ヘッドランプ・ボックス取替 
  前回の車検では大変な目に遭っている。2日間の延べ10回もの検査ラインへの出入りで、何とか合格したものである。で、もうあの悲劇から2年が経ってしまった。それでもコりずに今回もユーザー車検で通すつもり。前回はランプ・ボックス内でランプ部を固定するビスが全部外れてしまっていて、光軸調整が出来なかったための惨劇であったが、今回は大丈ブィ。無理クリにボックス内をコジ開けて、固定しているビスを長めのビスに交換して強固に増し締めしている。当然に、光軸が調整できるコトも確認済みである。ただ、ちょっと心配なのは、前回は光量不足と表示されたため、思いっきりエンジンを空吹かしして、ようやくパスした点である。まぁ、ボックス内を無理クリにコジ開けて、レンズ等をピカピカにしているから今回はOKかなぁ。

 ユーザー車検で最初にすることは、とにかく検査の予約である。今回は先ずココでトラブってしまった。近場の横浜検査場が3月ということもあり、予約一杯でNG。湘南も同様である。しょうがない、今回は少し遠いが相模原の検査場まで行くとしよう。朝早く起き出し、相模原まで出掛ける。受付は8:45から開始だというのに、8時には現着。缶コーヒーで一服しても時間はタップリ。そうこうしている内に、業者の方が書類を挟んだバインダー片手にウロウロし始める。そうかぁ、検査の受付は8:45からでも、自賠責等の他の手続きはもっと早くから出来るんだぁ。ってんで、検査受付時に提出する全ての手続きを済ませ、ユーザー車検の受付に並ぶのでした。

 ここまでメチャ順調に進んだが、やはり好事魔多し。受付で「予約番号は?」と問われるも、Webから予約したのだが、確かそんなものはなかったような...。イロイロやり取りがあったが、何とか検査をしてくれそう。2番の好位置で検査ラインに入ります。車体下の油のニジミ等のチェックにズイブン時間を掛けたがOKとなり、灯火類・警報・排気音のチェックもパスします。ここからイヨイヨ検査ラインに入ります。4回目のユーザー車検ということもあり、余裕のヨッチャン...の筈であるが、2年も経つとスッカリ忘れ果てている。検査場のお兄さんに教えて貰いながら、排気ガス、ブレーキ、スピード・メータの各検査をパスして、最後の難関のヘッドランプである。まぁ、1回で通らなくても2、3回で通るだろうという甘い考えではあった。案の定、左に向き過ぎており、「×」の表示。ラインを出て、壁に光を当てて持参したプラスとマイナスの2つのドライバーで調整します。ここで、光軸が動かないと、前回の悲劇の再来であるが、チャンと動いてくれる。で再度ラインに入ります。でも「×」の表示。若いお兄さん曰く「かなり左にずれています、思いっきり右に振った方が良いです」というナイスなアドバイス。で、最大限まで右に振って検査ラインに。まだ左に寄っていたら万事休スである。神に祈るような気持ちで、ラインに入るも無情にも「×」である。もしかして、まだ左に寄っているのかぁ。
■ビームの調整■

図のように10mも離れると、どこが中心か分かりづらいので、5m先で5cmを目安にする
■上下の調整■

@のつまみを大型のマイナス・ドライバーで回す
■左右の調整■

Aのプラス・ネジを緩めて、@のつまみをスライドさせる
終了後、Aのネジを回して固定する
  でも、今度は光量不足だった、う〜ん、弱った。検査ラインのお兄さんの言葉では、「かなり低い」らしい。勿論、検査時はアクセルを目一杯吹かしていたので、打つ手はタダ一つ。急いで、前回検査を通った際に使用したランプに取替えるコトにした。現在付いているのは110W相当の明るさというランプである。前回に使用したランプは確か100W相当の筈。逆に10Wくらいダウンしている。たぶん「×」だろうというのは分かっているのだが、ワラをも掴む心境である。ボックス内は狭くて暗いので、思うようにH1ランプを取り付けられない。うまく装着したと思っても、点灯して見ると光源がグラグラ動いてしまう。うまく入っていないのである。うまく入ったように見えても、今度はバネ式のロックがキッチリと掛からない。などなど悪戦苦闘して取り付け完了。試しにイグニッション・キーをONにすると、「明るく眩しい光源が...」とはならず、暗いまま。ヲイヲイ、どうなったのだぁ? さっきまで点灯していたのに。せっかく苦労して取り付けたランプを急いで外し、持参したテスターで測ってみると、タマ切れである、ガチョーン(すまんそ、古い人間なんです)。
 地元なら、バイク用品を扱っている店の場所を知っているが、相模原では全く分からない。でも確かニーヨンロク(R246)沿いにバイクの部品屋が在ったよナァ、と思い出した。それで急いで検査場を出発し、ニーヨンロクを東京方面に進みます。途中、事故検分の渋滞にハマりながらも、何とか座間の「2りんかん」のバイク用品屋に到着。開店が10:30ということで、10分ほど待ってから店内に。ランプ売り場に行き、110W相当(従来よりも20%光量UP、3440円)のランプを握り締めるのでした。それにしても高っーけぃ。...とは言っておられないゾォ。料金を払い、店の駐車場でH1ランプを取り付けて、再度車検場に戻ります。

 さぁ、今度はどうだぁ。しかし、何と今度は下を向き過ぎである。タマが変わるだけで、そんなに光軸って変わるものなのかしらん。少し上側に向くようにネジを回して、再度検査ラインに入ります。でもマダマダ下を向いているようだ。2、3回やっても「
×」のため、思い切って一番上を向くようにして検査ラインに入ります。それでも、まだ下を向いているようだ。どういうコトなんだろう? H1ランプへの配線をブラブラさせると、僅かだが光軸も動くではないか。多少動くのはしょうがないとして、いかにも動き過ぎ。これは、もしかして...、Low側のランプでもそうであったように、ランプを押さえて固定させるバネがユルユルになってしまったのかもしれない。このユルユルを修復するのは大変なので、とりあえずランプへの配線をガムテープで固定し、それなりの光軸になるようにして検査ラインへ。どうやら軸はあっているようだが、光量不足で「×」である。検査ラインのお兄さんの話だと、「光量不足というより、焦点がボヤけている」らしい。バネで押さえる力が小さいため、焦点もズレているのかも。まぁ、そんなぁこたぁ、ねぇー筈なんだが。

 この修復作業はランプ・ボックス(ハウジング)全体を外すしか手はない。車検場で修復する位の道具は持参しているが、いくらなんでもナァ。で、急いで帰宅し、前回と同様にランプ・ボックスを外すことを決意するのでした。R129を戻り、混んだ長後街道を戻って自宅に帰り着き、昼飯も食べずに作業開始。もう何回も脱着しているので、外すのは楽勝・楽勝。両サイドのカウルを外し、フェアリングを外し、クダンのボックス部を取り外します。バヨネット式のバネ部を見ると、確かに伸び切っている感じ。バネ部分をペンチで曲げて、ランプを押さえる強度を上げて修復完了。でも、これで光量がUPするとは、到底思えないナァ、やっぱり。組み立ての方も楽勝の筈が、途中でビスが2本余っていることに気が付き、泣き泣きヤリ直し。さぁてとぉ、これから再度検査場に。とも思ったのだが、検査ラインのお兄さんの「@光量UPのランプより、オリジナルの方が明るい場合が割と多い Aバイク屋の方で光量UPのノウハウを持っている可能性が高い」の有難いアドバイスを思い出した。

 このため、いつも整備をお願いしている六角橋のBMWサービス工場に寄って、オリジナルのH1ランプを購入し、いろいろとアドバイスを貰ってから検査場へ行こうと方針変更。もう時間がないので、有料の横浜新道を用いて、サービス工場に向かいます。工場長が居られて、アドバイスを聞くも、「そんな秘策は無い」とのことである、ガックリ。H1ランプの方も、残念ながら在庫切れ、今日2回目のガチョーン。しょうがない、検査をパスするアテはないが、検査NGの事後処理の方法を聞かなければならない(前回はこれを聞かなかったため、税金の領収書が無くて大変だった)ので、とにかく検査場に。検査場に着いたのは、終了16時の15分前。急いで検査ラインに入るも、光軸がズレているとのこと。でも、かなり光量は上がっているようだ。バネが強くなって押さえる力が増して(接触抵抗が減った/焦点が合った)のか分からないが、結構変わるものらしい。少し希望が沸いて来て、光軸をそれなりに変更し、ラインに入ります。でも「
×」の表示は変わらず。検査ラインのお兄さんも気の毒がって、イロイロと助言してくれる。「@これだけ小さなランプ・ボックスでは少しの汚れでも光量は落ちる A反射部のメッキが剥れている部分の影響も大きい 等々」
 どうやらランプ・ボックスを丸ごと取替えなければならないハメになったようだ。とうとうアキラめてサービス工場に電話し、ランプ・ボックス部を発注するのでした。この後、検査センターで事後処理の方法をアレコレ教えて頂く。今回は限定車検証なるものを発行して貰い、後日に再度検査することにした。この限定車検証での再検査の場合は「予約は不要で、検査場はどこでもOK」だそうな。この2点は非常に有難い。料金のことは聞かなかったが、検査費用自体はタカが知れている。今日は9時のスタートから最終の16時まで、計9回もラインに入ったが、結局無駄骨になってしまったワイ。そして、今日一日で180Km超も走っている、メチャ疲れたぁ〜。ヤケ酒をタラ腹呑んだのは言うまでもない。

 4日後に発注していたランプ・ボックス部が届いたとの連絡が入った。国内に在庫が無ければ、ドイツからの送付となるので、とても車検満了日までに間に合わないところだった。正直、うれしい。でも、
税込み42000円だというコトにはガックリ。限定車検証では検査以外での走行は禁止なので、コンプライアンスを守り、原付スクーターでサービス工場に取りに行く。ドイツ語で「ガラス注意(と思う)」の封がしてあるダンボール箱を開けると、真新しいランプ・ボックスが顔を出す。このレンズと反射面のピカピカ具合はどうだぁ。レンズと反射面に一点の曇りもない。これならキット通るに違いないゾォ。ランプもオリジナルのがHi(H1)/Low(H3)とも付いている。急いで帰宅し、イソイソと交換開始。今回はアワてる必要が無いので、ユックリ・ノンビリと確実に両サイドのカウルから取り外していき、フェアリングを外してランプ・ボックスを外します。記念に新旧のランプ・ボックス部のデジ写真をパチリ。どれだけ汚れ・剥れが有るかがご理解して頂けると思う。「それだったら、洗ってキレイにすれば良いじゃん」という貴方、それはまさしく大正解。...なんですが、以前に無理クリに分解が成功した際、レンズや汚れた反射面等を洗おうとしたコトがある。レンズ等は全く問題ないのだが、反射面だけは「×」、やさしく洗ってもメッキが剥れて来るのです。という訳で、洗うに洗えないのです。一応、メッキが剥れてしまったトコロには銀色の塗料を塗ってはみたが、ヤハリ気休めにもなっていないようだ。新品のメッキ部を見たら一目瞭然、本来の反射係数とは月とスッポンである。
右側が新品
ドイツ語を専攻していた筈なんだが...
交換作業中
下側が新品
 後日、車検場に行き再検査を実施(検査費用は1300円)した。やはり光軸はズレている。そりゃぁ、そうだぁ、未調整なんだから当然である。で、壁に向かって調整を行い、4回も出たり入ったりしたが、ナカナカ「○」になってくれないヨォー。とうとう我慢できなくなり、近くのテスター屋に駆け込んでしまった。3000円を支払い、光軸を見る機械に掛けて1、2分で調整完了。「ふぅ〜ん、結構微妙なモノなんダァ」と妙に納得。どうやら光軸合わせだけは、プロ(というか、ちゃんとした測定器)に任せた方が良さそうである。

 急いで検査ラインに戻ると、今度はイッパツで「
」。新しい車検証を10:15分に入手し、思わずニッコリ。今回の車検も大変だった。愛車のF650CSともう8万Kmも走行している。次回の車検時には10万Kmは超えているのは間違いないが、アチコチに、もっとガタが来ている筈である。次回は、...と考えただけで、思わずガックリ

 それにしても、ランプ部のハウジング(ボックス)って、BMW社では消耗品なのかしらん。国産バイクでは、そんな話は聞いたコトがないゾォ。これだけ電気系統、特にヘッドランプ周りのトラブルが多いのは問題である。

「こりゃぁ、責任者出て来いヤァ、BMWの技術者」と、いつものボヤキ。
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