マンションからのアマチュア無線  
(アパマン・ライフ)

 家族が仙台で、私が千葉・名古屋・新宿と5年間の単身赴任を経験しました。この間はワンルームマンション住まいで、アンテナの関係でアマチュア無線をする環境としては恵まれておりませんでした。でも、アマ無線を続けたい欲求は強く、イロイロ工夫を繰り返し、それなりに楽しめる環境にしました。それらの、幾つかを披露したいと思います。

■ アンテナ編

 何といっても、勘所はアンテナでしょうネ。UHF帯では、アンテナで困ることは少ないと思いますが、HF帯となると工夫が必要です。屋上にアンテナが建てられれば、誰も悩まないのですが、ベランダから電波を出そうと思えば答えは一つ、つり竿アンテナです。ベランダから電波を出すためのアンテナとして、2,3m長の短縮アンテナが市販されてますが、見るからに効率が悪そうだということ、耐電力が低いということ、それに意外に高価というこで、却下。アンテナは出きるだけ大きくなければならない、なおかつ、交信が終われば、部屋の中に納められる、という条件からつり竿アンテナに行きつきました。構造はいたって簡単なものです。クリ出し式のつり竿に1/4λ長の銅線を沿わせて、根元の部分で同軸の心線と接続し、同軸の外皮を直近でアースに落とせば、立派な単一アンテナの出来上がりです。図示しますと、下図のようになります。

単一アンテナの構造 

 ポイントは、直近でアースに落とせるか、否かです。さて、もう一つのポイントは、市販のつり竿の入手です。これは簡単そうで、実は結構難しいです。長尺モノのつり竿というと、5.4m(3間)長です。14MHzの1/4λが約5mと考えると、殆ど短縮無しで、フルサイズの単一アンテナが出来ます。ただ、最近はカーボンロッドの竿が一般的で、非導電性のグラスファイバー製つり竿が入手しづらいのです。値段も、カーボンが20K円程度なのに比べ、グラスは2〜3K円と非常に安いのですが、量販店では見つけづらい気がします。私の場合は、準量販店のような店で見つけることが出来ました。カーボンより重いですが、それでも片手で簡単に持てる重さです。これを、電波を出す際に、外へ突き出し、アース側をクリップで接続するだけで、即運用開始です。
 実際には、つり竿を固定する部分の長さが必要ですので、これを考慮すると、外へ突き出せる長さは、4.5m程度になるため、14MHzでは、竿の先っぽから少し下へ銅線をたらしています。アースさえ確実に取れていれば、VSWRは1.2以下になると思います。21MHzは、波長が短いので、さらに良くなるような気がしますが、イロイロ試しましたが、1.3より下へは下がりませんでした。それでもフルサイズですから、帯域全体でも1.5以下になり、実用上は全く問題はありません。多分、波長が短い分、建物のアースが問題になるのだと思います。28MHzではもっとNGでした。それでは、7MHzではどうかというと、当然短縮となりますが、一番低いところで、VSWR1.1程度に下がります。7MHzの帯域は狭いので、短縮としても、バンド全体でも、1.6以下になりました。ここで、短縮のためのコイルの作り方を披露します。私は、SSTVで連続50W運用をしたいこと、出来るだけ効率を下げたくないことから、太い線でコイルを作りました。コイルの芯には、ペットボトルを用い、強度と軽量化を図ります。適当に10m位を巻きつけ、OMから借りたRF−1アンテナ・アナライザで同調周波数を探し、あとはコイルの巻き数と竿の先っぽから垂らす長さで希望周波数に合わせるだけです。ものの10分もあれば、1.1程度まで下げられます。このRF−1は優れものです、物欲がムラムラしてきますが、今回は購入見送りです。

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