F650CSメンテナンス・スタンドの製作 
 どういう訳か、BMWは車体本体だけでなく、メンテ費やアクセサリー類の値段も高めに設定されている。そんなのは、購入前から分かっているのだが、それでもネー。できるだけ簡単なメンテくらいは、DIYでやろうとするのだが、ネックになるのは、センタースタンドである。そう、F650CSにはセンタースタンドが付いていないのダー。アマ無線が楽しめるよう、現在住んでいるマンションは、見晴らしが良いのだが、台風でなくても結構強い風が吹くのです。吹きさらっしの駐輪場では、バイク転倒の危険が危ないのである。センタスタンドで駐輪している原付バイクは、台風の後には、横っ腹をサラして倒れている事実が恐ろしい。で、センタースタンドは諦めて、メンテナンス・スタンドを考えるのでした。でも純正オプションのメンテ用のスタンドが用意されているのだが、これが3万円近い値段(社外品のセンタースタンドも同じ位の値段)なのである。直輸入しても、重量がカサむため、さほど変わらない値段になってしまう。どうすりゃ、いいのーさぁ、思案橋。
 で、熟慮ウソ、本当は単なる思い付き)の結果がメンテスタンドの自作である。おーっ大胆、という結論ながら、こういうのって勢いでヤラなくちゃあネ。

【製作方針】
 ・鉄材を使用すると加工が大変なので、木材中心で製作し、ノコギリ・ドライバー中心の工作とする。
 ・木材だけで作ると強度的に心配なので、両サイドをコンパネ等で補強をする工夫をする。
 ・肝心の鉄馬との結合は、10mm径・20cm長ボルトで軽く締め、使用後はボルトを外す。
 ・このボルトを支えるプレートの強度を上げるため、太い木ネジで固定する。
 ・スタンドを立てるのは足で行い、起き上げ易くするように工夫する。

 さぁ、実際に作ってみましょう。まず用意するものは、ホームセンタで全て揃います。藤枝市街をツーリング中、材木工場の裏側に、「端材、無料」の立看を発見。イソイソと使えそうな端材を物色します。これを後生大事に持ち帰ったのでした。これを除いて、買い物です。

【材料】
   910mm×182mm×38mm SPF木材 ...365円
   木ネジ 4.2mm×65mm         ...208円
   ボルト 3/8 200mm(10mm直径)  ... 84円
   多孔式プレート 2枚             ...420円
   木ネジの太いヤツ 6mm×40mm 6本   ...126円

1200円ちょっとですネ。実は材料より高い買い物があります、ノコギリです。邪魔なので、実家に置いてきたものですから、買いました。これが1344円で、トータル2500円程度でした。タダの端材を購入したとしてもタカがしれてます。

【製作】
 午前中に材料を選んで購入し、昼飯後製作にとりかかり、4時ごろに終わりました。手際の良い方は半日で全て完了でしょうネ。日頃ノコギリなんぞを使い慣れていないので、直角に切ることが出来ず、難儀しました。板の幅が18cmなのに、バイクのセンタースタンド用の穴の間隔が16.5cmと狭いため、片側だけ2cm弱幅・14cm長ほどノコで切り取りました。それから地面からの高さを24cmとして設計したのですが、ちょっと勘違いして、木の上に出るプレートの高さを間違えて短くし過ぎてしまい、新しい穴を開けると強度的に心配になったのと、面倒くさくなったので、プレートの違う場所の穴で留めて、高くしました。これで、ボルトの中心までの高さが、25.5cmと設計より高くなりました。それでも何とか無事に完成です
純正スタンド、簡単な構造なのだぁ
当初のスタンドを立てるイメージ
多孔プレート、一番上の穴をリーマで拡大
左側のプレートが10mmボルトに拡大済み
製作途中のスタンド、基部をドンドン短縮中
 ウソです本当はココからが思案のしどころでした。基部は182mm幅で50cm長ほどにし、現物合わせで短くしようという計画だったのですが、ドンドン短くして、これ以上短く出来ない21cmにしても、基部が後タイヤ等に邪魔になって、センスタの穴にボルトを通すことが出来ません。「なんてこったぁ、失敗したかぁ!」とアキラメたのでした。やはり強度のある金属製で、基部の長さを極力短くしないとダメなんだ、と半ベソ状態に。それでも、半日の労力を無駄にしないように、メンテスタンドを金属で作るためのデータを取ろうと、イジっているうちに、ヒラメいたのでした。全てを反対にしよう、というのです。センスタを立てるのに、普通はバイクを後に引き上げますが、逆にして前に引き上げよう。降ろす時は、逆に後に引こう。そうすれば、自作メンテスタンドの基部は前向きになるので、邪魔になるものがなく、ボルトを通すことが出来るのではないか、というのです。でも、スタンドを立てることが出来るか、スタンドとして機能するか、などなど心配ですがやってみよう、ダメモトだし。で、やってみると、基部に足を掛けるのがやりにくいですが、後のタンデムグリップを握ってちょっと力を入れただけで、軽くスタンドは立ち上がりました。
  
「おーっ感動!!」
 少し前後左右に揺り動かしましたが、安定してます。機能的にも全く問題なし。よーし、今度はスタンドを降ろしてみよう。これも後に少し力を入れるだけで簡単に降ります。
  
「やったネ!!」
スタンドを立てる方法【逆転の発想】
 こういう方法に最初から気が付いていれば、基部をあんなに短く切らなかったのになぁ、とツブヤくのでした。良い子の皆さんは基部の長さを30cm以上にし、ここに30cm長位のLアングルでも取り付ければ、足をスタンドに掛けるのも楽になり、立てる際の力も半減すると思います。この状態で後輪は4.5cmも浮いています。取りつけボルトの中心までの高さは23cm位(ウソ、23cmでは短すぎて下に板を敷かなくてはNG)24cmが丁度良いのではないかと思います。
  【でも真似されれる方は、オウン・リスクでやってね】

 さて、スタンドが出来たら先ずやりたかったのが、ベルトの検査です。小石を噛んで、1箇所小穴が開いているのですが、それがどのようになっているか調べるのが、サイドスタンドでは大変なのです。早速調べましたが、大事にはなっていないようです、一安心です。それから、サイドスタンドの足にゲタを履かせていたのですが、縁石にブツけて木製のゲタを壊してしまったので、今度は自作ステン製ゲタに取替えます。これもメンテスタンドですと簡単に取替えできます。
横から見たスタンド
前から見たスタンド
左前から見たスタンド、ゲタは外してある
向かって右側は幅を少し狭くしている
右後から見たスタンド
【今後の予定】
スチール製Lアングルを基部に入れて、基部を踏み込み易くしたいと考えてますます。これは、安定度を増すためにも有効と思います。
 
【純正品と自作の比較】
 純正スタンドを使用したことが無いので、使い勝手の比較は出来ません。コスト(購入費用のみ、手間賃はゼロ)の比較は、1/20以下です。

愛馬F650CSはチェーンドライブではないので、メンテスタンドの使用頻度は少ないかもしれませんが、安く・簡単に出来ますので、お薦めですヨ。
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