リア・ブレーキ・ディスク交換 
 HYDは鉄馬にワックスを掛け、ピカピカに磨いて悦に入るタイプではない。まぁ、世の中にはそういう人も多い(特にハーレー乗り)のも事実。勿論、そういう楽しみを否定はしない。が、HYDはバイクを工芸品ではなく、『道具』だと思っているので、「サビない&見苦しくない」程度にしている。具体的には水道ホースによる流水を使わずに(というか、マンション暮らしで水道を使用できない)、水ゾウキンによる簡易洗車だけしている。雨の中や道路の水溜りを走った時には、当然ハネが多いので、念入りにゾウキンで拭いている。このような簡易洗車でも、簡単な点検をも兼ねるコトになるので、モノグサなHYDでも結構マメに実施している。で、水溜りの中を走ってしまった翌日、バケツに水を入れてゾウキンで泥ハネを落とした。7.8万Kmも走れば当然であるが、やはり今回もイロイロと問題が判明した。
リア側のブレーキ・フルード、ずいぶんと減っていた
 中でも特に気になったのは、リア・ブレーキのマスター・シリンダーのブレーキ・フルード量。規定線よりズイブンと下回っていたのには驚いた(「ヲイヲイ、もっと早く気付けよナァ」は無しね)。ブレーキフルードに漏れがあれば、当然液面は下回るが、いくらなんでも漏れるコトはないだろう。パッドが減っても液面の表示レベルは当然に下がる。しかもリア・ブレーキのパッドを取替えてから1.9万Km(前回は18600Kmで交換)も走っているので、パッド減りはかなり不安である。ソロソロ交換時期でもあるので、念入りにチェックしてみると、パッド自体はマダマダ残っていた、ウレシヤ。最近、リア側よりもフロント側にブレーキを強め・多目に掛けるようにしているからカモね。
 そうなると心配になって来るのは、パッドの相手側であるディスク(ローター)本体の磨耗である。タマにディスク減りをチェックしているのだが、ズイブンと減って来ており、「ソロソロかも」と思っていた。BMW社のF650CS整備マニュアルをよくよく見る(英文なので、「読む」のではなく「見る」のである)と「減り具合が0.14mmで交換しなさい」となっている。
指定されている計測方法
かなりの安全サイドで記述されている危ない整備本なので、コレを真に受けると「福沢 諭吉」君がドンドンと集団で逃げて行くコトになるのは承知の介。本来はマイクロ・メータやBMW指定のダイヤル・ゲージ等で減り具合を精確に測定しなければならない。
  が、そんな精密な計測器を持っているHYDではない。で、感覚的に危ないナァと思った時に替えようと考えていたのだが、トウトウその時が来たモノと判断した。この「感覚的に...」というのは、親指と人差し指でディスクを挟み、平らな部分と凹部分のヘコミとのギャップを推測するものである。人間の指の感覚はヘタな測定器よりハルかに優れており、ごく僅かな凹でも検出できる。だから、指で凹が分かったとしても、即交換とはならない。ただ今回は、平らな部分との間に、十分な●引っ掛かりがあるほどに凹が出来ていたのである。こうなると、心配で・心配で夜も寝られず(●ウソっぱち、そんなぁこたぁ無い)になって来る。このため、アマチュア無線家であり、玄人ハダシの工作屋でもある、旋盤などの工作器機をお持ちの先輩に頼み込み、マイクロメータをお借りして来て、減り具合を測ってみた。結果は、減った部分の厚みが3.26mmで、減っていない平らな部分5.00mmとの差が「1.74mm」とマニュアの数値を●はるかにオーバーの0.87mm(マニュアルでは「ダイヤル・ゲージで測定せよ」と書かれているので、マイクロメータの差分÷2とした)。う〜ん、●危険が超危ないではないか。リミットを大幅に超過している、早急に取替えねば。参考までに、さほど減っていないフロント側(まだパッドは1回しか交換していない)は、5.00mm−4.68mmと0.16mmである。どうやら、パッドがギリギリまで減ると、フロントであろうがリアであろうが、0.15mm前後に磨耗するというコトのようだ。
マイクロ・メータ
こうなると、マニュアルに記載されている0.14mmの数値では、「パッドの交換毎にディスクも交換しなはれ」と言っているコトと同じではないか。

ふざけ過ぎているゾ >> BMW社

 そうは云ってもラチが明く筈もない。しょうがない、そろそろパッドも減っているので、いつもの厩舎(ディーラーの整備工場)へ鉄馬を牽きたて、5回目のリア・ブレーキ・パッドの交換に合わせて、リア・ブレーキ・ディスク(ロータ)の交換を実施して貰うことにした。
■費用は42千円、と4万円前後と高めにイメージした額にピッタリ。やはりBMWは高い。
■所要時間は1〜1.5時間ということだったが、整備車が多かったので、待たずに預けることにした。

 整備技術者さんからは「ずいぶんと減っていましたネェ、かなり危ない状況でしたヨォ」と言われるかと思いきや、特にコメント無し。ということは、5回目のブレーキ・パッドの取替えに合わせて、ディスクを交換をしても遅過ぎることはないのかも。私的には4〜5回目で交換するのが良いように思われる。ただし、2回目でさえマニュアル指定の数値を超える筈なので、HYDを信用せずオウン・リスクで判断してネ。責任回避キッパリ!

【ご注意】くどいですが、BMW整備マニュアル値をクリアするには、ディスクの磨耗量から推測して、前述通りパッド交換に合わせてディスクを取替えるのが正解ですヨ。そんなコトはしないとは思いますが。
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