■ 下足番を不要にする丸缶の製作 ■
          ヤエス製リニアVL−1000とICOM製トランシーバーIC−7610との接続
 何人かのOMさんから、色々と質問がありましたので、拙頁に追加します。
 誘導雷にやられたVL-1000リニアとVP-1000電源を格安にて入手し、その後何とか修理して使えるように。スグに電波検査を受けて、14MHzだけだった1KW免許を1.8〜50MHzまで追加しました。ところで自作14MHzリニアの運用時に、何回も操作ミスでメーターをピコーンと振らせて、その度に肝を何回も冷やしました。気が小さいHYDは、寿命が縮まないように14MHz以外では動作しない回路を製作し、安心して運用できるようにしました。という訳で、「トランシーバーとリニアとのバンド切替は自動に限る」と痛切に感じています。ところがトコロが、私の所に舞い込んできたリニアはYAESUのVL-1000で、使用しているトランシーバーはICOMのIC-7610です。残念ながら、両者(社)間での接続は排他なので出来ません。 で、これまでICOM製のCI-X(five)の信号を解析し、その周波数データによりアンテナを自動切替したり、特定の周波数以外ではリニア動作を停止する回路/ソフトを作成してきましたが、今回はこれの三番煎じです。先ずは、VL-1000のBand-DATA端子の解析から。取扱説明書には、コネクタ端子の情報のみで、各端子がどういう信号を受けて、Band毎にどのように振る舞うのかの情報はありません。ならば、調べようってんで、ローカルのOMさん宅を訪ね、FT-1000MPから出力されるBandデータを調べます。すると単純な信号でリモートコントロール出来そうだということが分かりました。ただ、FT-1000MPには50MHzのBandが無いため、50MHzの情報は分かりませんが、類推できます。この結果は、次の通りです。TTL信号で、単純な2進法でリモートコントロールしているモノと考えられます。(この方法だと、将来60m−Bandが解放された時、YAESUはどうするんだろうか、つまらん疑問が....)
 後日、お借りしたFT-1000MPの持ち主が、新たにFT-991Aを購入されたので、未測定のため心配であった50MHzのデータを再測定させて貰ったところ、上記の類推で間違ってなかったことを確認しました。さぁてとぉ、こうなると後は作成するだけです。といっても、三番煎じですので、如何に「安く」&「手を抜く」かの工夫勝負です。出した答えは、回路は図のように超シンプルにしました。
 ソフトもANT自動切替器のソフトを殆どそのまま流用です。安価にするためケースは100均で売っている磁石で冷蔵庫にくっ付ける丸ケース。加工の難しいステンレス材ではありません。工作も手を抜くため、ケースにはコネクタ類は取り付けず、結束バンドで固定しただけ。まぁ、小さく軽いモノだし、1回取り付ければ移動したりすることは少ないからねぇ。半日ほど掛けて作成し、イキナリ取り付けて動作させましたが、超珍しく、一発で完璧動作。まぁ、見た目は「?!」ですが、実用第一で、これで良し、完了」とします。

 
止まれぃ! こんな簡単なモノでも効果は絶大である。トランシーバーのBandスイッチやダイヤルを操作するだけでリニア側も自動で所定のBandに追随してくれる。あまりRF回り込み対策をしていないが、1KW運用でも誤動作は全くない。さぁ、これでヒューマンエラーは皆無になるのだぁ。そう、ANT切替も自動、リニアのBand切替も自動、となればミスは無くなるのである。