マンションからの14MHzアンテナ  
(アパマン・ライフ)

 
「アンテナは地上高1.5mのマイクロ・バート(MV)アンテナです」と言うと、少なからず問われるのが、「それって、EHアンテナか何かですか?」です。詳細はCQ誌のバックナンバーを見て頂くとして、外観をイメージされて、こんなアンテナでも電波が出せるんだぁ、と思って貰えられればうれしいです。 リタイア後に飛騨の実家に戻って、百姓の家を継ぐ(といって財産がある訳ではなく、年老いた老母の面倒を見る)必要があるなど、イロイロ理由があって、現在は窮屈なマンション暮らしをアエてしています。しかも8F建ての1Fに住んでいる。アマ無線を楽しまれている殆どの方からは、「エェーッ、1Fなのぉ!どうして高い階にしなかったのぉ?」と言われる。とにかく「バカと無線屋(本当は煙)は高い所が好き」と言われる位に、アンテナが高くないと電波は飛ばないのです。まぁ、これもイロイロ理由があって、最低階の1Fに住んでます。でも、1Fでも良いところはあるのです。先ず、(草むしりが大変ではあるが)庭があり開放感があります。当然、ちょっとしたアンテナを建てやすい。しかもウチのマンションは丘陵地の傾斜部に建っているので、1Fでもそれなりの見晴らしなのです。道路面よりズゥーッと高いので、1Fでも治安は良いのです。電波が飛ばないとは言っても、英語の苦手なHYDは、DX(遠距離)通信をすることは少ないです。せいぜい国内通信が楽しめられれば、御の字なのです。

 ということで無線もソコソコに楽しめる筈と思っていたのですが、いざHFのアンテナを張ろうとすると、狭い庭では物理的にさすがに難しい。当初、お手軽にアパマンHAMのスタンダードである「ATU+ロングワイヤー」で7〜28MHzまでQRVしようとした。米国からSG−239を個人輸入し、早速オン・エアー。でもVSWRはシッカリ下がるのだが、雑音がヤタラに多い。どうやら電波は飛んで行っているようなのだが、受信がどうにもサッパリ。このため、アンテナ形状をループにしたり、フィルタを入れたり、展張方向を変えたり...、アレコレやってみたが、どうしても解決できない。とうとう、この方式をアキラめてしまった。

 次いで、アパマンHAMの定番の一つであるマグネチック・ループ・アンテナを作る準備を進めた。ところが、イザ製作しようとする段になり、大きな問題にブツかった。その特異な形状と大きさである。14MHzに出ようとすると、直径1m以上のループが必要で、これを庭に設置するとズイブンと目立つのである。こんなモノをマンションの庭に置いたら、隣近所からクレームが出るのは必至。ホームセンターで部品をカゴに入れている最中に、このコトに気付き
急キョ取り止め
 Mループアンテナの計画を取り止めてスグに、CQ誌でEHアンテナの製作記事が掲載された。思わず「これだぁ!」と思ったのだが、どうにも理論的なコトが飲み込めない。この記事の反響は大きく、各氏がイロイロと追試をされたようだが、不思議なことにどの結果も「?」のようである。成功例はあるのかしらん。本家の米国をWeb検索しても、同様に「?」のようである。どこかの砂漠で大規模に実験した結果も掲載されていたが、フィーダー部分で輻射しているとしか思えないデータである。う〜ん、私の頭では、どうしてもEHアンテナの原理が理解できない。という訳で実験すらせずに、これまた計画を放棄。

 ソウコウしている内に、今度はMVアンテナの製作記事がCQ誌に掲載された。こちらはフィーダーから輻射すると明言しており、理屈も良く理解できる。しかも(庭の奥行き+同軸の短縮率)を考えると、14MHzのアンテナがシッカリ張れそうである。で、早速製作開始のゴング。設計データに関してはCQ誌を参考にして下さい。HYDが製作する際に注意したのは、「隣近所からクレームを受けないこと」である。このため、

 @ラジエータ部分は10mmと細径のアルミパイプ
 A目立たないように長さ1m
 Aラジアルも目立たないように、細い3D−2V
 BSSTVでの運用が中心なので、耐電力を上げるため
 CRF阻止部のフェライト・コアはFT−240#43を2個

です。実際の設置状況は、デジカメ写真とスケッチを参考にして下さいナ。何と地上高は1.5m程度です。
「こんなんで飛ぶんかァ?」と疑問をお持ちのアナタ、それは正しく正解です。HYD自身がそう思いましたから Hi それでも、チョコ・ちょこっと調整しただけで、VSWRがスゥーッと1.1以下にまで下げることが出来ると、不安は薄らいでいきます。雨の影響を避けるため、コイル部を自己癒着テープで巻いたため、最終的にはVSWRは1.4と悪くなってしまいましたが、十分に許容の範囲。再調整すれば、1.1位には下げられると思いましたが、テープの脱着が面倒臭くて再調整はしませんでした。それでも14.0〜14.35MHzで2.0以下とスコブル良好です。で、早速に「CQ SSTV」の電波を出します。すると、イトも簡単に呼んで貰いました。レポートを貰うと「少し弱いが、4m長で1.5m高のアンテナとはトテモ思えない」というコトです。まぁ、このバンドは皆さんCQ、八木などFBなアンテナをお使いですから、こんなモノかもしれませんネ。心配していた地上高ですが、打上げ角が高くなった分、国内向けには案外に丁度良いのカモです。それでもCondxが良い時には、DX局とSSTVのQSOが出来てます。ロー・パワー+プアー・アンテナでも、マイナーなSSTVではそれなりにQSOできるのです。まぁ、ソコソコ楽しめられれば、○なのです。どちらかというと、QSO(交信)するより、半田ゴテを握るほうだし、アクティビティも高くはないからネェー。

14MHz MVアンテナの構造 

14MHz MVアンテナ、少しラジエーターが傾斜している Hi

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