOKとなる訳ではない。装着されている普通の水晶を半田ゴテで外し、次いでオプションTCXOを差し込んで半田付けをするのである。当たりの然に、素人でも対応出来る(でも、ド・シロウトでは絶対無理ヨ)ようになっている。どう考えても、これ以外には改造出来そうな箇所はない。となると、何が何でもTCXO周りでABの対応を考えなくてはならない。

2009-11-07 風邪でダウン、あちゃぁー(3)
 風邪でダウン中であるがセッカクの土日である、無謀な挑戦を仕掛ける。朦朧とした脳ミソでIC−7400をリグ棚から降ろし、リビングのチャブ台に置いて解体作業の開始。だいぶ手馴れて来ており、スグに腸ワタを出した。今日は、RFユニットの裏側を見るべく、さらにビスを外してミニPinプラグを3本抜いて、裏側を見ます。するとマタマタ、

あっちゃぁー !!

となった。今度の「アッチャァー」は、超小型のリレーですら設置できるスペースが無かったからである。う〜ん、取らぬ狸の皮算用だった。
 こうなりゃ、ヤケである。切替なしで、外部32MHzのみで対応しよう。接続点は、皮算用通りに32MHz−TCXOのTr(Q1901)ベース部、VXO用のインダクタ(L1901)部、アース部を利用し、この3点だけに半田付けする。具体的には、ベースとインダクタ間を0.01μFで接続し水晶の機能を殺し、こことアース間に外部32MHzを供給する。修理の時、コレなら半田付を外せば問題なしの筈である。外部32MHz発振器の出力レベルは約0dBmであるが、これを1.5D−2Vの1mでTrのベースに供給すると、トランス(L1902)出力のゼロΩ抵抗とアース間のレベルも0dBmとなり、TCXOの時と同じレベルになった。これは丁度良いワイ。...と、一人ゴチて、早速IC−7400の電源を「
あっさぁー」をして、ONにする。でも・しかし、全く動作せず、ガックリ。 *飛騨弁講座参照
2009-11-08 まだ風邪と格闘中
 
32MHzのレベルが合っているにも関わらず、うまく動作しない理由は、<32MHzの波形が汚い+スプリアスが多い>のだろうと、風邪で狂った脳ミソにて考えた。発振回路の入力はハイ・インピーダンスなので雑音等を拾いやすいからネェー。スペアナでも汚い信号であるのは一目瞭然。で、対策は安チョコに50Ωで終端である。RFトランスでステップUPしたいところだが、高さ5mmほどしかスペースがない。ここでTCXO端子の半田部を半田吸取り網線で除去したら、キレイに取れた。しかも、ランドの穴がTCXOのピンより大きく、半田を吸い取ることで、ピンは浮いた状態になった。ということで0.01μFで水晶発振機能を殺さず、完全にTCXOを切り離すことができた。さぁてとぉ、今度はどうよぉ。
 残念ながら、50Ωで終端すると、当たりの然でRFトランス出力のレベルが、−15dBmと低過ぎてしまいNGであった。でもスペアナで見る限り信号は割りとキレイ。ここで、またまた2SK241の出番である。2段のBPFの間にFETの1石AMPを入れた。FETへの電圧も+5Vから+8Vに上げ、トランス出力で−4.5dBmまで上げることが出来た。本来なら、あと5dBほど高くしたいが、ガマンできずにIC−7400の電源を入れます。すると、
シッカリ動作するではないか、ヤッタネェー
 音にニゴりでもあれば大変であるが、受信音からは特に違和感なし。受信した限りでは、スプリアスも前と変化ないような気がする。受信は良くても送信時に変なスプリアスが出ていなけれれば良いのだが...。周辺雑音が多く、方結(方向性結合器)やカップラーなどというものも持っていないので、送信時のスプリアス測定は、このアダプタを製作してからネ。
 そうそう、元々の狙いは高精度・高安定度である。スプリアスはさておき、精度・安定度はどうようぉ? ってんで、14MHzで送信しカウンターで周波数を測定するが、微妙にズレがある。14.230000MHzのAMで送信した(勿論、ダミーですヨ)が、カウンターの表示は14.22999904MHzである。0.96Hzズレている。CW他のモードでは、まだ試していない。まぁ、そう焦らず、ボチボチと行きましょうかぁ、風邪も引いているし。
↑ 32MHzの入力方法(イメージ) ↑ 32MHzの入力
2009-11-10 ATT、方結の製作
  
スプリアスをシッカリ測定したいため、方向性結合器を作ることにした。Webで調べると、皆さん製作しやすい20dBの方結を作られておられるようだが、1KWのゲタ箱(リニア・アンプ)のスプリアスやIMD特性も測ってみたいので、30dBのモノを作るコトにした。当初は簡単なカップラー(結合器)で良いかナァ、とも考えた。しかし反射電力も測定出来るようにして、反射波が異常に高い場合は、ゲタ箱を強制offにするツモリで、方結を製作するコトにした。30dBの結合度でも送信出力が1KWであれば、出力に1Wも出て来る。これだけ大きいレベルであれば、普通のスペアナ(HYDのスペアナはMax+20dBm)に入力する訳にはいかない。しょうがない、先ずは簡単なATTから作ろう。
 で、先ずはタカチ製ケースの加工から開始。ズイブン昔にステップATT(1〜60dB)を自作したが、耐電力の関係で今回の目的には使用できない。Max5W程度の10dBと20dBを製作しよう。π型ATTで、それぞれの抵抗は3Wの酸化金属皮膜抵抗をパラにして耐電力を上げた。5W連続ではNGであるが、2W程度なら連続で供給しても大丈夫だろう。但し、パラ接続・酸金皮ということもあり、HF以上の周波数では誤差が大きく使用できないだろうナァ。それでも、どれだけでも高い方のF特を良くしたいため、薄い銅板でアース母体とした。
 ATTが出来上がったところで、ATTの性能確認もせずに方結の方の製作に突入。ATTより少し大きめのケースの穴開けを終え、内部のシールド板を立てたトコロで、今日は時間切れ。気が付けば、もう明日になりそうな時間である
↑ ATTの製作途中 ↑ ATTの製作終了
← 方結の製作途中
2009-11-11 方向性結合器の製作
 板金加工は昨晩の内に終えているので、今日はトロイダルコア(FT−82#43)へのコイル巻きと配線だけである。が、まだ風邪が癒えきっていないので、昨日と同様なかなかハカドらない。最初にトロコアにPEW0.5で、−30dB=1/1000→√1000≒32ということで32ターンのコイルを巻いた。コイツを2個作成しケースに収めます。しかし、ケースが少し小さ目で、穴開け位置も対称にしたため、メインルートの1ターン部のファラデー・シールドは対応できたが、サブ側はスペースの関係でファラデーシールドは無し。それよりスペースの関係で、1ターン部とコイル部が接触している。これでは、リターンロスは期待出来そうにもない。まぁ、VHF帯で使用しないから適当でもいいヤァ、というコトで Hi。ここで今日も時間切れ。
2009-11-14 方結とATTの特性
 さぁてとぉ、性能はどうよぉ? HYDのスペアナにはトラッキング・ジェネレータが内蔵されていない(だからこそ安かったのだが)。シグナル・ジェネレータも田舎にQSYして手元に無いし、F特をどうやって測ろうか。ツラツラ考え、アンテナアナライザRF−1とスペアナのレベル表示を使用することにした。先ずはRF−1を発振器として使用し、1.5MHz〜30MHzのATT量を測定します。10dBと20dBのATTとも±0.2dBに入っている。なかなかのF特である。次いで方結の結合量とリターンロスを測定した。こちらも−30dB±0.4dBと大変良好である。30MHzでのリターンロスが−15dBと厳しいが、ギリギリHFバンドでは使用可能である。どうやら、この状況ではATTも方結も144MHz位まではOKだろうと推定。RF−1は30MHzまでしか出ないので、50と144MHzはIC−7400の送信波を使用した。送信出力を絞り切ると、AMモードで2W位となる。20dB−ATTを入れると、+13dBm程度になるので、スペアナは壊れない。この状態で方結の減衰量を測定したが、50MHzは−31.6dBで良好であるが、さすがに144MHzは−24.2dBとかなり悪い。残念ながらリターンロスは、10dB以下で使い物にならない。方結が所期の性能を出していることを確認して、今度はATT側を測定した。10dBと20dBとも144MHzでも±マイナス0.4dB以内で、大満足である。
↑ テプラで書き込み ↑ 偏差を書き込んで完成
2009-11-15 スプリアスと周波数偏差の測定
  方向性結合器とATTを製作したので、先ずはスプリアスの測定です。各バンドで確かめたが、どうやら心配していた±1MHzのオバケは出ていない、
ウレシヤ。受信側も、グルグルとダイヤルを回してビート音を聞いたが、32.000MHzは当然として、その他には10.000MHzだけであるので、こちらも合格である、う〜んヤッタネェー。
 もう一つ気になっているのが周波数精度である。3時間ほど放置プレーをさせた後で、周波数偏差を測定します。3.600000MHzで、−0.957Hz、10.100000MHzで−0.96Hz、・・・〜・・・、145.000000MHzで−1.0Hzとなった。カウンタの桁数の関係で、バンドにより表示値は異なるが、全てのバンドで一様に0.96Hz程ズレていると考えてよさそう。
う〜ん、何でだろう? ここで、ブロックダイヤグラムと回路図を出して来て、じっくりニラメッコ。フ〜ム、DSPの60MHzのクロックOSCか、D/A ConvとA/D Convの24.576MHzクロックOSCが怪しいとみた。36KHzの信号をDSP処理でジェネレートしているが、ここで1Hz程ズレていると考えると、全バンドで一様にズレてしまっている説明がしやすい。この2つのOSC回路は、両方ともロジックICを用いた無調整水晶発振回路である。36KHzの3rd IFで偏差0.95Hzというのは約26ppmで、普通の水晶発振回路の周波数偏差とほぼ同じである。これを調整して、何とか0.1Hz以下に追い込みたいが、...。

【邪推】
 回路図が入手出来ていないので何とも言えないが、ICOM社のフラッグシップ機のIC−7800や7700のブロックダイアグラムを見る限り、IC−7400と同様に、DSP部分は基準周波数である10MHzのOCXO(±0.05ppm)とは別クロックのように見える。そうなると、高精度・高安定度の外部10MHzを供給しても、36KHzをジェネレートしているDSP部分での偏差が現れる筈である。周波数が36KHzと低いので、偏差は無視できそうであるが、HYDのIC−7400と同様に、1Hz程度は簡単に悪くなるので要注意である。


2009-11-22 ガックリ!
 朝早く起き出し、
「何が何でも今日中に0.1Hz以下に追い込むゾ」の意気込みでIC−7400のケースを開けます。たぶんDSP処理用のクロックはA/Dコンバータ用の24.576MHzが36KHzの発振周波数に関係しているのだろうと推測している。この24.576MHzは、ごく普通のロジックICによる水晶発振回路である。水晶にパラ接続されている2つのコンデンサを変えることで、周波数の微調整が可能である。これを行って偏差を小さくするツモリである。先ずはDSPユニットを探しますが、上側には見当たらない。「アレェー?おかしいナァ、下側には無かったような気がしたが、...」。下側のケースを外し、DSP基板を探しますがやはり見当たらない。で、ブロックダイヤグラムを見るとDSPユニットはMainユニットと2つのコネクタで接続されている。で、よくよく見ると、10cm×5cm×1cmほどの小さな金属ケースがMain基板にピギー・バック式にクッ付いている。ケースの大きさがちょっと小さ過ぎるが、コネクタ番号を見ても間違いないようだ。小さな金属ケースをドライバーでコジ開け、中を見ます。でも、A/DとD/AコンバータのICなどはあるが、DSPのICや2個の水晶は見当たらない。小さな穴から中を覗くと、中にも基板のようなモノが見える。どうやら2重構造になっているようだ。奥の基板にDSP−ICやXtalがあるのだろう。でも、上側の基板がケースに2箇所で半田付けされていて、これを外すだけの蛮勇はなかった。上側の基板にはCPらしい端子もある。回路図を見ると、24.576MHz発振にはCP端子の記述があるので、このチェックポイントで発振周波数を確認したいが、CP番号等が何ら表示されていないので、これも確認できない。う〜ん、全くお手上げである。こうなると、0.95Hzのズレで我慢するしかないカァ、残念だけれど。

★負け惜しみ★
 0.95Hz低いというコトは、1Hzだけ頭の中で補正すれば、
    偏差は0.05Hz以下
 とも言える。この値は狙っていた0.1Hzの精度以上である、チャンチャン


■無断で転載される方が居られるので回路図は載せません。
  32MHzのPLL回路図が欲しい方はメールを下さい。
↑ 上の金属ケース内にDSPユニット ↑ DSPユニットの内部
 ■これで、無謀なる挑戦日記を終えます。今回も叱咤・激励等、感謝いたします。
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