■   60代でQUAD(40代)を上げる  ■
 現在、SpiderBeamANT(トライバンダー、ヘビーデューティ仕様)を上げて使用している。コイツはエレメントが折れ曲がっているとはいえ、フルサイズなので割りと大きなアンテナである。エレメントがワイヤーで、ブームがグラスファイバーであるため、軽いのが特徴で、ヘビーデュティー仕様でも11Kgとメチャ軽い(ペディション仕様は6Kg)。そこそこゲインがあり、トラップコイルが入っていないので、1KWのSSTV連続送信でも平気の平左でエラク頼もしい。たったの1年間での使用なので何とも言えないが、ワイヤー主体なので風にも強いのではないかと思われる。

@ ただ、実際に使用してみて分かった欠点が一つだけある。14/21MHzが3エレなので6本、28MHzが4エレで4本のフルサイズのエレメント長のワイヤーが文字通り蜘蛛の巣状に張られている。これにブームを上と下に吊り上げ/下げするケプラー素材のワイヤーが12本ある。ワイヤーの数は多いが、これらはアルミパイプと比べると極めて軽い素材のため、重量は軽いのである。で、当地は豪雪地帯ではないが雪国であり積雪がある。厳冬期の雪は問題ないのであるが、初冬と晩冬の雪が実は問題大なのである。これらの時期の雪は重く、これに強い風が一緒に吹かれると、ワイヤーに雪が付着し、きりたんぽやバームクーヘンのようにドンドンと雪がくっ付いて太くなって行くのである。ワイヤーの数と、その長さを考えると、これらに付着する雪の重さは想像し得ないくらいである。しかし、ブームの素材がグラスファイバーで強固な上に、しなりがあるので、これまで何とか持ち堪えてきている。でも、早晩に壊れるのは必至だろう。
A アンテナを上げる際、当初は14MHzのモノバンド・アンテナを上げるツモリであった。イロイロと検討している内に、モノバンドより軽くて、上げている人が少なく、何より安価なSpiderBeamANTに目を付けた。その内にヘビーデューティ仕様が発売されたのを機に購入したのである。当初は「14MHzだけでいいやぁ」と思っていたのであるが、助平ゴコロが芽生えたのか、21MHzや28MHzにQRVし始めると、CondxのFBな時のハイバンドの面白さに心を奪われた。それと同時に、地上高8mと低いながらもWARCバンドのダイポールも上げ、特に18MHzの面白さを覚えてしまった。...すると、「WARCバンドでもビームANTを上げたい」ココロにもなってしまった、超スケベーなHYD。


 こうなると、この2つの解決策に日夜頭を悩ませるコトに相なる。
うそ、そんなことはないワナァ。前々から一度はキュビカル・クワッドを上げたいと思っていたので、スグにこれに飛びついてしまった。ローカルのOMや仙台時代からのバイクのお師匠さんも同じCQを上げておられる。仙台のOMは10数年から使用されておられ、雪にも台風にもビクともしないと太鼓判を押して貰っている。こういう状況では、頭を悩ます必要はないのである。唯一、超ローカルのOMの一言「どうせなら2エレではなく4エレを上げたらぁ!」が頭に引っかかった位である。2エレでも20Kgの重量である。ステー無しのパンザマストに上げるには、これ以上の重いモノは上げない方が賢明だろうと判断した。それにコストもドンドン高くなるしネ。で、ブログ風にANTを上げる経緯を記して行きたい。参考になるようなコトはないだろうが、何かの足しになれば幸いである。
雪の重みで枝垂れ桜に
元気な状態
2012年12月某日
 注文に際し、少し質問したいことがあったので福井のパーフェクトQUAD社に電話を入れた。すると奥さんが電話口に出られ、「現在入院中なので...、でも春になったら...」というような内容であった。
げっぇー、もうJAではCQを上げられなくなるのかぁ!!

2012年12月某日の翌日
 それでも諦め切れず、入院されて居られるのが分かっていながら社長の川口OMにケータイを掛けるバカ。電話口に出られなくても「しょうがない」と思っていたが、明るい声で応答があった。失礼を省みず電話したコトの理由をお話し、健康状況などをソレとなく聞いた。どうやら春には退院できるようであるが、その間に入退院を繰り返すような内容であった。今は無理だが、暖かくなれば出荷できる健康状態になるだろう、というコトで安心して電話を切った。どうやら少し待てばアンテナを上げられそうである、
ウレシヤ

2013年2月1日
 まだ春にはホド遠いが、体調等のコトも気になって様子見のケータイを入れた。すると今度も明るい声で「まだ入院中である。でもスグに自宅に戻り、その後3月始めに手術する予定である。今注文をしてくれれば、手術の前に出荷出来るように作業する」との有難いご託宣。「こりゃぁ、スグに注文しなくちゃぁ」ってんで、スグに銀振りし、「払い込んだ+ご自愛するように」のFAXを流して注文を行った。

2013年2月15日
 川口OMよりケータイがあり、「今月中に納品できるように頑張っている、3月に入ると手術しなくてはならない...」との由。「体の方が大事なので、無理せずに作業して欲しい」ような話をお伝えした。う〜ん、でも待ち遠しいナァ。

2013年2月26日
 昼過ぎに運送業者が2個口の段ボール箱を運び込んで来た。送り主を見るとパーフェクトQUAD社である。社長、体調が悪いにもカカワらず頑張って組立てキットを作製して送ってくれたんだぁ。で、長さ4mほどの細長い方のダンボールを持ち上げると意外にも「
重たぁー」であった。そりゃーそうである、仕様でも20Kgと書かれているアンテナである、SpiderBeamANTと比べるのがドダイ無理なのである。小さな方のダンボールの方も結構重たい。う〜ん、この2つの重さのモノをマストの上に上げるのはチョイと骨が折れるかも。それにしても、3エレ、4エレのCQにしなくて良かったワイ。
 自宅から1Km離れたシャックに資材を運び込むべく軽トラに載せるが、長い! それに
重たい!クドイってば) シャックの前の道路で中を開けて見ると(雪で車は入って来られないからネ)、ロッド、クロスマウント、ブーム、エレメントの硬銅線、ガンママッチ部等と組立て説明書が入っている。1本のグラスファイバーロッドにはコーナー処理の方法が分かるようなサンプル部が組み立てられており、社長のアンテナへの思いが伝わって来る。さぁ、まだマダ雪があってANTを上げられないので、その間にジックリと説明書を読んでから組み立てることにしよう。
コーナー部の先端処理のサンプル
14/21/28MHz用ガンマ・マッチ部
2013年3月9日
 組立セットが届いてから随分と日ニチが経過したが、製作作業は全然ハカドっていない。強い寒波が押し寄せて来て、どうにも身動きが取れなかったし、またTX5Kクリッパートン等のペディションがあって、製作作業への腰が上がらなかったのである。それでも、急に春のポカポカ陽気になり、TX5Kも10/14/21でQSOが出来、モードもCW/Phone/RTTYと出来たので、重い腰が上がった。最初の作業はスプレッダーにエレメントを張るコーナー処理用の止め金具を取り付けるコトからスタートした。5バンドなので、スプレッダーに5個の金具を取り付ける。またスプレッダーはラジエータとリフレクタの2つで4×2の8本。ということで計40個もの金具を取り付けるコトになる。金具は丈夫なプラ糸でシッカリ締めるのだが、コレがなかなかうまく締める/留められない。最初は右手と左手の2つで、この締める/留める作業を行ったが、うまく行かない。途中でナリフリ構わず口の中の歯を用いて、両手と合わせて3つで作業を進めた。この3つ目の歯のお蔭で作業は波に乗ってハカドった。それでも、途中で、ペディション局を追っ掛けたりしながらだったため、4時間ほども要した。
サンプル(上)と比べて雑な巻き糸処理 40本の作業終了
2013年3月10日
 自宅のPCが逝ってしまった。電源っぽいのだが、色々とCHKしてもラチがあかない。しょうがねぇなぁ、新しいPCを購入しよう。ところが、ここで大失敗。『新しいOSにしておいた方が無難だろう』という安易な発想で、Win8の格安PCを発注した。この新しいPCが、今日届いたのだが、
何とも使いにくいOSである。出しゃばり過ぎるし、オーナー様に楯突くし、オーナー様にでも隠し事をする、どういうOSなんだぁ!! ローカルのOMのWin7を使用したことがあるが、こちら割とは使いやすかった。という訳で、HYD的にWin8は××である。
 途中で頭に来てしまい、気分転換にQuadの組立説明書をジックリ読んだ( not 見た)。をいをい、順序が逆だってばぁ。

2013年3月12日
 先日、装着した各スプレッダーに取り付けた止め金具に、添付されてきたエポキシ接着剤を指でスリ込んで強度を増した。たぶん、エポキシの樹脂成分で結わえたプラ糸の耐久性も増すのだと思う。それならば、という訳で、十分過ぎる量をスリ込んだ。このエポキシ、固まるまでの時間が長い。その分、強固な耐久性を維持してくれそう。しかし、十分過ぎる量を塗布したのである、当たりの然でエポキシが垂れるワナァ。1時間程経過したトコロで、スプレッダーの向きを180度回転させ、万遍なく垂れるようにした Hi  過日、スプレッダー下のコンクリート床を見ると、幾つもの下に垂れ落ちたエポキシの痕跡が...。

2013年3月15日
 先日塗布したエポキシ、さすがに3日間も経過したので確実に強固な状態になった。ここで、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を地で行くHYD。キットに一緒に添付されてきたエポキシ接着剤と全く同じモノをホームセンターで購入(720円也)してきて、もう1回エポキシを指で塗り込んだ。タブン屋上屋を重ねる愚になるのだろうが、「念には念を入れろ」ということもある。垂れて片側に偏ってしまうので、今回も1時間ほどしてからスプレッダーを半回転した。
2013年3月22日
 Quadを組み立てるため、仮のマストをパンザの根本からパンザに沿わせて立てた。4mの44Φ鉄管を2本繋いで8m長のパイプにし、パンザの足場などを利用してガッチリ(ウソ、細い針金で結わえた程度)と立てた。薄い鉄管で軽い筈なのだが、2本繋ぎにしたので、地面に置いた8mもの棒を縦には出来ない。しょうがないので、先ず1本を立て、滑車でもう1本を吊上げて、上から挿し込む方法を採った。低い所での作業とはいえ、落ちたらケガ程度では済まない。しかも、超久し振りのパンザの足場上での作業のため、筋肉がパンパンに。

013年3月24日
 パーフェクトQUAD社から送られてきたクロス・マウントにはブームと固定するために2本のボルトと、そのネジが切ってある。組立説明書にも、そのことが図入りで説明されている。ところが送られてきたクロスマウントには、この2本の他に、少し小さい穴も開けられており、ステンレス製のボルトとナットが装着されていた。これには「脱落防止用貫通ボルト」と書かれたエフも付いていた。う〜ん、この貫通ボルトって何じゃろかい? 組立説明書には一切の記述はない。同社の同じCQを上げておられるローカルのOMに聞いても「?!」であった。ブームからマウントが外れる事故が起き、抜け落ちないように貫通ボルトを取り付けるように変更になったのに違いない。しかし、ブーム側には貫通するための穴がナイ・ない・無い。しょうがないので、ボール盤でブーム側に6Φの穴を両端に2か所開けた。わざわざボール盤を出さなくても良いかとも思ったが、確実に垂直の穴を開けるのには、ハンド・ドリルでは無理と判断。この穴、精度をあげないと、ラジエータとリフレクタの回転向きがバラバラになる。人間の眼って、すごくシャープで、微妙なズレも検出するので、慎重に位置決めして2つの穴を開けた。
2013年3月26日
 ローカルのOMにお手伝いをお願いして、エレメントとなる硬銅線を所定の長さに切った。当初、一人でやるツモリだったが、寒空での作業はツライので、助っ人に来て貰った次第。万力で銅線と巻き尺を一緒に挟み、所定の長さの所でペンチで切断するのだが、結構な力で引っ張らないと、タルミが出て誤差が生じる。で、力を入れざるを得ないのだが、重い万力の筈なのにスグに動いてしまう。ここで、助っ人マンパワーの登場である。万力+人力、このコンビネーションはVY FBで、誤差を生じなくて(?)切断できた。次いで、スプレッダーの各止め金具に銅線が直接当たってエレメントが切れてしまわないように、コーナー部にプラ製のチューブを所定の位置に取り付け、油性マジックで印を付けた。このアイデアはローカルのOMのコピー。銅線に油性マジックで印をしてもスグに分からなくなってしまうのである。この作業も手伝ってもらった、一人ではきっと難しい筈である。この後、折角マーキングしたチューブが動かないようにビニールテープで仮固定した。5バンド×4隅×2(ラジアル・リフレクタ)となるので、40個のチューブとマーキングになる。各バンド、放射/反射が分かるように各エレメントにはエフで識別できるようにした。割と時間を要する作業で、昼過ぎに始めて、終わった時は薄暮であった。寒空の中での長時間のお手伝い、ローカルのOMさんに
感謝・カンシャ
2013年3月27日
 今日も昼過ぎから作業を開始した。3月末とはいえ当地では東京辺りの真冬並みの寒さなので、朝からの作業は寒くて出来ないのである。先ずブームにクロスマウントを取り付け、これを仮設マストの3m高ほどの所で固定した。次いで、前後のクロスマウントに、それぞれのスプレッダーを取り付けた。ブームとクロスマウントはルーズに締め付けているので、スプレッダーを取り付け、このスプレッダーを回すと全体が回転し、楽々と取り付けられる。それでも、8本のスプレッダーの取付を終了したのが16時過ぎであった。
サマになって来ました
2013年3月28日
 今日も寒いが、頑張って朝の10時頃より作業開始。リフレクタ側の一番外側の14MHzからエレメントの銅線を張っていきます。先日マーキングした位置が止め金具の位置と合うようにして、蜘蛛が巣を張るようにスプレッダーを回しながら張っていきます。ワイヤーの最初の部分と最後の部分はお互いに半田付けしてループにするのだが、とりあえずタイラップで仮止め。この後、内側の18MHz用のエレメントを張り、どんどん内側のエレメントと進めます。一人での作業なので結構時間を要して、リフレクタ側の5バンドとラジエータ側の14MHzが終わったのが17時と、もう薄暗い。寒いし危険が危ないので今日はココまで。
画像を縮小したらエレメントが見えません SRI →
2013年3月29日
 今日も朝から製作続行です。昨日やり残した18MHz以上のバンドのラジエータ側のワイヤー張り。手慣れたせいか、順調に進んで午前中に終了した。昼からはリフレクタ側のエレメントの半田付けをするツモリ。ところが、これが一人では難しい。両端を引っ張って、仮止めし、細い銅線をバインドして、最後に半田付けするだけである。何が難しいかというと、両端を引っ張るのに結構な力が必要で、なおかつ仮止めするにも強力な締め付け力が必要なのである。2人での作業なら何とかなるが、これが一人となると難しい。で、お決まりのクランプやら小型の万力などを持ち出して来て、締め付けてみるがナカナカうまくいかない。
 ここでハタとヒラメいた。そうだぁ、圧着端子で締め付けたらどうだろうかと。急いでスリーブの圧着端子を出して来て、これで両端を引っ張ってきて止めてみた。どうやらウマクいったようである。安全のため2か所をスリーブ端子で止め、組立説明書の通りに両端を細い銅線でバインドして半田付けした。念のため、スリーブ部分も半田上げした。リフレクタ側の5バンド(5箇所)を半田付けして、今日はジ・エンド。
2013年3月30日
 今日・明日とCQ WW DX WPX Phoneコンテスト、一応参加しよう。で、途中の合間・合間で昨日の続き。今日はラジエータ側の半田付けである。昨日と同様にスリーブ端子で圧着し、半田付けするのだが、半田付けがうまくいかない。イモになってしまう。どうやら、@夜露でワイヤー(硬銅線)が少し錆びてしまって被膜が出来てしまっていた、Aアイニクの寒風が猛烈に強かった、Bアルミパイプに圧着端子でアースする構造になっており、コテの熱がアルミパイプ側に伝導して逃げてしまう、のためのようである。100Wの大型半田ゴテなんだが...。しょうがないので、半田付けは後日にしよう。
 コンテストの方は、とりあえずウッチャイておいて、先ず各バンドのVSWR調整を試しに行ってみた。ローカルのOMからのアドバイス
「高くて危ない所でイキナリ調整するのでなく、先ず低い所で調整の勘所を会得するべし。それから高い所で調整した方がベター」を実行したのである。エレメントの一番下側の14MHzのワイヤーが地上高30cmほどであるが、ガンマ・マッチのマッチングポイントまでの距離や突き出す長さ、それに可変コンデンサ量を変えると面白いようにVSWR値が下がって1.5以下になる。気を良くして、他のバンドでも試すが、どのバンドも1.5以下に下がってくれる。これなら、高所でも大丈夫ィ。
2013年3月29日
 今日は朝から雨で作業不可。しょうがなくて、コンテストに参加
(ヲイヲイ)。それでも、Condxは上向きなんだろうか、運用時間は短かったが140数局とQSOできた。

2013年4月1日
 今日は風もない暖かい日なので、先ずはラジエータ側の半田付け。紙ヤスリでスリスリした後、半田ゴテを当てると簡単に半田付け出来た。一昨日とは打って変わっている。
 さて去年の4月1日は忘れもしないSpiderBeamANTを上げた日である。で、今年はというと、このアンテナを降ろすツモリ。先ず、邪魔になる7MHzのDoubleBazzkaと10/3.5/1.9/1.8MHz用のLongWireを降ろした。この後、大型のSpiderBeamを降ろすべく、パンザの先端まで登った。そして、ブームを支えているステーを緩めて、5本継なぎになっているグラスファイバー製のパイプを外そうとしたが、思うように外れない。いくら軽いファイバー製とはいえ、5m長の端っこを持って全体を持ち上げることは難しく、またクロスマウント部のボルトを外しても容易にパイプが外れない構造であった。パンザの根本には既にQuadが組み立ててあるので、軽はずみにSpiderBeam をバラして下に落す訳にも行かず、思案に暮れたHYDでした。しょうがねぇなぁ、高所作業車でも借りて来て、蜘蛛の巣を撤去作業をするしかないかぁ??

2013年4月4日
 午後から、ローカルのOMの応援を得て組立てていたQuadをサラに3mほど高い所に上げた。少し高い所に滑車を取り付け、2段のアルミ・ハシゴ(6m?長)を借りて来て、OMにロープを引っ張ってもらい、HYDがQuadをバランスを取ってハシゴに登って上げた。これは、地面スレスレではなく、ある程度の高さの所でVSWRの調整を行い、そのまま15m高に上げるツモリだからである。
 6m高ほどに上げた後、ローカルのOMからお借りしたMFJ-259Bで、14MHz→21MHz→28MHzと調整した。順調にVSWRが下がったが、この後が
イケない。念のために、28が終わった後、14MHzを再測定すると「???」と3つもマークが頭の上に点灯した。ヌル点が変わってしまっており、そのヌル点のVSWR値もグ〜ンと高くなってしまっている。マッチグ・ポイントまでの距離や突き出す長さを変え、同軸コンデンサ量も変化させて調整するが、先程とは打って変わって、低くならない。アレこれとイジるが、うまくいかない。そうこうしている間に、人間の立ち位置によりVSWR値が変わるのを発見。考えてみれば当たりの然で、いくらQの低いQUADでもループのスグ近くの人体が影響しない訳がない。また、ハシゴの上で作業をしているが、このハシゴ(アルミ製)の方が人体よりさらに影響している。しかし、ハシゴがないと調整も出来ないし、調整後の半田付けも出来ない。しょうがない、危険ではあるがハシゴを垂直に近くして、なるべくエレメントから離れるようにした。
 しかし、コレで調整がうまく行った訳ではない。実は、コレ以外にVSWRに大きく影響するモノがあった。それはマッチング用の銅線の剛性である。同軸コンデンサから延びる銅線は円弧状でマッチングポイントに接続されるが、この円弧とエレメントまでの距離でVSWR値は変化する。これも考えてみれば当前の話である。同軸コンデンサから出ている線の向きを変えるとVSWR値が変化するので、この要素も加味する必要がある。再現性が無かった理由は、狭い所での作業のため、円弧の部分を身体が触ってしまい、向きが変わってしまったためのようである。これらのことから、HYDのようにラジエータの内側で調整するのではなく、ラジエータの外側から調整を行うのがベターと思われる。一応、14/21/28の3バンドが終わったトコロで仮止めし、今日は作業終了。
6m高ほどに上げてVSWR調整 SBAをどうやって降ろすか?
2013年4月5日
 快晴のFBな天気である、今日もVSWRの調整をしよう。先ずは、昨日調整した14/21/28の3バンドの確認から。ナニゲにMFJ-259Bの値を見るが、またしても元の木阿弥状態ではないか! う〜ん、恐るべしクワッド
手強し。とか、言ってられるような余裕のヨッチャンではない。この時は「ぞぉーっ」となった。実は、天気予報を見ると、明日から爆弾低気圧が来襲し、6日と7日は強風+大雨の荒れた天気になるとの予報なのである。8日の日には、高所作業車を予約しており、ローカルのOMにも助っ人をお願いしている。そう、8日にはパンザ頂上部にクワッドを上げるツモリなのだ。今日中に調整を終わらせないと、SpiderBeamANTを降ろし、Quadを上げる予定が丸っと狂ってしまう。だけでなく、その後の予定(一応、百姓もしているので、田んぼや畑の仕事...)も狂ってしまう。また、この後に祭りの準備やら例祭、後片付け等の予定も入っているので、予定をズラす訳には絶対にいかない。
 どうやら、又しても自分の身体でマッチング・エレメントを動かしてしまい、円弧部分の向きを変えたようである。という訳で、イチからヤリ直し。14MHzと21MHzは容易にVSWRが下がってくれたが、今日は28MHzがうまくいかない。ヌル点は出て、ボトムでは1.0近くまで下がるのだが、バンド幅の実用域がせいぜい200KHz程度と極端に狭い。これでは10mバンドはCWかSSBの専用ANTになってしまう。午前から始めて午後2時ごろまで粘ったが、ラチがあかないのでSSB用と割り切って、ボトムを28.400MHz辺りになるように調整した。
 次いで18MHzと24MHzのWARCバンドの調整です。どちらもバンド幅が狭いので、両バンドとも1.2以下にまで下げられた。この状態で、再度14/21/28MHzバンドを確認し、5バンド全てのマッチングポイントの半田付けを行い、最後に自己融着テープ+電工ビニールテープで保護した。最後に念のため各バンドのVSWR値を見るが、当たりの然で、先程と変わっていない。う〜ん、やっぱりねぇ。これからハイバンド、特に28MHzはCondxが悪くなるから、コレで良しとしよう。でもイソップの
「酸っぱい葡萄」だなぁ、やっぱり。

2013年4月6、7日
 予報通り大荒れの天気になった。でも死者まで出た北海道や東北と異なり、この辺りは雨はソレナリに降ったが、強い風は吹かずに、無事に済んだ。仮止めのクワッドが超心配だったのだが、ウレシヤ。

2013年4月8日
 イヨイヨ、アンテナを上げる当日である。朝も4時過ぎの、早よから起出しアレコレ思案のHYD。というのも、蜘蛛の巣アンテナをウマク降ろす手だてが浮かんでいないのである。まぁ、うまくいかなければ、エレメントやステーのワイヤーをブツブツと切れば良いだけなんだが、何とかオリジナルのまま降ろしてしまいたいHYD。どんどんと夜が白け始めて、
朝、あさぁー、である。朝食までにはズイブンと時間があるが、イロイロと雑念が浮かんでは消え、...。しょうがねなぁ、起きるとしよう。
 起きたトコロで、別に何もする訳ではない。ただ、アレコレと思案するのみ。それも「蜘蛛の巣アンテナを無傷でどうやって降ろすか」と「どうやってクワッドを安全に上げるか」の2つのみ。でも、「当たって砕けろ」式の答えしか出ない。
 朝食後、アレコレと諸準備を終え、昼の12時過ぎに家を出て、軽トラで隣町の同級生の家へ。同級生の彼はアマ無線の免許も有しているが、玉掛、大型、高所作業etc.の免許を有している。彼にお願いして高所作業車の運転をして貰うツモリである。彼を軽トラに乗せて隣町の高山市の高所作業車のレンタル会社へ行きます。ココには26m高の作業車まであるが、ソコまでは必要ないだろうというコトで、22m高の作業車を予約してある。半日で20K円、というレンタル料で借り受け、シャックに向かいます。
 到着すると、スデにローカルのOMsが待ち受けておられ、ヤオラ作業開始です。高所作業車の免許を有する同級生は高所作業が苦手ということで、ローカルのOMと二人でパケットに乗り込みます。先ずは、蜘蛛の巣アンテナの撤去作業から開始です。ワイヤー類を無傷のままで撤収したかったが、やはり切らないことにはブームのパイプを外せない。しょうがないが、ケプラー素材とテグスの両ステーをニッパーでブツブツと切ってしまい、ブームを外します。もともとSpiderBeamANTは軽量で有名なアンテナ、ブームを外せばクロスマウント部だけになる。当然、小指でも持てる位に軽い。キレイに蜘蛛の巣を取り外し、高所作業パケットの中に収容します。コレを地面に降ろしたトコロで、今度はいよいよクワッドを上げる作業に移ります。
アウトリガーを降ろして作業開始 パケットの中に「蜘蛛の巣」収容
 先ずは、仮マストに取り付けてあるクワッドを外すため、クワッドより少し高い位置に大きな滑車を取り付けます。クワッドのブームにロープを掛け、下から引っ張って貰いながら、マストから外し宙ぶらりん状態に。スグにパケットにて宙ぶらりんのクワッドに近づきます。次いで約20KgのANT本体とブームを二人で持ち上げ、パケットの手スリ部分に仮置きして、ロープで軽く止めます。コレまで、「2エレでも重い」というクワッドのイメージであった。しかし二人で持ち上げるので、一人10Kg相当となり、割と軽かったです。パケットの手スリの幅が1m程もあるので、図体の大きなクワッドも少々の揺れでも安定している。このままパケットを上げて行き、パンザの天頂部まで運びます。一人では難しい作業も、二人での作業なので、さほど苦も無くマストに設置。少し離れた所から人間の目視でブームの水平や、スプレッダーの向きなどを見て貰い、これらの微調整を行って、ボルトを締めれば、取付完了です。
   う〜ん、上がったぁ、感無量。
万歳!!
仮止めを外す作業 細いマストに取り付けて完了
周りは水田 記念のポーズ
  頭の中でアレコレ悩んだことが、ウソのようにスムーズにハカドった。レンチでボルトを締めながら、同級生、ローカルのOMsのお手伝いに感謝・感謝。コレで無事に作業が終了した。半日のレンタル時間が過ぎようとしているので、ローカルのOMsへのお礼もソコソコに、急いでレンタル会社に戻り、料金を支払して家路に。まだ明るかったので、そのままシャックに急行、下からクワッドを見上げます。
   ★ う〜ん、
かっちょえぇ〜アンテナ!! 飛びも良かったら、サラに FBなんだが。
  自宅に戻り、晩酌のお湯割り焼酎を美味しく+タラふく飲みます。う〜ん、イツもより美味い Hi 夕飯を食べた後、酔っぱらった足取りで自宅から1Km離れたシャックに行きます。先ずはVSWRの測定から。14、21とソレナリの値になっているのを確認し、問題の28MHzの測定です。ココで「!?」に。何と、アレほど悩んでいたというか、諦めていたVSWR値が、FBなバンド幅で、しかも低い値になっている。う〜ん、常日頃の行いが良いと、コウいう結果がでるんだぁ(ヲイヲイ)。
 気をメチャ良くして、WARCバンドの方の測定に移ります。18MHzは問題なくVSWR値は下がっており、続いて24MHzです。ほぼ1.0のツモリで測定器(MFJ-259B)の表示を見ると、ソコに表示されている値は、2.3というド高めの数値である。う〜ん、半田付けする際、剛性で円弧状の『曲り』が変わってしまったのか? 少々残念ではあるが、QRVの機会が少ない24MHzである、諦めよう(と、またまたイソップの「酸っぱい葡萄」)。それより、結果オーライの28MHzの予想外のFBな数値に感謝しよう。
 ココで、よせば良いのにアンテナの試運転です。ちょうどウマい具合に、5W0Mサモアのペディション局が24MHzで出ています。VSWR値が高いのを承知で、RTTYモードで2,3回呼ぶと、すぐにリターンがあり、CQアンテナでの1stQSOが成立です、う〜ん、やっぱぁービームANTは良い。続いて21MHzのRTTYで珍局が出ているのを見つけ、こちらもコールします。が、
何か変、!? 。パワー計を見ても針が動かない。高いVSWR値でファイナルをドライブしたためか? ファイナルを壊したのカモ。しかし、酔っぱらった脳みそでヨクヨク調べてみると別ファイナルになっている144MHzも同様なので、エキサイターか制御ラインのトラブルのようだ。せっかくアンテナを上げたその日だというのに、シゴク残念。

2013年4月9日
 せっかくアンテナを上げたのである、アンテナの威力を実感したい。で、移動局用のIC-7000Mを引っ張り出し、50Wのパワーで14〜28MHzの各バンドにてDXを呼びます。アンテナを回した感じでは、SpiderBeamANTよりF/Sはキレる感じがします。でも、F/Bの方は悪いかも。コレも当然と言えば当然かも。蜘蛛の巣は、エレメントを折り曲げているので、F/Sの値はハナから悪い。そして折り曲げているとはいえ、蜘蛛の巣はフルサイズの3エレ八木だからネェー。

2013年4月16日
 24MHzのVSWR値が悪いのが、どうにも気になってしょうがない。このため、ローカルのOMにお手伝いを頂き、24MHzのマッチングの再調整を行った。先ずはアンテナを所定の向きに向けます。パンザの柱の外側にローテターを取り付けているため、方向によってはパンザマストからマッチング回路に少し手が届くのである。かといって、半田付けを外して、本格的にマッチングの再調整が出来るほど手が届く距離ではない。ココは、同軸コンデンサ量の調整のみ。ローカルのOMにシャックに入って頂き、VSWR値を見て貰いながら、コンデンサ量を増減します。パンザ上とシャックとはハンディで連絡を取ります。しかし残念ながら、VSWR値は仮調整時の時のようには下がらなかった。それでも、24MHzの値が2.3→1.8にまで下がった。この位の値なら、アンテナチューナーも有るので運用に特に支障はない筈、ウレシヤ。今日もローカルのOMに感謝です。

2013年4月23日
 今日、28MHz-CWでペディション局のZK3N局を呼んだ際、ナニゲに無線機のフロントパネルから少し位置が離れた所に置いてある2針式のSWR計に目を移した。で、勢いよく反射電力側の針がピコピコ振れているのを見てしまった。【?!】となって、眼が瞬間接着剤で釘付けに。オカシイ、CWバンドでは1.5以下の筈だったんだが...。2針の交差するVSWR値は2.0以上の赤いエリアである。
 ペディ局を呼ぶのを止め、28MHzバンド内のVSWR値を測ると、以前に測定した時と明らかに異なっている。う〜ん、先日の24MHzの再調整が原因に違いない。24MHzと28MHzとは周波数が近い分、お互いに影響する度合も大きいに違いない。さぁてとぉ、どないしょうかしらん。
...このドサクサで、28MHz-ZK3Nは未交信のまま...

2013年4月24日
 朝から雨である、予報も終日雨のようだ。それならば、という訳でローカルのOM(CQアンテナのユーザーでもある)に手伝って貰い、指向パターンの特性を測定することに。大昔に製作したステップATTと無線機のSメータ値で測ります。このATT、測定誤差を測定したことがあるが、自作ながら30MHzでも誤差±0.2dB以内のスグれものである。でも1dBのステップなので...。相手方もパターン特性を測定するのが今回が初めてだったので、お互いに測定しあった。このため、2時間ほど要して終了。F/Sは切れる感じがしていたが、結果もそのようである。逆にF/Bは??のバンドもある


2013年5月2日
 現在、このクワッドを使用してDX局を追っかけております。18/24MHzでは、間違いなく地上高が8mと低いダイポールと比べて飛びが違うのが実感できます。でも、コレは当然といえば当たり前。肝心な14/21/28MHzですが、SpiderBeamANTと比べると??です。何となく、低打ち上げ角という前評判のクワッド・アンテナの方が飛びが良いような気もしますが、蜘蛛の巣は折り曲げてあるとはいえ、3エレ、4エレ八木で、それなりにゲインがありそう...。早い話、『蜘蛛の巣アンテナ』や他のアンテナと比較して、このアンテナを評価出来るほどのHYDではないのです、キッパリ(
ヲイヲイ!)。Condxの違いやら相手局に依るところも大なのでねぇ、微妙な評価は難しいです。このため、お茶を濁すようですが、実際に測定した指向性のパターンを掲載するにトドめます。なお、24/28MHzのVSWR値がイマイチですので、前回と前々回の中間に設定するツモリでいます。この結果が出た時点で公開したいと思います。
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